数か月前に図書館から借りて来た読んだ
『「秋田のターシャ」と呼ばれて』という本。
鳥海山の麓の小さな集落にある「ガーデンカフェ Time」。
荒れた竹藪をひとりで開墾し、
美しく生まれ変わらせたのが著者の佐々木利子さん。
四季折々の草花に溢れる美しい庭には全国から人が訪れ、
彼女はいつしか「秋田のターシャ」と
呼ばれるようになっています。
本を読んでからずっとここへ行きたい、
佐々木さんに会ってみたいと思っていて、
連休を利用してついに行ってまいりました。
カフェにはお客さんが車を止めるスペースはないので、
集落にある「大竹会館(ふくじゅ館)」の駐車場にとめて
そこから歩いていきます。
歩いて3,4分かなぁ。
カフェまでの道のり、所々にこういう看板が
私達みたいに地元の人じゃない人が歩いていれば、
確実にTimeへ行くお客さんだとわかっちゃう。
そのくらいなーんもない田舎の集落。
こんな小さなかわいい橋もありました
(この橋は渡らずに逆方向へむかいます)
この看板を見つけたらもう少し先。
とーうちゃく
外で「どうしたらいんだろ?」ときょろきょろしてたら、
すぐに建物から人が出てきてくれました。
わ、佐々木さん
本の著者の佐々木利子さんご自身です
「まずは建物の左側から見て行ってください。
その間にお茶の準備をしています」
とのこと。
では、行ってみましょ。
9月末の庭。
どの季節に訪れても、
常に何かが咲いてる状態を作るって
ほんとうに知識と想像力が必要なことですよね。
植物の存在を邪魔しない、
鳥かごモチーフの雑貨や天使さんの置物たち。
植物に関する知識だけではなく、
小物をあしらうセンスも重要。
こういう雑貨って古びてたり、
壊れかけてるものほど素敵に見える。
配偶者と二人、
「小物使いも勉強になるね」と写真撮りまくりw
次は右側のお庭を見学。
どうやらメインはこっちっぽい。
ここ、もともとは竹林だったそうです。
それを佐々木さんがたった一人で開墾して作り上げたお庭です。
これは強い強い意志がなければできない仕事・・・。
なぜ佐々木さんにはそれができたのか、
しなければならなかったのか、
その強い思いは本で読んで知っていたので、
実際に訪れて胸が熱くなりました。
ああ・・・このシンプルなアーチも素敵だぁ
6月くらいがいちばん見頃かな?
今はあまり花は咲いてないかな?と思って来たけど
そーんなことはありません。
あちらこちらにかわいらしい花が咲いてます。
石の小道や塀に使われている石。
これは鳥海山大噴火によって飛んできた噴石だそうです。
この石が竹藪を開墾した際に掘っても掘ってもでてきて、
利子さんを苦しめました。
でも「鳥海山からの贈り物だから」と
ひとつ残らず利用したっていうから
その根性には感服します。
「タイムの家」。
ここがお客さんをお迎えする建物。
自らのデザインを起こした木造りのコテージです。
下の母屋で飲み物や食べ物を準備し、
こちらに運んでくるスタイルのようです。
入り口ではかわいい猫ちゃんの置物がお出迎え
「タイムの家」内部。
中央にどーんと長テーブルがあり、
10人くらい座れるかな?
白いガラス戸の向こうはウッドデッキになっていて、
そっちにも6~8人の席が。
ベニシアさんと佐々木さんの2ショット写真発見w
ベニシアさんも以前、
ここを訪れたそうです。
ターシャ、ベニシア、赤毛のアン、大草原の家。
ここを訪れる女性たちは
ほぼ全員これらのものにあこがれています。
私もこの写真を見つけ、
そばにいたおばさんと二人で大興奮しました
・・・実はこの方が
私達と同じ山形県の新庄市から来た人で。
佐々木さんと話をする中で、
私がどこから来たのか話したら、
「あちらの人たちは新庄から来たそうですよ」と
教えていただいて。
そんななりゆきから、
ウッドテラスで私達夫婦、
その女性二人組の4人でお茶を飲むことになりました。
ランチは現在お休み中。
メニューなどもなく、
このティーセットと庭の見学料を合わせて
一人1000円のようです。
ドリンクだけ冷たいものか温かいものかを選べるけど、
何が出てくるかはお楽しみ。
私達4人のテーブルに運ばれていたのは
アイスコーヒーとイチジクのセット。
他のテーブルの人はソーダとプリンのセットみたいでした。
イチジクはこのあたりの特産品。
あまり甘くなく、
さっぱりとしてて美味しかった~
甘露煮のトロッとした感じが苦手な人も
ここのなら食べられそうw
庭を眺めながら、
この庭のすばらしさや庭造りや花のこと、
新庄のお母さんたちとたくさん話してすごくいい時間でした。
いつもの自分なら、
飲食店などで隣り合った人と語り合ったりするの
あまり好きではないんだけど、
ここではまったく嫌な気持ちはなく、
自然と語り合えたなぁ。
中のテーブルに座ってる人たちも、
初対面の人との会話とは思えないような
ディープな人生の話してたし。
きっと本を読んで佐々木さんの人生に
感銘を受けてここへ来てる人たちばかりだから、
自然と語り合えてしまうんだと思います。
佐々木さんはワンオペですっごく忙しそうだったけど、
それでも「あとでお話しする時間を下さい」と
懇願してるお客さんいましたよ。
その気持ち、わからなくもないな~。
私だってできることなら
佐々木さんとじっくり話してみたかった。
庭を彩る花々は季節によって変わるから、
別の季節も見て見たい。
佐々木さんに「次は春の庭を見に来ます」と言って
帰ってきました。
ほんとうにいいものを見て、
いい人たちと触れ合って、
最近にはないくらい素晴らしい週末でした
帰宅後、この本をまた図書館から借りてきて再読。
忘れてたエピソードがたくさんあって、
行く直前に読んでいくんだった!!!と激しく後悔
これから生きていく上で、
これは絶対に手元に置いておくべき本だと痛感しました。
近いうちに購入しなきゃ~。
佐々木さんを過酷な庭造りに奮い立たせたのは妹さんの死です。
私も弟を亡くしているので、
だから佐々木さんの妹さんへの思いや悲しみには
人一倍感じるものがあるのかもしれません。
妹さんもうちの弟も、
若いうちに人生を終えることになり、
その無念さを思うと考えるだけで涙がでます。
特に弟には
子供のころから揺らがなかった明確な「夢」があって、
その無念さは私の想像力では計り知れないほど
深いものだったはずです。
けど、では残された自分はどう生きてる?
なにを頑張ってる?と自分に問うと、
もうはっきりと
「何もない」「何もしてない」「見つけられない」で
生きてるのが恥ずかしいような、
情けないような、
とにかく何か見つけなきゃと焦る気持ちは、
弟が亡くなってから
ずーっと漠然と抱えてはいるんだけど・・・・
見つからない。
でも、それは無理やり見つけられるものじゃあないのも
よくわかってるので、
いまだにぼんや~り生きてるだけ
あー、誰の役にも立たなくても、
「私の人生にはこれがある」と胸を張って言えるような物・・・欲しいなぁ。
自分の目でこの庭を見て、
佐々木さんにお会いして、改めてそう感じました。
私も、とりあえず自分の庭。
絶対荒したりしないで、少しづついい庭にしていこう。
・・・・今はそんなことしか考えられないです。
(訪問日) 2019年9月16日(月)
「ガーデンカフェ Time」
〒018-0322 秋田県にかほ市大竹前谷地131
0184-38-3537
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