5月21日(木)
先日、行きつけのスーパーで ミニ玉ねぎ「ペコロス」を見つけて、つい買ってしまいました。
以前読んだコミックエッセイ、「ペコロスの母に会いに行く」を思い出したからでした。
(へー、これがほんとのペコロスかぁ~なんて思って。(笑))
「ペコロスの母に会いに行く」は、
漫画家の岡野雄一さんが、自分のハゲ頭を「ペコロス」と称して、
施設に暮らす認知症の母親との日々を、面白くもちょっと切なく綴っています。
私にも 今 佐賀で一人暮らしをしている母がいます。
パーキンソン病と診断されてもう20年。
10年経つと寝たきり状態になるとも言われたのに、
そうはならず、いやそうならないように母自身が頑張ってきたのだと思います。
でも、病名と80代後半という年齢で今も一人暮らしだと聞くと、周囲は誰もが驚きます。
「大丈夫なんですか?」と。ちょっとフツーじゃないみたいに。
でも、何をもって大丈夫だと言うのか、
どうすることがフツーだと言うのか、
周りのものさしと 母のものさしは違うようにも感じて。
でも、とりあえずはいろいろ、お試しのようなことをやってはみたんです。
徐々に慣れていきながら、施設入所も考えていきましょうか~という流れに
乗ってみた時期もあったんです。
が・・・なんというか・・・ いろいろと言いにくい部分です。
ざっくり言うと、母が母じゃなくなるような気がして。
いざとなると母本人はもちろん、私達娘(私と妹)も決心がつかないままでした。
母の場合は、身体が動かない時間が徐々に長くなってはいるものの、
薬が効いている30分~1時間の間は、
自分のことは自分でやろうと まだなんとか・・・なんとか動いているのです。
妹の話によると、確かにうまくやれないことが増えてきてはいるけれど、
それでも母自身、自分を諦めることなく、料理をしたり、庭の草取りをしたり、
どんなにゆっくりで時間がかかってもいいから、動こうとする意志があり、
自分の家で暮らしたいという母の強い思いが、ひしひしと伝わってくるそうです。
「いや~、お母さんはそもそもフツーじゃなかとよ。強かとよ。」と妹。
そっか、そもそもフツーじゃないと思えばいいんだ。苦笑
その後、妹のこれまでの試行錯誤を経ての判断力と、
勇気を持った行動力の甲斐もあって、
今回で3度目の新しいケアマネさんに変わったところ、
その方は、介護サービスの話以前に、
母がどんな人生を歩んできたかを まずじっくりとヒアリングしてくれたそうです。
どこでどう生まれ、きょうだいは何人で、どんな子ども時代を過ごし、
どんな仕事に就き、どんな男性と結婚して、
子どもは何人産んで、そのお子さん達は今どうしていて・・・と細かく細かく、
母の話にじっと耳を傾けてくれたそうです。
妹が電話で私に教えてくれました。
「こういうケアマネさん、私も初めてで、嬉しくて泣いてしもうたよ。
お母さんの生き方に ケアマネさんが感動しながら、
わぁ~よくここまで頑張ってこられましたね~。
Oさん(母)、素晴らしか~、私も見習わんば~って、お母さんの人生をほめてくれてさ。
周り(近所や親戚)が施設に入ることを勧めるけんて、
Oさん(母)が我慢してまで施設に入る必要はなかとですよ。
そのために私達みたいな仕事があります。
ギリギリまで自分の家で暮らしたかて思ってあるなら、そうしましょう。
Oさんを応援させてください。一緒に頑張りましょう。って。」
今のところ母は、デイサービスに週3日通い、
(身支度も時間はかかるけれど一人でやるのです)
昼間の弁当配達サービスや、訪問看護、マッサージ等、
利用できる範囲で 母をこまめに見守ってもらえる時間を増やしながら、
県内に暮らす妹も 週に2~3回母のもとに通い
母の懸命な一人暮らしを支えています。
コロナの心配もありましたが、デイサービスが閉鎖されることなく過ごせてよかったです。
妹も、感染の心配よりも 母を一人きりにしてしまうことで
母の心身に起きる様々な衰えの方が心配だと、
いつも通りに母のもとに通ってくれているようです。

