甥っ子その2


まず最初に。
本日、弟に次男誕生!
おめでとう!
今度はお前に似てるじゃん(笑)。
ん、よしよし(^-^)



『ABブログ』にてバイトの話があったので。


バイトの思ひ出。


専門学校を出てから5年間、品川の高輪口にある本屋にて勤務しました。
社員ではなかったけれど、パートで、ほとんどフルタイム。
けっこう無茶してたな、若かったもんな(苦笑)。
本屋に勤めていて、一番の利点は「本屋に行かなくて済むこと」
笑うかもしれませんが、これ、結構重要でした(^-^)
で、色々あった中でも、一番の失敗……いえ、思ひ出話をば。

とある朝、いつも通り開店準備の品出ししてました。
すると電話が掛かってきて、自分が出ました。


自分「○○○書店高輪店です」
相手「○○○プ○ン○ホテルです。今、ご宿泊の外国のお客様が本をお読みになりたいとおっしゃられているのですが、そちらで洋書の取り扱いはございますか?」
自分「はい、あります」
相手「どんなものがありますか?
自分「ニューズウィーク(雑誌)とか『羊たちの沈黙』(映画のノベライズ・ペーパーバック)とか』」
相手「あの、そちらにいってもいいですか?」


と、ここで自分は電話を保留。
その日の朝の責任者である社員のSさんに尋ねる。
「あの、外国のお客さんが本を読みたいそうで、買いに来て良いですか、だそうです」


ここで自分の勘違い点その1。
相手方は「開店前だけど、今行って良いですか?」ということだったらしい。
自分は、開店したら来るもんだと思った。
当然、Sさんもそう思った。
「いいですよ」との返事をもらい、再び電話に。


自分「いいですよ」


すると、相手が受話器を押さえてコソコソ話を始める。
そして、さっきまでの口調とはまったく違う、潜めた声で。


相手「あの、カーター元大統領、なんですが」
自分「いいですよ!」


即答しました。
相手方はホッとした様子で、

相手「では、今から行きます」


そして、電話は切れました。

この時の相手の言い回し、今でも真似できるくらい可笑しかった。
なので「カー・ター・元・大・統・領」と言われた瞬間、自分『担がれてる(ダマされてる)』と思いました。
はい、これが自分の勘違い点その2。
そして、最大の勘違い、大失敗だったのでした。


作業場に戻って、のんきに伝えました。
「Sさ~ん、今からカーター元大統領が来るそうですよ」
途端に慌てだすSさん。
それを見て、
《あ~~~、本物が来るんだ、カーター元大統領》
とようやく理解した、自分。
だって、カーター元大統領なんて、テレビで引退演説見たのと、教科書に名前と写真載ってるのしか見たことないし。←当たり前;;
どー考えたって、本物が来るなんて、思わないじゃん(苦笑)。


で。

それからが、さあ大変。
やれ荷物片付けろ、道を空けろ!
(ビルの)管理事務所に連絡だ!
警備員を呼べ!
と上へ下への大騒ぎ、っていうのは、ああいうのを言うんですね(他人事)。


そんなこんなでも、なんとかなって、みんなでカーター元大統領をお出迎え。
笑いながら手を振って入ってきたハゲででっかいおじさん(外人)を見ながら、
《あ~~~、カーター元大統領って、こんな人だったんだ》
と思っていたら、その人はSPのおじさんでした。
でも、すっごい明るくて、楽しそうなおじさんでした。
その影にいらっしゃいました。
正に、テレビで、教科書で見たまんまの御仁が。
バイトである自分達にも、手を振って挨拶してくれました。
感動でした!
何おっしゃってるかわかりませんでしたが(笑)←英語の成績、最悪。
眺めているだけでも、何かが違う、鋭い感じもあれ、なにかほんわかした感じの素敵な方でした。

(Sさん曰く)なにか経済的な内容の本(もちろん英語)をお買い上げでした。
Sさんがレジ対応したのですが。
頑張ってレジ開けしたのですが。
カードでお支払いでした。
これ、かなり笑えました;
考えてみたら、カードでお支払いが当然のことでしたが、みんなレジ開けなきゃ必死だった分、後から大笑いしました。

Sさん、緊張のあまり、カードをお返しするの忘れちゃって。
そしたら、日本人の通訳の人相の悪い(しかも愛想も悪い、感じのめっちゃ悪い)通訳らしき人が、
「おい、カード忘れてるぞ」
って言ったら、カーター元大統領も、SPのおじさんも、ビルの管理の人も警備員さんも自分等も、みんなで笑って。
笑わなかったのは、日本のお偉いさんだけでした。
失敗してしまったSさんにも、それを咎めることなく、笑顔で「心配ないよ」みたいなことをお声を掛けて下さったそうです。
Sさん、大感激してました。
ここで格の違い、ってのを見ちゃいました。


そして、お見送り。
警備員さんが「俺、初めて見たよ」と。
自分も「初めてですよ」と、間抜けな会話をしながら。
そして、管理の人は「俺、もう一日分の仕事したぁ!」と。
たった、30分くらいの、出来事でした。


で、その日のうちのことでしたが、後日談。


店が開いてから。
「あー、サインを頂けばよかった!」という話になり。
自分、レジからクレジットのレシートを取り出し、
「ほら、サインならここに!」
と誇らしげに掲げました。
大爆笑でした。
その後、本気でコピー欲しいな、と思いましたが、これはお客様の大事な個人情報。
さすがに、断念しました。
これに関しては、身分関係なく、分け隔てなく、ダメです。


遅番の店長が出勤されて、今朝の出来事を報告。
そして自分、懲りずに、
「サインはここに!」
と、店長にお見せすると、
「これ、コピーしてこようっかな」
と。
店長の目は真剣でした;;


随分昔の話だけど、未だに色褪せない。
経験って、いいことですね(^-^)