* 前のブログで卵子提供は誰にでもはお勧めしない。 と言う内容で書いた事があると思うのですが、私の経験と主観で、下記の条件に合う方には卵子提供をお勧めします。 これは私の個人的な意見です。

 

現在悩んでいる方がおりましたら、背中を押す、又はやめる参考になれば幸いです。

 

 

①  経済的に余裕がある。

 

 

現実問題として、卵子提供の治療にはお金が掛かります。 私はアメリカでやっていますので、渡航費やホテル代、輸送料などはかかりませんが、それでもざっくり言って500万円弱程度のお金が掛かっています。

 

 

卵子提供を受ける国によって(現在は台湾、アメリカ以外にも選択肢があるようです)多少の料金の違いはありますが、それでも高額である事に違いはありません。 一回の移植でうまくいかない場合は再度の渡航費等が追加で発生、100万円程度の金額がその都度発生する事になります。 私が将来再度移植をするにしても、結局60−80万円程度の金額が掛かります。

 

 

残念ながら大金を払っても絶対に無事に出産出来る保証はありません。 生命はやはり人間の力の及ばない領域があると思います。

 

 

卵子提供で400−700万円の大金を払う事によって経済的に困窮する、例えば借金をしなければならない、と言う方には私はお勧めしません。 何故なら精神的な負担になるだろうと思うからです。「これがうまくいかなかったらもう後がない、絶望だ」というストレスを抱えるのは色んな意味で良くないと思います。

 

 

 

また、他の現実問題として実際に子供が産まれても、その子供に将来多大なお金が掛かります。 

それに卵子提供まで治療をすすめられる方のほとんどは40代以降だと思います。 日本ですと平均的な強制定年年齢はまだまだ60歳ですので、後10数年しか現役で働けません。 中には65歳まで定年を延期される方もいると思いますが、私の知る限り、給料は下げられるそうです。 まだ働ける間には子供にどんどんお金がかかり、貯金が十分に出来ない場合、定年して鬼門に入るまでの20年程、生活に困るかもしれません。 

 

 

ですので、十分に蓄えがあり、治療費を余裕を持って払える方には卵子提供まで進まれるのをお勧めします。

 

 

 

②  どうしても妊娠・出産がしたい。

 

 

 

明確なビジョンを持って、例えば45歳までにはどうしても第一子を儲けたいとか、今年の末までには出産して家族計画を完了したい。 どうしても妊娠や出産の経験を積み、その上で子供を育てたい。 と言う方には卵子提供がお勧めです。

 

 

何故なら、やはり成功率が格段に高いからです。 

 

 

私のドナーさんの採卵、その後の経過は驚く程順調で、たった一回の採卵で複数の「正常胚」が凍結出来ました。 もちろんドナーさんは健康な女性ですが、これは一重に年齢の問題と思います。もちろん個人差はありますが、要は若ければ、食事に気を付けたり運動を頑張ったりビタミン剤を飲んだり医者に通わなくても、容易に健康な子供を授かれます。 そういう風に体が出来ているんだと思います。 私はアメリカ在住なので、薬物乱用中に妊娠が発覚してその後無事に出産や子育てをしている人は何人も知っています。 母体も胎児も案外タフなんだなと感心します(若ければ)。

 

 

ブログを読んだり、芸能人が高齢で出産した「奇跡的」な話に触れると、努力すれば誰でも妊娠できるような錯覚に陥りますが、残念ながら人間も動物の一種です。 寿命は伸びましたが、と言って体の構造全てが短期間で変化するはずもありません。 ひょっとしたら今後何百年何千年のうちには変化するのかもしれませんが。 もちろん、万が一の奇跡を信じて閉経するまで自己卵での治療を頑張るのも個人の選択です。 何が正しくて間違っていると言う事はありません。 要は自分たちに夫婦・カップルにとって何が一番重要かと言う事だと思います。

 

 

人間の女性の生物としての繁殖期のピークは18−28歳だと聞きました。 この間が一番妊娠しやすく、出産にも向いているそうです。 確かに私の祖父母の時代は20歳前後で結婚し、生涯に複数人の子供を産みました(ちなみに私の父は6人兄弟です)。

 

 

