もらいもの

行定勲 監督作品
「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」観ました!
芦田愛菜ちゃん!
健在!!
'`,、('∀`) '`,、
同監督の、「つやのよる」とか、
ピンとこなかったのですが、
本作は傑作です!(ノ∀`)
やはり、
夏!
少年少女たちが大人への冒険をする作品って好きです!
あえて愛菜ちゃん投入のワケは!
単なるガキんチョ映画なんかではなくてね、
もんの凄い深い物語だったわけですょ!
(ノ∀‘)ヒャッハ~~~ッ!

小学三年生…
そろそろ、ものの違いがわかり、
大人への一歩を踏み出したりする年齢です。
女の子は、早い子だとブラジャーをつけはじめ、
男の子も女子を意識しだし、反抗期に入る・・・
そんな微妙な年齢の、
何故か今までは普通にそこにいた同級生たちの
“他人”という別のテリトリーの存在を知る年齢…
他を気遣い、
イマジンを作動させる…
その中で特に好奇心旺盛な「こっこ」は、
それだけで
他人よりも多くのハードルを越えることとなるんですね。
全編コメディータッチで、笑ってしまって終わりにするには
あまりにも深く、素敵な物語だったわけです!
こっこの年齢を軸に描かれる本作は、
こっこを囲む同級生が中心となるわけですが、
それ以外にも、
こっこの家族は、
狭い共同住宅に三世代8人でギュウギュウに住んでいます。
こっこが現在であり、自分自身のまぎれもない姿であるとすれば、
三つ子の姉たちが最も自分に近い姿であり、
最も早く成るべき姿であるのですね。
母は将来の自分の姿、
祖母の生き方は、自らの終焉の、
あるべき目標であり、
母に宿った新たな命は、若干9歳の、自分の過去でもある。
その全てが自身の糧となり、目標となり、反省点であるわけです。

そして個性的な家族たちは毎日、
円卓を囲んで食事するんですね。
太陽のように赤くてまぁ~~るい円卓で。
これこそが凸凹家族の接点であり、
絆…「和」であるわけです。
そして、
こんな家族たちのパワーバランスもそれとなく描かれてましてね、
一人三役で描かれた三つ子の姉たち。
両親。
そして祖父祖母の二人
特に祖父祖母は
今でも家族たちの前でチュウして愛情表現を欠かさず、
寡黙な祖父は祖母を敬い、尊重し続ける
祖母の名が紙子、
祖父は石太で、
ジャンケンで言ったら石は紙には決して勝てないわけです!(●´艸`)
こんな洒落た土台づくりがされている物語なんですね。
そして、
そんなお手本だらけの環境下で、
外から様々な刺激を受け続けるこっこ。
その小さな容量にはもてあます情報量だと思います。

そして許容量を超えたこっこは、
そんな現実を斜めに見続けるワケです。
隣に住む同級生のぽっさんと共有する彼女の現実感は
とても子供のそれではありません。
眼球や蝉そのものの形の髪どめを気に入って使い、
人と違うことこそ“カッコえぇ!”ことと信じてやまないこっこ!
彼女を取り巻く環境は
吃音の親友、
ボートピープル、
突如、聞いたことない病気で眼帯をして登校してくる女の子
在日韓国人の三世であるクラスメイト、
変な髪型の姉の彼氏、
近所の変質者・鼠人間など
カッコえぇ連中でいっぱいです。
それらは全て個性であり、
“個”そのものなんですね。
三年生程度では、自分のことだけ考えていればいいでしょう。
しかし、
どうしても周囲は自分に干渉してきます。
個は群へと変化する…
こうして彼女の人とはズレている目線は周囲に露呈してしまい、
そのギャップに戸惑うのです。
有名な大阪の塔も、
本編中では、こっこの目線で後ろ姿しか映りません。

ある日、
他人に興味を持ち始めたこっこは、
人の考えを知りたくなります・・・。
こっこの前の席の女の子、
幹成海が小さくたたんで机の中に山のように仕舞い込んでいる紙片。
ノートの切れ端に何かを書いてから机の中に放り込んでいる・・・
ふとした拍子にその紙片に書かれた文字を見てしまうこっこ
そこには「しね」とだけ書かれていました。
ショックを受けるこっこ。
成海は特別、
イジメられていたりとか、
学校がつまらなかったりとか
人付き合いが苦手だとかではない・・・
彼女もまた、こっこ同様、
イマジンの輪郭を捕らえることが出来ない
空回りしているタイプだったのです。
こっこは彼女に惹かれ、気遣いだします。
三年生の現実を、フルに回転させた成海へのイマジン…
こっこなりの現実的な行動は、
成海の机の中いっぱいになるまで、
幸せな言葉を書いた紙片をたぁ~~~くさん入れる事。
その内容は、
あたたかい手
こいカルピス
給食・・・
こうして
嬉しい言葉でいっぱいになった成海の机。
もう、しね という言葉が入る余地もありません。
それらを一枚一枚開いては笑顔になる成海。
ついにこっこは、自身にも他人にも
イマジンを発動させることに成功したのです。

かなりネタばらししちゃいましたが、
またまたDVDコレクション入り決定です!'`,、('∀`) '`,、
決して公開劇場は多くありません、
場所によっては出会いにくいと思いますが、
是非とも足を運んでいただきたい一本です。
ライバルが台頭しだした子役界ではありますが、
改めて愛菜ちゃんの実力を再確認出来る良い機会だと思いますょ!
この子…
本当は20歳くらいなんぢゃないの?'`,、('∀`) '`,、

(C) 2014『円卓』製作委員会
製作年:2014年
製作国:日本
日本公開:2014年6月21日
上映時間:1時間53分
配給:東宝映像事業部
カラー

~ストーリー~
小学3年生の渦原琴子=通称“こっこ”は、
大阪の狭い団地に8人の大家族で暮らしています。
お父さんの寛太
お母さんの詩織、
おじいちゃん・石太におばあちゃん・紙子、
そして三つ子のお姉ちゃん理子、眞子、朋美。
ダイニングキッチンには、赤くて大きな円卓が置かれ
それを囲んで、毎日ワイワイとご飯を食べます。
末っ子のかわいいこっこがみんな大好き。
でもこっこは、
絵に描いたような幸せな日々が疎ましくて仕方ありません。
好奇心旺盛なこっこは、
気になった言葉や初めて知ることなどを思いのままに
“じゃぽにか(ジャポニカ自由帳)”に書き留めて、
とても大事にしていましたが、そのノートを失くしてしまいます。
こっこにとっては、人と違うことが一番「かっこええ!」こと。
こっこを取り囲むみんなは、
親がベトナムの“ボートピープル”だったゴックん
“ざいにちかんこくじん(在日韓国人)”で、
突然の不整脈で倒れた朴くん
担任のジビキは、いつもこっこを優しく厳しく指導します。
ある日、
こっこはお母さんのお腹に新しい命が宿ったという報告を受けました。
家族はみんな大喜びですが、こっこは全然嬉しくありません。
悩むこっこに、
隣りの部屋に住む同級生の“ぽっさん”は言いました。
「う、嬉しなかったら、よ、喜ばんでも、ええ」
ぽっさんはいつだって、こっこの味方。
そんな2人に、おじいちゃんの石太は
英語の“イマジン(IMAGINE)”という言葉を教えます。
想像すること―相手がどう思うか、友達がどう思うか…。
それが“いまじん”。
2人の胸にこの言葉は深く刻まれてゆくのでした。