何もする気になれず、ただ、消えてしまいたかった。

ホン・サンス 監督作品
「自由が丘で」劇場鑑賞!!
なんとなく、行き当たりばったりに、
愛する女性を探しに
ソウルの街に降り立った日本人モリ・・・
これだけでも、本気で好きなん?って思うんだけど、
そこからも懸命に探し回るというより、
最も楽な方法で日々グータラしているだけ。
タバコをふかし、
夜な夜なゲストハウス経営者の親族だという
無一文な男と飲み歩く日々・・・
なんだか理解し難い物語なんですが、
話が進むと、
モリがいつも持ち歩く文庫本が「時間」という実在する本であったり、
「時間には実態など無い!」的な会話があったりと、
どうやら物語の中に、
時間に関しなにやら仕掛けがあることをにおわせているんですね。

かつてモリから届いた手紙を、体調が悪いクォンは眩暈と共に
階段にバラまいてしまうんですが、
慌てて拾い集めるんですが、
順番がバラバラになった上に、
一枚拾い損なってしまうというシーンから、
物語の時間軸が現在と過去と行ったり来たり、
メチャクチャにシャッフルされ、
非常にわかりづらくなる代わりに、
物語が興味深くなるという面白い試みの一本!
何だか二人がすれ違うのは、
この一枚回収出来なかった手紙の所為?
とか、想像したりしてね(●´艸`)
私的にはホン監督の「3人のアンヌ」はイマイチでして、
しかし、
その実験的ドラマは興味深い内容だったわけで、
あぁ、
ようやくホン監督らしくなったかも!(●´艸`)
とか観ながら思いましたよ。

舞台となる街は狭い路地が入り組んだ坂の多い街。
日本にもありそうな感じ。
その街には様々なクセの強い人物たちがいて、
その人たちが容赦なくモリのテリトリーに侵入してくるんですね。
韓国人ってこんなにオープンで、図々しいのかね?
って思うほど、垣根が無いのが面白い。
カフェで本を読む者に、
本を置かせてまで自らの質問に応えさせるなんて、
あまり日本では見かけませんね。
まったくの見ず知らずなのに(●´艸`)
ゲストハウスだって、
鍵一つ付いてない、障子一枚の、
セキュリティー低い宿で、
他人が平気で、
寝ている部屋にズカズカ入れる構造も新鮮。
'`,、('∀`) '`,、
あまり物事を細かく気にしない民族ですか?
;;:+*(●´∀`人´∀`●)*+:;

とにかく全編、
酒を飲むシーンと、タバコに火をつけるシーンが多くてね、
食事シーンもかなり惹かれるので、
なんか生々しくて観てて実に楽しいんですね。
しかし肝心の恋愛シーンは
この街と同じように非常に入り組んでて、
愛する者を探しに来たのに、
付き合っている男がいる女性と深い関係になったりして・・・
もう、行ったり来たり、
何だかキレイに街の複雑さと物語がリンクしてて、
シックリくる内容ではありましたが、
後半、激しく時間が行き来しだすと
なかなか付いていくのも大変になりして、
主要キャストのクォンとヨンソンがこれまた似たタイプの女性で、
徐々にこんがらがっちゃうんですよ。'`,、('∀`) '`,、
ホント、
油断できない一本でしたよ'`,、('∀`) '`,、

以前にも韓国舞台のドラマに
中孝介さんが出演されていたんですが、
内容的な影響はほぼなく、
インパクトは加瀬さんのほうが遥かに強く、
まぁ彼ありきでこの感じに仕上がったと思う。
やはり
良い役者さんだと思う。(●´艸`)
まぁ、各県1館程度の割で順次公開されてますが、
なかなか出会うの難しいかな?
わずか67分ですのでね、
気になったら迷わず入っちゃってくださいね。

(C) 2014 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.
英題:HILL OF FREEDOM
製作年:2014年
製作国:韓国
日本公開:2014年12月13日
上映時間:1時間7分
提供・配給:ビターズ・エンド
提供:サードストリート
カラー/ビスタサイズ

~ストーリー~
思いをよせる年上の韓国人女性クォンを追いかけて、
ソウルへとやってきた男、モリ。
しかし、
彼女は見つからず、彼女に宛てた日記のような手紙を書き始める。
彼女を探して、ソウルの街をいったりきたり。
同じゲストハウス「ヒュアン」に泊まっている
アメリカ帰りの男・サンウォンと仲良くなり、毎晩のように飲んで語らって。
迷子になった犬をみつけたことで、
カフェ“自由が丘”の女主人・ヨンソンと急接近。
ワインを飲んで良いムードに…。
路地の多い迷路のような街で、時間の迷路に迷い込むモリ。
モリは彼女に会えるのだろうか?
モリにとっての本当の幸せとは…?