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僕が心臓のネジを巻く時

出来れば僕が動かなくなった後でも、この世界が平和であって欲しい。大切な人達が幸せであってほしい。

僕が生まれた時
家にはすでに3つ上の兄がいた





僕は兄と共に育ち
兄からいろいろ学んだ





僕にとって理想の兄は
勉強がよく出来て
スポーツ万能でクラスの人気者
友達も多く、遊び方もよく知っていて
格好良く、女の子にもよくモテる
仕事もよくでき、上司、部下からも好かれる
それが僕の理想の兄だった






「弟は兄と違って自由奔放で困る」
という様に比べられ
そして、僕もそんな理想の兄の背中を追いかけたかった





でも、実際は違う
僕は兄の背中を追いかけるどころか
反面教師として育った
僕の理想どころか
嫌なところばかりが目立ったから





でも、そんな兄が数年前から
立派な仕事に就き
魚釣りという趣味も始めた
友達ともよく出かける様になり
写真を見せてはよく話をしてくれる






僕は釣りには全然興味がないけれど
それが素直に嬉しかったりするし
影ながら応援している
まだまだ理想の兄ではないけれど
僕はそれでもいいと思っている
きっと僕も兄にとっては
理想の弟ではないのだから





そんな「理想の兄ではない」兄と
おそらく「理想の弟ではない」弟で
いつの日か釣りに出かけたい
多分、「理想の魚ではない」魚が釣れると思うけれど
それでもいいと思う






それが僕らが生きている今日だから
僕の彼女はごく普通の女の子





魔法が使えるわけでもなければ
人並み外れた特技があるわけでもない
素晴らしい才能があるわけでもない





ミスコンに選ばれるほど可愛いわけでもなければ
モデルの様に抜群のプロポーションを持っているわけでもない





秀才や天才と呼ばれるほど
頭がいいわけでもなく
人並みに努力をする





性格はいい所をたくさん持っているけれど
悪い所も同じくらいある




料理の腕も運動神経も
ごくごく普通




でも、僕はそんな彼女を尊敬し
自慢の彼女だと思っている。





この世界には
彼女より可愛くて、頭が良くて
料理の腕も運動神経も、そして性格までもいい
女性はたくさんいる
それでも僕にとって彼女は
Only 1でありNo.1





どこがそんなに好きなのかと言えば
言葉にするのは難しい
でも彼女は自分の未熟な部分や
足りない部分を知り、
理想に近づく為の努力をする
時には道を踏み外す時もあるけれど
諦めずに前に進もうとする





だから僕も彼女を応援し
時には友達として
時には家族として
そして時には喧嘩相手として
彼女を支えていきたい






そして僕が彼女を自慢の彼女だと思うように
僕も彼女に
自慢の彼氏だと思ってもらえるように
頑張りたいと思う
自分の未熟な部分を見つめ
理想に近づく努力をしようと思う
道を踏み外しても、諦めずに前に進もうと思う






自慢の彼女に近づく為に
僕は今日も生きていたいと思う
僕が心臓のネジを巻く時
僕は確かに生きたいと思っている
だから巻くんだよ





でも何の為に巻くのかと聞かれたら
確かな理由がある時もあれば
何の理由もないままに巻く時もある
巻くのに理由なんて要らないけれど
出来れば巻く理由があって欲しい






ただ作業として巻くのではなく
何かの為に、誰かの為に生きる
その為にネジを巻きたい





出来れば、ネジを巻くその日が
雲一つないよく晴れた日であって欲しいと思う
出来れば、ネジを巻くその世界が
平和であって欲しいと思う
出来れば、僕がネジを巻くことで
他の誰かに幸せをあげられればいいと思う
例え、今それが出来なくとも
いつかそれが出来るのなら
僕は心臓のネジを巻き続けたいと思う







何の為に生きるのか
それを知らずに生まれてきた
今までやってきたことが
すべて無駄ではないけれど
「あなたがいて良かった」という言葉で
僕のすべてが報われる
僕の失敗も後悔も
すべてあなたが変えてくれる



だから僕はネジを巻き続けるんだ
僕が動かなくなる、その日まで








出来れば僕が動かなくなった後でも
この世界が平和であって欲しい
大切な人達が幸せであってほしい





Superfly 『My Best Of My Life』