久しぶりのブログ更新ですが、先週末にサイバーエージェントのゲーム事業系子会社(以下、SGE)の若手社員向けにNLP(Next Leaders Program)というものを開催しました。


SGEにはもともとNBP(Next Bord Program)という若手の役員や次期役員候補といった幹部社員向けの経営者育成を目的とした取り組みがあり、NLPはその下部組織のような位置づけになります。


NBPはもう2年近く日高さんと浮田さんという2人のCA8の取り仕切りで続いているもので、今回、NLPを僕が幹事になってやっていくということが先日のあした会議で決まりました。


第1回目の開催となった今回は、各子会社の社長と人事の推薦によって選ばれた一期生となる参加者に「市場から見た自社の課題と優位性について分析し、強みを活かしてどう勝ち残っていくべきか発表せよ」というお題にチャレンジしてもらいました。


NLPの対象メンバーは4年目までの若手社員で、SGEに所属する各子会社で、プロデューサー、プロマネ、ユニットリーダーなどを務める若手の精鋭メンバーですが、さすがに所属する子会社の経営戦略を考えるというのは難易度が高かったようで、


課題や実績を整理して発表してるだけで戦略になってない


もし銀行やVCの融資担当ならそんな経営計画を聞かされても1円も出せない


競合に対する勝ち方にリアリティがない


文化や人材の話しは分かるがプロダクト視点で何が作戦なのかが見えない


など厳しいフィードバックをたくさんしてしまいました。発表が終わった後、メンバーからも「会社全体のこととなると全然考えられてないことがよく分かった」という感想があった一方で、「そもそも戦略とは何なのかがよく分からなくなった」と頭の中が???になったメンバーもいました。


そこで、このブログでも簡単にその点についてポイントだと思うことを整理しておきます(あくまで僕の持論なので個々のメンバーがしっかり社長や経営陣と話すことが大切です)


大前提として、たしかに、ゲーム会社のようなクリエイティブなビジネスを行う組織の戦略を考えるというのは難しいとは思います。


良いモノを作る、ユーザーに喜んでもらう、それ以上に大切なことなどないだろう、と。ないです、実際(笑)それが一番大切なことだと思います。


ただし、その一番大切なことを実現するためには、それを実行する組織をマネジメントする必要があり、同じ想いで必死にやっているライバルを上回り良いモノを作り続ける必要があります。


そのためには、努力や情熱に掛け算する自分たちなりの作戦が必要だと思っています。


市場を見渡せば、何十年と続く歴史のある会社や、時価総額が数兆円というグローバルなプレイヤーが存在し、自分たちが普通に思いつくことは彼らも思いつくわけで、実行段階でのノウハウや資本力も相当なものです。


それでも、自分たちだから提供できる価値(目指すべき大きな目標)を定義し、ライバルとの相対的な競争環境の中で、その達成のために連続性をもって「良いモノを作る」「ユーザーに喜んでもらう」ことを実現するための計画=戦略、なのではないかと思います。


コンテンツビジネスは、あくまで一つ一つのタイトルや作品の積み重ねにより、組織にノウハウがたまったり、経験により人材が育つので「連続性をもって」という部分が特にポイントだと考えています。


NLPの参加メンバーは、今回の発表やフィードバックを経てかなり思考のストレッチができたのではないでしょうか。


冒頭の挨拶で僕からは「優秀な若手だからここに呼ばれたわけだが、ただの優秀な若手のまま終わったら意味がない」と話しましたが、NLPを通じて有望な若手がリーダーとして思考のブレイクスルーを果たし、SGEに良い循環を作りだしていけるよう頑張っていきたいと思います。