いつも遅めなので比較的空いているのだが、
この日は入り口付近でパカパカ一服している地味なおばさんがいた。
(おいおい)
地下鉄の駅近くだし、路上禁煙地区だろうに。
まあ、そういうバカはほっといてメシメシっと(^¬^)
食券を買ってカウンターに置くと、先客に「かけそば」が2枚。
ふと見れば、奥に小学生とおぼしき男の子が2人。
(あー、もう冬休みか)
きっとご両親は働いているのだろう。
でも、血圧を気にしだしたおっさんじゃあるまいに
かけそば1杯じゃ足りんだろ?
などと余計なお世話的なことを考えているうちに
注文の品はできあがり、それぞれ食べはじめた。
すると、入り口にいたパカパカ地味おばさんが
少年たちのもとへ。
どうやら彼らの母親らしい。
(……はぁ~……)
心のため息の意図することは、わかってもらえますね?
しばらくすると、またタバコの箱を片手に表へ。
(……)
やがて、食べ終わったらしき弟君が、なにやらコソコソと
しゃがんだまま歩いています…。
おもむろに懐から携帯ゲーム機を取り出し
店のコンセントに接続。なにやらやっています。
どろぼうだろうがっ!

田中舘愛橘がいるならいざ知らず、
「コソコソ」してんだから、悪いことってわかっててやってんだろ!?
ジロッとにらんだら視線そらすし。
……。
まあ、親と一緒みたいだから、親から教えてもらえっ。
こっちも食べ終わって席を立ったら
パカパカ地味おかーさんが戻ってきた。
……平然としてるし……。
お前が教えたのか?

こういう方たちにエネルギー使うのはほんともったいない。
だからこう考えることにした――
年の暮れ、旦那がこさえた借金の借金取りから逃れるため、
あるいは、DV夫から逃れるため、着の身着のまま子どもを連れて
家を飛び出してきた。
なんとかしばらく落ち着ける先は確保できたが
夜までは時間がある。
子どもたちもお腹が空いたという。
所持金は心もとないので、いちばん安いものを食べさせ
母は何も食べない。
ただ空腹を紛らわすための煙草が増えていく…。
――なんてね。
こう考えると、あんなに小憎らしい奴らも
哀れに思えてくる。
やれやれ。

