1954年と1959年の演奏を「チョイス」した

名演集。

共演にジェリー・マリガン(bs)、ボブ・

ブルックマイヤー(tb)が登場。(両人は、

交代でピアノ伴奏もしているが、お世辞にも

巧いと言えない)。

またラス・フリーマン(p)をバックにワンホーン

快調にスイングする演奏も聴ける。


特に私の好きなトラックはマリガンクインテット

による、ズートのオリジナル「レッド・ゼア」。

ズートが、相変わらずしなやかで豪快なテナーを

吹き、次いでマリガンが歌心溢れるスインギー

なバリトンを、そして二人の掛け合いへと、

演奏は進みクライマックスを迎える。

何回聴いても飽きない、見事な二人の快演だ。


1954年から二年間、ズートはマリガンの

グループに参加し、また57年以降はニューヨーク

に舞台を移し、アル・コーンと組む。

マリガン、コーンの二人の名手が、ズートの

音楽人生をいっそう豊かなものにした。