何でこんなに働くの?甘党でもないのに?

河瀬直美 監督作品
「あん」劇場鑑賞!!
やはり、ハンセン病がテーマだった
塩屋俊 監督の「ふたたび」が、私的にかなり高得点だったこと、
そして、
私的には超珍しいパンフレット購入までしてしまうほど、
本作の監督の「2つ目の窓」があまりによい出会いだったため、、
こいつは確認せねば!と、
1日の映画の日に、みなとみらいで観ましたよ!
ふたたびが、かなりハンセン病に関して、
腫れものに触る扱いで、
さりげなくオブラートに包んでの表現だったのに対し、
本作では、実際のハンセン病患者の映像まで登場し、
さらに、
劇中セリフに「あの人、癩よ!」といった
今では差別用語として認識されているような単語まで飛び出て、
かなり真正面から、難しいテーマに取り組んでるな?
とか思いましたよ。
しかしね、
全体的には、
なし崩し的に、日々、どら焼きを焼いている千太郎を、
店の前の、満開の桜の木や、
煙草を燻らせている向うに見える青空、
都会の夜空に広がる星々・・・
こんな静かな自然たちが、彼を、
彼らをいつも見守っている・・・
そんな2つ目の窓でも魅せていた
柔らかい自然の風景描写と人の関わりを基本とした、
人間ドラマだったように感じます。
物語の中心はハンセン病にない感じでした。

ただね、難を言えば、
樹木希林さんと、永瀬正敏さんがズバ抜け過ぎてて、
浅田美代子さんや、市原悦子さん
水野美紀さんら、脇を固める、こちらも名優たちが
スッカリと霞んでしまってましてね、
二人芝居になっちゃってました。
内田伽羅さん演じるワカナと水野さん演じる母親の、
母娘のエピソードとかもあるんですけど、
どうでもいい感じで、後々、本筋に大きく食い込んでこなかったり、
伽羅さんだけ絡めばそれで十分でしたけどね。

しかしまぁ、
どら焼きの皮を焼いているシーンは素晴らしかったですね~
あんこ挟まないで、焼き立ての皮だけ食べたい~(∀`从)♡♡♡
こういうシーンがある作品は大好物です!
どら焼きシーンNO1決定です。
何度か語りましたが、
ちなみにハンバーガーのNO1は
ターミネーター2で、田舎のドライブインでサラ・コナーこと、
リンダ・ハミルトンがモサモサ食ってるハンバーガーです。
'`,、('∀`) '`,、

徳江が現れる前までは、
千太郎は業務用の一斗缶に入ったあんこを使って商売してたんですが、
それは世を捨て、ふてくされていたワケではなくてね、
純粋に徳江の作った粒あんを評価出来る感覚は残ってて、
しっかりと職人だったワケでね、
こういう人間って、一見前向きさは感じないけど、
見ている人は見ていて、
あんこを自身で作る、教わろうという心構えが前面に出た時点でね、
周囲は一気に彼を認めだすのですね。
心で負けちゃってる奴は、どんな発言をしたって、
誰も本音で付き合ってくれないんですよね。
それらの変化と時間の経過を、
店の前の桜の木が上手に表現してましてね、
しきりに徳江が、観客を桜の花へと向かせようとしてて、
ここで時間の経過を意識させていたんでしょうね。
頑張っても長く続かない充実感や幸せ・・・
あっと言う間に散っていく桜の花との対比が切なかったですね。

ハンセン病に関しては、
かなり主観的な意見が出てしまいそうなので、
ここでは語りませんが、
巧い事、重たいテーマを
軽妙なリズムとセリフにより描き出せている本作、
まだまだ上映していると思いますので、
足を運んでいただきたいですね。
とにかく、
鑑賞後は和菓子食いたくなりますよ'`,、('∀`) '`,、
私はよく和菓子つくりますが、
この日は即行、水羊羹つくりましたよ'`,、('∀`) '`,、

(C) 2015 映画『あん』製作委員会
/ COMME DES CINEMAS / TWENTY TWENTY VISION
/ ZDF-ARTE
製作年:2015年
製作国:日本/フランス/ドイツ
日本公開:2015年5月30日
上映時間:1時間53分
企画・制作:組画 / COMME DES CINEMAS
配給:エレファントハウス
カラー/シネマスコープ/5.1ch

~ストーリー~
縁あってどら焼き屋「どら春」の雇われ店長として
単調な日々をこなしていた刑務所帰りの千太郎。
ある日、
どら春の求人募集の貼り紙をみて、
そこで働くことを懇願する一人の老女、徳江が現れる。
一度は断る千太郎だったが、
翌日、また徳江が訪れ、
「食べてみて」と、彼女が作ったという「粒あん」を置いて行った。
試しにそれを食べてみた千太郎は、あまりの美味しさに衝撃を受ける。
そして、どらやきの粒あん作りを徳江に任せることに。
あまりにも美味しい、徳江の作った粒あんの評判は
みるみるうちに広まって、店は大繁盛。
しかし、世間の心ない噂が、彼らの運命を大きく変えていく…