カウント・ベイシー楽団で、「ベイシーの影武者」
と呼ばれるほどベイシーに似た演奏をした、
サー・チャールズ・トンプソンの1954年録音の
リーダーアルバム。
ここでの目玉はコールマン・ホーキンスの参加。
スイング時代のテナーの王様らしい、力強い
立派な演奏で、エメット・ベリー(tp)、ベニー・
モートン(tb)、アール・ウォーレン(as)といった、
ベイシー楽団OBの猛者たちをぐいぐいと引っ張る。
その演奏の活気と躍動感は、JATPを連想させる。
B面は、打って変わってトンプソンのトリオ演奏集。
ウォルター・ペイジ(b)、フレディ・グリーン(g)、
ジョー・ジョーンズ(d)の、オール・アメリカン・
リズム・セクションを率い、ベイシータッチとは
違った、ソフトでモダンな演奏・・・ディヴ・
ブルーベックを連想させる・・・を披露する
これまで紹介してきたヴァンガードの
「ジャズ・ショウケース」シリーズは、約50枚
制作された。中間派に限らず、アート・ペッパー
とウォーン・マーシュの共演盤など、マニア
垂涎のモダンの名盤も多い。
ちなみに、ヴァンガード中間派シリーズの
全集CDが発売されるという記事が、
平成3年版のスイングジャーナル別冊
「ジャズ・レコード・マニア」に掲載されていたが、
いまだ実現の話はない。