ワールドカップ、日本代表が首の皮一枚だ。
「やってくれるでしょう」「信じましょう」といった能天気な
評論家をよそに、これまで2試合の日本の戦いを見る限り、
見通しは限りなく暗い。
とにかく全員の動きが重たい。
これは、明らかにコンデショニングの失敗だ。アメリカ遠征
前の日本での合宿練習で、絞りすぎたのであろうと想像する。
コートジボアール戦での見せ場は、本田の得点のみで、
明らかに力負けだった。
ギリシャ戦は、双方ともに迫力を欠く攻撃で、ゴール前での
スリリングな見せ場が皆無の凡戦。
サッカーの要素には「チーム戦術」「グループ戦術」「個人戦術」
の3つがあるという。
日本は、チームとしては「4-2-3-1」の
システム、そして「ポゼッションサッカー」を信条とする。
グループとしては「長友ー本田ー香川のホットライン」などを
ストロングポイントとする。
個人としては、「遠藤のキラーパス」「本田の無回転シュート」
「長友のスピード突破」ほかが思い浮かぶ。
こうしたチーム作り、選手起用についてはザッケローニ監督に
間違いはないと思う。
しかし如何ともしがたいのが、「規律」「組織力」は日本人には
体質的に合っているが、個人やグループレベルの「アイデア」
「創造性」が決定的に欠けていること。
サッカーはフェイントに象徴されているように「相手を騙す」
「裏をかく」スポーツだ。真面目で正直な日本人には、ラテン系の
ノリで、相手をほんろうする個人技の真似は出来ない。
90分間馬車馬のごとく走り、どんな局面でも相手より数的優位
を保って、ラテンサッカーの個人技に対抗するしか、日本の
生きる道はない。
それだけに、余計に最高のコンディションが求められるわけだ。