母は、昨年9月から、ホスピスに入院している。
週に一度は、そこへ顔を出しているが、先日、行くと、「大事な話がある」と。
「何?」と聞くと「土曜日に自殺する」
はあぁ???
「ここで、どうやって」
医者が睡眠薬を出してくれるという。
睡眠薬で、自殺できるのか?気になって調べたら、睡眠薬で死のうと思ったら、想像を絶するほどの錠剤をのんだりしない限り、ムリだそう。
こんな体で、何も自分でできないし、もう生きていてもしょうがない、というのが、近頃の母の口癖。
確かに、ベットで寝たきりで、することもなく、楽しみもない。
そう思うのも、仕方ないけど、命ある限り、生きていることに感謝して、前向きに、生きて欲しい。
生まれてくることも、死ぬことも自分自身では、どうすることもできないのだから、それこそ、神や仏のみ心に任せるしかない。
お迎えが来るまで、待つしかないんだ。それまで、有意義に生きたいとは思わないのだろうか。
生きたくても、生きれない人も大勢いるというのに。
周りも見てごらん。同じように、ただ、生きている人も、たくさんいて、それでも、みんな、生きているよ。
そもそも、生きることとは、そんなに楽なことじゃない。死ぬことも、そうだけれど。
生きてるつらさも、また、人生。最期まで、精いっぱい、生きるしかないんだ。
輪廻転生を信じていれば、こんなことにはならないんだろうね。自分は、他の生き物の生まれ変わりで、死んだら、また、他に生まれ変わると思っていれば、それまで、功徳を積んで、よりよく生まれ変わろうとするだろうから。
悲しいかな、こんなこと、母に、言ってみたところで、もはや、何も聞く耳は持たず。疲れます。