「中間派」とはモダンジャズ初期もしくは
最盛期に(1940~50年代)行われた
スイングセッションの呼称で、大橋巨泉氏
が命名した。カンザスシティの黒人
ジャズメン(カウント・ベイシーのメンバーなど)
が中心になってコンボを組んで、ジャム
セッション風に演奏した作品が、主流を占めた。
「中間派」といえば「ヴァンガード」レーベルの
「ジャズ・ショウケース」シリーズ、「ヴァンガード」
といえばその代表作品が傑作アルバム、
「ヴィック・ディッケンソン・ショウケース」である。
ヴィック(tb)の優雅でユーモアに満ちた
アドリブ、エドモンド・ホール(cl)のニュー・
オーリンズ・スタイルを守りつつ、洗練された
ソロ、ルビー・ブラフ(tp)の、力強く、かつ
よく歌うブルース、それぞれが持ち味を十分に
発揮し、時間の制約なしに吹き込んだ、冒頭曲
「ロシアン・ララバイ」。全員の自由奔放な演奏は、
「中間派」の、最高傑作と言っても過言ではなく、
何回聴いても飽きがこない。
以降、「ヴァンガード」の「ジャズ・ショウケース」
に登場する名手たち・・・ジョー・ジョーンズ(d)、
バック・クレイトン(tp)、ルビー・ブラフ(tp)、
サー・チャールス・トンプソン(p)・・・などの
リーダーアルバムを、順次紹介します。