今朝、目が醒めるとふと、随分前に買った本が目に浮かぶ。
ドイツで出会った友人たちと月に一度、
東京で感覚論の研究会を行っていた時に、
I氏にレクチャーの依頼を、お願いをした時に出逢った本である。
I氏は、ゲーテ、シュタイナーや様々な哲学思想を研究されていて
出版業も営んでいる。
I氏とは面識もなかったが、連絡先を知人から聞いていたので
メールで、レクチャのお願いをしたのである。
しかし、暫く経っても返信はなかった。
後日、悩んだすえ思い切って電話をしてみたが、
きっぱりとレクチャーの依頼は断られた。
諦めずにお願いしたが、「僕は、そういうの得意じゃないの」と
笑いながらも頑として受けてもらえなかった。
私が、諦めて、頼りなく礼を言うと「いい本があるから読んで見ません?」とI氏。
私は、どんな本ですか?」と聞くと
「水、いや元素霊と言った方がいいかな。」と言われた。
「余裕ができたら購入します。」と調子のいい答え方をしている自分を垣間見て
居心地が悪かった。
「いいよ、お金はいつでもいいよ、本は送るから」と言ってくれた。
今、私に必要な本なのかもわからないまま、逆に推しきられた。
レクチャーの依頼は断られたが、軽やかな笑い声と率直な言葉に親しみを感じていた。
そして数日後、この本が届いたのである。
美術書とも思わせる重厚な装丁で
本の上には翻訳された冊子が重ねられていた。
原本を開くと綿密なイラスト付きの解説が英語で記されていた。
原本と冊子(日本語訳)を照らし合わせながら、読んでいると、
詩的な言葉が散りばめられていた。
「水はあらゆる場面で球形になろうしています。
球形の天体である地球まるごと包み込み
水は、雫となって落ちるときには、球形の周囲を震わせる。。。」
この言葉に私も震えた記憶が今、蘇る。
翻訳は、I氏によるものだった。
確か当時、出版をしたばかりと言っていた。
刊行の日付を見てみると2005年春と記されている。
もう、20年も前になる。
あの時、思い切って連絡をしてみてよかったと
本を前にしみじみ思う。
今亡き、著者のテオドール・シュヴェンク氏は、ダ・ビンチ、ゲーテ、ノヴァーリスらの
研究をされ、惑星や星座が及ぼす影響を調べると共にさまざな著作を出版されたいた。
この貴重な本を入手できたことに今さらながら感謝である。
しかし、記憶というのは不思議だ。
なぜ今朝、何の脈絡もなくこの本が浮かんだんだろうか…。
