映画「沖縄スパイ戦史」 | birds-rtcj30のブログ

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 題名を見て、沖縄スパイ戦史?

 沖縄でスパイ戦なんてあったのか⁉

 陸軍中野学校なんて知らない。。。

 これは、見に行かなくては…。


 8月10日(金)

 東中野にあるポレポレ東中野へ行く。

 上映は、10:20から。

 10時過ぎにそこに着くと、劇場は地階にあるのだけれど、地上まで、人が並んでいた。

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 10分ほど前、劇場にようやく入ると、ほぼ満席。座席数は、110だそうだから。
 
 これには、驚いた。。。 どのようなドキュメンタリー映画が満席⁈



 沖縄戦といえば、米軍が上陸し、民間人を含めて、20万人余りが死亡、1945年、降伏、集団自決ぐらいまでは、知ってはいた。その後も、ゲリラ戦、スパイ戦が続いていたとは、知らなかった。。。


 この映画のことを書くのは、私の手には負えそうもないけれど。。。



 陸軍中野学校は、ゲリラ戦、スパイ戦を仕込むための特務機関だった。。。そんなのあったの、、、



 その学校出身者42名が、沖縄へ渡った。

 沖縄本島に来た2名は、地元の10代半ばぐらいの少年を護郷隊として組織し、ゲリラ戦、諜報活動などを教えた。
 
 2人で、2隊1000人ほどの少年兵を率いた。死者は、わかっているだけで、162名。


 地元の少年なら、敵に不審に思われることもないからということらしい。

 その映像は、おそらく、米軍が撮ったものだろうが、少年の首が、飛んでなくなっていたりと、かなり、ショッキングなものも多い。

 
 少年兵は、アフリカなどで、今も、、、


 病気の者、負傷者は、移動の際、足手まといになり、また、敵に投降したり、捕虜となった場合、機密が漏れるのを防ぐために、幼馴染の少年兵に、殺させた、などという、元少年兵だった人の証言なども続く。

 この手の話はよく聞くけど、少年に、こんなことをさせるのは、むごすぎる。。。


 上の命令には、逆らえない、逆らったら、自分がやられる。。。


 一度、捕虜になった人が、スパイと疑われて、殺されたり、住民の間にも、誰がスパイ?誰が密告?敵と通じてる?疑心暗鬼が広がったという。

 住民が敵に投降し、情報が漏れては困ると、日本兵に殺された、住民は数100人、、、

 
 
 また、波照間の住民は、西表島へ、全島民移住を命じられた。そこは、マラリアの蔓延するところで、島の人口の三分の一の500人ほどのがマラリアで死んだ、という。

 これも、知らなかった。。。

 
 住民を避難させるためではなく、作戦に邪魔だから。

 飼っていた家畜は、殺された。米軍の食料になってはまずいというのは、口実で、自分たちの軍隊へ供給していた。。。


 
 基地のある所に敵はやってくる、映画の中で、おばあさんが話していた。基地なんか、いらね。


 にもかかわらず、今年、石垣市市長選で、自衛隊ミサイル配備推進派の候補が勝った時の映像も流れ。。。


 映画のほとんどすべては、証言によって、進められていくが、終わりのほうで、元自衛官がと、どこかで講演した時の模様の中で話していた言葉が印象的だった。

 軍隊は、住民を守らない、国、国体、権力者、軍組織そのものを守るものだと。




 護郷隊を率いた2人の将校の、人となりも、紹介されていて、どちらも、少年たちには慕われていたよう。

 戦後、亡くなった隊員の家に弔問に訪れたり、供養として、ソメイヨシノを贈ったり。

 ソメイヨシノは、沖縄の風土に合わず、枯れてしまったというのも、本土からの物事を考えていて、沖縄のこと、思っていない、ということの象徴みたいで、おかしかった。。。

 生き残った護衛隊の一人が、亡くなった69名の少年たちの弔いのために、69本のヒガンザクラを植えて、そちらは、今でも、花を咲かせているというというのと、対照的。




 
 なぜか、カメラは、クロサギ、撮ってた。オオゴマダラ、というチョウも。

 撮った映像を編集する際、カットせざるを得なかったものもたくさんあるだろうに、なんで、クロサギの映像、残したんだろうね。不思議だね。オオゴマダラもそうだけど。

 住民へのインタビューの中で、何度か、アカショウビンが鳴いていた。まあ、これは、聞こえてくることもあるでしょうけど、クロサギは、なんだ???

 ほかに、カラスも撮ってたけどね。クロサギ、オオゴマダラ、カラス、偶然写っていたんじゃなくて、どう見ても、撮ってる。。。




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 約2時間の上映の後、この映画の監督者の一人、大矢花代氏と、映画にも出ていた元自衛官の井筒高雄氏のトークショウがあった。

 こんなのあるの知らなかったし、金曜日なのに、夕方は仕事に行かなければならない日だったので、帰ろうかとも思ったが、せっかくだから、残った。


  

 井筒氏の話。

 今、自衛隊は、業務遂行上、障害となるような場合には、撃てるんですよ、という発言には、えっ???

 大砲を撃ったりするのに、その家の3階部分が邪魔になるといえば、その家を2階建てにすることも、出来る、えっ・・・

 災害派遣は、自衛隊の本来の姿ではなく、通常は、軍事訓練、演習をしている、まあ、そうだろうけど、、、

 沖縄のアメリカ軍は、日本を守るためにいるんじゃない、まして沖縄を守るためでもなく、中国や、アジア地域の前線だ、

 というようなことを語っていた。


 大矢氏は、軍は、西表島がマラリアの感染地域だと知っていた。 また、マラリアの薬はあったが、持っていたのは、将校以上の軍人のみ、という話もされていた。

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 20分ほどで、トークショウは終了。


 



 辺野古に、米軍基地は作らせないと、頑張っていた翁長知事が亡くなったばかり。

 国、上の言うことには逆らえない、のが当たり前なのに、ずっと、政府の言うことに反対してきた翁長氏が亡くなったのは、本当に悲しい。





 私は、辺野古に基地うんぬんよりも、あのきれいな海が失われてしまうと思うと、つらい。

 ジュゴンが生息していたこともあるのに。。。

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 国、軍、上の命令には逆らえない


 誰がスパイだかわからない、住民たちの間でのスパイ嫌疑、密告、惨殺、あり得ぬことではない

 
 国家機密、何も知らされない


 
 これから、また、そういうことが起こりえると思うと、、、怖い、、、、