踊り子のヒモ

堀口正樹 監督作品
「ショートホープ」劇場鑑賞!!
10歳の少年の、ひと夏の冒険・・・
なんだか、菊次郎の夏っぽい感じか?σ(゚、。)
そんなイメージ持って足を運んできました。
実際はもっと過酷な旅でして、
一緒に行動してくれる優しいオジサンもいない、
道中、
彼を助けてくれる人もおらず、
とうとう、盗みを働き、
容赦なく中学生にボコられてしまいます。
ところが和也、
盗人猛々しいとはこのことで
逆ギレの挙句、被害者の顔面に石を投げつけての逆襲。
とにかくこの和也役の竜跳くん、
目付きがメチャ悪い'`,、('∀`) '`,、
なんとも反抗的で素晴らしい目力なのですよ。(●´艸`)
可愛げの無いガキでしてね・・・ ( ゚д゚)、ペッ
ナイスなキャスティングだなと感心しちゃいましたね。
+.(*ゝд・)b゚+.゚

こんな感じでキャストは問題ないんだけど、
10歳の子供が、母の痕跡を求め、
蒲田から横浜まで歩くワケですから、
その道中を少し丁寧に追いかけて欲しかったですね。
なんかアッと言う間に横浜到着しちゃってね、
私なんて地元ですから、よく見る風景なワケだから
その後の、父親のエピソードより、
母をたずねて三千里的ロードムービーを期待しちゃうわけです。
ところがどちらかというと、
目的地のフランス座に到着してからの物語だったワケで・・・
(-.-;)
少ない登場人物の中の、
せっかくの岸部一徳さん
しかも、ストリップ劇場の支配人という美味しい役どころ!!
が、
あまり活躍しない・・・(-.-;)

なんだろうなぁ~~~・・・
全体的にもったいない感じの構成でね、
もっと濃い流れで90分でイケたんぢゃなかろうか?
とか思いました。
その理由の一つに、
人同士の関わりが、
狭い範囲のピンポイントで絞られている割に安っぽくて
妙に浅くて・・・
ホームレスなんかとの関わりもあるのに、
そのホームレスが胸を患っているっぽい表現があるのに
まったく掘り下げないワケです。
実の父である県会議員候補も、あまり背景が見えない。
その議員の愛人との関わりも
唐突で曖昧でご都合主義で押し切っちゃってね・・・
いい感じのお節介な担任教師も、
物語上、何のトリガーにもなっていない無意味な存在でね・・・
書く人が書けば、
きっと面白い本になるプロットなんだろうになぁ~~って、
わずかに残念感漂う鑑賞でありました。

挙句は、
重要な位置にいる、母のヒモ・結城良輔の無活躍'`,、('∀`) '`,、
自転車のくだりで、
父の代わりに自転車の乗り方を教えたりして、
代役の流れかと思ったらそうでもなくて・・・
だけどね、
その画はとても美しくてね、
夏が舞台の物語好きな私としては満足いく出来栄えでした!
中澤正行カメラマンの腕が冴えます。

このカットなんて、なんて美しい夏の一コマ切り取ったことでしょう!(ノ´▽`)ノ
ジブリの「耳をすませば」でこんなシーンあったね!
それを実写で!凄いね!
この雲とかマヂすげ~~し!
まぁ、結局のところ、
子供目線での生と死、関わりとか絆とか、
ちょっと現実離れした感覚が過ぎちゃったのでゎ?
結果、そこにこだわり過ぎてこうなっちゃったって感じ。
そろそろDVDとかでると思いますので、
ちょっと確認してみてほしいですかね?
(ノ∀`) テヘヘのヘ

“フランス座”と聞くと浅草な感じですが…?
黄金町あたりには確かにありそうだ!'`,、('∀`) '`,、
でも、この建物は長野県諏訪市にある「諏訪フランス座」で撮影されたようです。
製作年:2013年
製作国:日本
日本公開:2014年8月16日
上映時間:1時間16分
製作・配給:<ショートホープ>製作コネクション
カラー/16:9/デジタル

~ストーリー~
児島和也は小学校4年の10歳の少年。
母はストリッパーのジプシー風祭、
実父が誰なのかは知らなかった。
数年前に里子に出された和也は、母とは別々に暮らしていた。
ところが、
里親に待望の男子が誕生して、和也は居場所を失ってしまう。
そんな時に、母の訃報が舞い込む。
「ジプシーが死んだ…」と。
和也はそのまま母が住んでいたアパートに残り、里親の家には帰らず、
ジプシーのヒモだった良輔と暮らしていた。
そこに、
和也の担任教師、笹野が訪ねてきた。
笹野は良輔から和也の居所を聞き出し、連れ戻そうと考えていた。
先生の話を押し入れで聞いていた和也は、その場所から逃げだす。
公園で、自転車の乗り方を教えている父と息子の姿を眺めてから、何かを思う和也。
アパートに戻り、良輔に「フランス座って横浜だろ?」と尋ねる。
母と幼かった和也とが暮らした思い出の場所だ。
和也はフランス座へ行く決意を固め、
真夏の一人旅が始まった。
電車賃を持っていない和也は、蒲田から歩き始める。
見たことのない景色、照りつける夏の陽射し、
多摩川から川崎を越え、やっと鶴見辺りまできた。
飢えと渇きに襲われた和也は、
自転車籠にあった菓子とジュースを盗もうとして、
持主の中学生に捕まり、殴られ、
挙句、
母が買ってくれた唯一の母の思い出のゲーム機まで奪われてしまう。
ゲーム機を取り返そうと、大量の石をリュックに詰め、
中学生を追い、片っ端から投げつけた。
堪らず逃げ出す中学生が放り投げた和也のゲーム機は、
修理に何万もかかる状態に破壊された。
こうして身も心もボロボロになりながら、なおも歩き続ける和也。
関内の公園で野宿した翌朝、
和也は、空き缶を集めて生計を立てている末吉と出会い、
フランス座への行き方を教えてもらう。
ようやく辿りついたフランス座に人気は無く、
そのままドアの前で寝てしまう和也。
朝、男がやって来て、眠っている少年を見やる。
フランス座支配人、丸山繁則であった。
久しぶりに再会した丸山に、和也は父親のことを聞く。
「あいつは、ジプシーにこう言った。お前の血が気に入らん。堕ろせっ、てな…」。
実父について初めて聞いた10歳の少年には、
それらは到底受け入れがたいものだった。
閉館したストリップ劇場を去る丸山は「一緒に来るか?」と和也を誘う。
首を横に振る和也。
翌日、千円札を一枚置き、丸山は静かにフランス座を出て行った。
誰もいなくなった館内を物色する和也。
そこで、かつて母の所有物が入った空き缶を発見する。
そこには一枚の写真と煙草の“ショートホープ”が一箱入っていた。
見たこともない美しい笑顔の母親、
一緒に写っているのは和也の知らない男。
そして、
横浜の町を歩く和也は、県会議員候補・米田利一のポスターを見つける。
なんと、それは写真に映っていた男だった。