ふきげんな過去 | 真夜中のキャプチュード

ふきげんな過去













前田司郎  監督作品


「ふきげんな過去」劇場鑑賞!!





(C) 2016「ふきげんな過去」製作委員会

製作年:2016年

製作国:日本

日本公開:2016年6月25日

上映時間:2時間0分

製作:「ふきげんな過去」製作委員会

企画:キングレコード

制作・配給:東京テアトル

制作協力:キリシマ1945

5.1ch/ビスタ/カラー/デジタル







~ストーリー~


東京・北品川に位置するエジプト風豆料理専門食堂

「蓮月庵」で祖母・サチ、母・サトエ、

父・タイチと共に生活している女子高生・果子は、

今日も運河を睨んでいる。

近所の赤ん坊を食べたと言われるワニが現れないか待っているのだ。

毎日が退屈でたまらない彼女だが、

そこから抜け出すことも出来ず、日々、無為に過ごしている。

そんな彼女の前に、

18年前に他界したはずの伯母・未来子が突然現れる。

手作り爆弾でヤクザ事務所を爆破しようとし、

タイチの指を三本も吹き飛ばした前科持ちだ!

そんな彼女の登場に周りの家族はうろたえる。

未来子は、果子の部屋に住み込むこととなるが、

まったく空気を読まず、マイペース過ぎる未来子にイライラする果子。

しかし、

いとこの小学生・カナも交え、三人で過ごしていくうちに

徐々に、不思議な絆が生まれてくる。







よく出来ました。






ナンセンスであり、実は深い、そんなセリフ劇が

とてもいいリズムを作っていて、

小泉さんが、最後から二番目の恋そのままなアプローチ、

プラス狂人まじりのキャラを、天才的直感で演じているのがすごい。

普通の風景を切り取っているんだが、

セリフの裏で、様々な生活音がそのまま垂れ流されてて

画がレイヤーを重ねたように厚みを持って観える。

映っている凄まじいインパクトのキャラたちの裏側にも、そこに住む者たちの生活が見える。

廃品回収車が通ったり、

きっと、ハンパにグレてる若者のモノであろう、排気音の煩い車が通ったりと、

そこの街を描きだしているのは凄いです。

"赤ん坊を食べたワニ"

"海苔の本田の嫁"

"ヤスノリちゃん事件"


ワクワクするようなキーワードが後から後から飛び出すものの

エンディングで、本当に巨大ワニが登場してしまうのは、

中野量太監督作「チチを撮りに」のラスト同様、

監督は、その登場を悩んだかな?(●´艸`)

私的には、良くも悪くもとれて、判断つかないけど、

そのラストシーンの二階堂ふみちゃんの表情、

不機嫌な過去が、ご機嫌な未来へと変わっていくといいなと思える

希望ある表情だった。

あの後、なんて叫ぶんだろうね(●´艸`)??

とてもいいラストだった。