いくら医療が進み、不妊治療の技術が発達しても、やはり限界があります。 納得するのに時間は掛かりましたが、こればかりはどうしようもないと思い、私は自分の生物としての老化を受け入れ、20歳程若いドナーさんに助けてもらう事に決めました。

 

 

 

人生には望んでも叶わない事は多々ありますし、自分の力の及ばない事を幾ら願って努力しても実を結ばない事はあると私は思います。 それに人生には何事も最適な時があります。 私ももっと早く子作りしていれば良かったともちろん何度も思いましたが、では10年20年前に子作りを始めて成功していたら、今の自分があったのか? 自分は今より幸せなのか? と聞かれたら、きっとそうではないと思います。 私にとって20代はまだ人生始まったばかり、と言う感覚でしたし、30代はこれからの人生設計について真剣に悩んで模索している時代でした。 子を産み育てる事を重要視した人生設計は考えられませんでした。 子供を持つ前に、自分の個人としての生き方を確立したいと思いました。 人生80年90年の時代だからこその苦悩だと思います。 もし人生が50年なら、もちろんもっと違う判断をしただろうと思います。

 

 

子作りを先延ばしして頑張った10年のお陰で自分は今納得の行く専門職に外国人ながらアメリカで就いていますし、もし子供がいたら、自分には今までの事は恐らく出来なかっただろうと思います。 なので、やっぱり自分の過去の決断には後悔はしていません。 自分を肯定して先に進む勇気も必要と思います。

 

 

この私の現在の状況でも妊娠及び出産の機会を与えてもらえる卵子提供の治療、技術及びドナーさんのご協力、それに夫の遺伝子も残せる事に、私は心から感謝しています。 

 

 

ただ、卵子提供で出産するにしても自分の体の限界もあります。 自分が今妊娠して、やはり年不相応の負担を体に掛けているなと正直感じます。今後子育てをする上できっともっと顕著にそう感じるでしょう。 

 

 

ですので、もしどうしても妊娠及び出産をしたいと明確に思う方は、1日も早く決断をされ、新たな人生のスタートに立たれる事をお勧めします。

 

 

 

③  子供は皆可愛いと思う。

 

 

日本は特に血のつながりを重視する文化なので、よく「血が繋がっていない子供を愛せるか?」 と言う疑問を持たれる方もいるようですが、私自身はそう言う疑問や不安を持った事はありません。 全く赤の他人の肌の色の違う子供が突然家の前に捨てられていて世話をする事になっても、私は精一杯愛情を持って世話をすると思います。 

 

 

うちには犬犬がいて、当然血は繋がっていませんが、もう長年可愛がって育てています。この子の医療費も莫大で、頭が痛いですが、と言って治療させない訳にもいきませんし(アメリカ人の中には治療費が払えないとあっさり安楽死を選ぶ人もいる)。

 

 

私は元々養子を迎える事に興味があったので、そいう言う意味では一般的な日本人の感覚とは違うのかもしれませんが、私はどこのお子さんも皆等しく可愛いと感じます。

 

 

ただ、残念ながら自分の産んだ実子を可愛く思えない親と言うのも一定数存在します(仕事柄そう言うお母さんも見掛けます)。 理由は様々あると思いますが、母性父性は人間が誰でも生まれ持ったものではないようです(例えば動物にも育児放棄はよくあります)。 血の繋がらない子供を産んで愛せるか分からないと悩む方がいたら、では実子なら絶対に愛せる自信があるか、自分に問いかけてみるのも良いかもしれません。 必要ならカウンセリング等受けられるのもお勧めします。

 

 

「他人の子供は可愛いと思わないし、自分の遺伝子の繋がった子供以外は愛せる自信はない。」 「努力して夫婦の子供が出来ないのであれば、それはそれで運命と受け止め、夫婦二人の生活、又は養子で構わない。」 「妊娠出産自体にそれ程のこだわりはない、養子縁組も視野に入れている。」 「夫婦の片方が卵子提供には消極的、又は否定的である。」 「田舎に住んでいるので、子供の顔が自分に似ていない場合、陰口が怖い。」 などの条件に当てはある方は、卵子提供はお勧めしません。

 

 

 

長くなりましたが、上記三点に当てはまる方は、卵子提供に進まれるのは良い決断だと私は思います。 

 

最後までお読み頂きましてありがとうございますお願い