私の理佐ちゃんの続きです

























理佐side









大好きな由依が私を追って高校に入って来て
バレー部にも入ってくれた

毎日一緒に朝練に行って、
部活を終えて帰ってきて、
たまにコンビニで買い食いしたりして
毎日がすごく幸せ

由依はずっと可愛がってる近所の子
物心ついた時にはもう隣にいて
昔から私にずっとくっついて来る可愛い子

気づいたらそんな由依のことを好きになっていて、
この関係じゃ収まらないくらい大好きで。

お子ちゃまな由依は気づいてくれないんだろうけど。

久しぶりに手を繋いだ初登校日、
なんだか昔に戻ったみたいで懐かしかった

ねぇ、由依、覚えてる?

今、隣で目を閉じて
バスに揺られている由依に心の中で問いかける

部活の練習は由依にはハードみたいで
いつも帰りのバスで
起きようと粘りながらも寝落ちしてしまう

ふと、カーブでバスが揺れて
由依がこっちにもたれかかってきた

顔にかかった髪をそっと払って
あどけない寝顔を眺める

純粋無垢な由依はあの頃と少しも変わっていない
いや、さらに可愛くはなったけど
根本的な所はずっと大好きな由依のままで

そっと由依の肩に手を回して
ぼんやりと昔のことを思い返した





















あれは、私が小学生になったとき。

由依の進級祝い兼私の入学祝いで
由依の家でパーティーをしていた



「ほら由依、ロウソクふーってして」

由「やだ」

由「しない」

由「ねんちゅうさんにもならない」

年中さんになったばっかりの由依は
なぜかずっとご機嫌ナナメで

大好きなはずのケーキにも手をつけず
食卓から逃げ出してソファで丸まる始末

いつもいい子なだけに
なんでこうなっちゃったのか余計分からなくて
由依のお母さんも、みんなも混乱するばかり

「ごめんね、由依眠いのかも」
「由依置いて先に食べ始めちゃお」

言われるがまま、
切り分けてもらったケーキに手を伸ばすと

由「やだ!だめ!」

由「りさちゃんたべちゃだめ!」

由依がソファから走ってきてフォークを奪われた
そのまま私の隣に座って
頬をふくらませながら睨みつけてくる

本人は怒っているつもりなんだろうけど可愛くて
ぷくっとしたほっぺを突つくと

由「やだ!」

また怒られて
今度は腕を掴まれてしまった

理「由依、どうしたの?」

問いかけても無言でいやいやと首を振るだけで
怒っている理由を教えてくれない

周りの大人がみんな困り果てたところで
由依が私の腕を引っ張って立ち上がると
そのまま子供部屋に連れこまれた

訳が分からずぼーっとしている私を置いて
由依は瞳を潤ませながら
ドアの前にぬいぐるみを積み重ね始める

理「なにしてるの?」

由「りさもてつだって」

由「おかあさんがはいってこないようにする」

怒りながら自分と同じくらいの
大きさのぬいぐるみを運ぶ由依が可愛くて
ニコニコと眺めていると
理佐もやって、と怒られる

ありったけのぬいぐるみを積んで満足したのか
由依は私の元に走ってきて
そのまま抱きついてくる

その瞬間、
糸が切れたように号泣し出した

由「ようちえんもどってきて

由「しょうがっこうだめ」

どうやら寂しかったみたいで
小学生なんか行かないで、ずっと由依と遊んで、と
大泣きしながら懇願された

理「それはできないけどさ」

由「なんで!やだ!」

由「だめ!ゆいとあそんで!」

理「由依、」

由「やだ!」

理「小学校行ってもずっと由依と遊ぶよ」

由「…ほんとに?」

理「うん」

由「ずっといっしょにあそんでくれる?」

宥めてもまだ涙目で問いかけてくる由依
しばらく頭を撫でて慰めると
落ち着いてきた由依が見つめてきて

理「どうしたの?」

由「ずっといっしょってやくそくして」

理「指切りする?」

由「する」

指切りをして由依を抱きしめる
それでもまだ由依は不機嫌そうで
肩を押し返して来た

由「けっこんして」

理「え?

由「わたしとけっこんして」

由「そしたらずっといっしょなんでしょ」

どこで覚えたのか
あやふやな知識で迫って来る由依

理「大きくなったらね」

由「やだ」

由「いまするの」

理「今か〜」

由「して」

理「…いいよ、しよっか」

結局、かわしきれなくて結婚したことにしたら
由依は途端にご機嫌になって
私の手を握りしめてリビングに戻った

そのまま、さっきまでが嘘みたいにパーティーを楽しんで
私の隣でずっとケラケラ笑っていた

帰り際に
結婚したんだからね、と念を押され
証拠に由依が1番大事にしていたぬいぐるみを貰った





その子は今でも私の部屋の棚にいるけど
由依は忘れちゃったかな

バスがカーブに差し掛かったせいでまた大きく揺れて
寝ていた由依が目を覚ました

由「あ、ごめん、寝ちゃってた」

理「疲れてるでしょ
   寝てていいよ」

由「ううん、起きてる」

理「そっか」

由依は小さく欠伸をして
楽しそうに今日あったことを話し始めた

無邪気な由依はやっぱり可愛くて
そっと髪に触れて頭を撫でる


ねぇ由依、私たち結婚してるんだよ?
覚えてないだろうけど。

またバスが揺れて
お互いにぶつかって
由依は無邪気に笑う

いっぱい笑うところも
顔いっぱいの笑顔も昔から変わらない

好き。

大好き、由依のこと。

これもまた心の中で呟く

家の近くの停留所が見えて
そろそろだ、とはしゃぐ由依


新婚旅行はいつにする?
なんて急に言ったら驚くかな
もう10年以上経ってるから新婚じゃないか


由依はもう心変わりしてるかもしれない


でも、私はまだ好きだから。

そろそろ、ちゃんと伝えてみようかな




















fin