MITCY'S FOOD CENTER

アレクサンダー・ペイン 監督作品
「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」観ました!
あらすじ!
“モンタナ州、ウディ・グラント様
我々は貴殿に100万ドルをお支払い致します”
ある日、
無口で不器用な男・ウディの元へ、
いかにも怪しい、こんな手紙が届いた。
しかし、
アルツハイマーの影響で、他人を信じやすくなっているウディは、
この手紙を信じ、
彼の住むモンタナ州ビリングスから
賞金が受け取れるとされる、ネブラスカ州リンカーンまでを
歩いて行くと言いだす。

息子のデイビットは、
大酒飲みで頑固な父・ウディとは距離を置いていたが、
無駄骨だとわかりながらも、
4州に渡る、約1500kmにおよぶ今回の旅に同行することにする。
途中、
ウディの故郷で、ウディの兄の家に立ち寄り、
懐かしい街の人々と触れ合い、
父の過去に出会ったデイビット・・・
しかし、
口止めしていた100万ドルの一件を、
ウディが旧友に話してしまったことから、
街をあげての騒動となってしまう。
大金を巡り、友人や親族の真の姿が見え隠れする・・・
しかし、
そんな父と触れ合っていくうちに、
デイビットは父への考え方が少しずつ変わっていくのだった…。

私の中で、ファミリー・ツリーはかなり面白かったので、
アレクサンダー・ペインの
ず~~っと気になっていました本作、
ようやくに観てきましたよ!(∀`从)♡♡♡
かなり面白かったですし、
かなり、身につまされました・・・
何故なら、
私も現在、
認知症の叔母の面倒をみておりますので・・・(-.-;)
子供を持たない叔母の、
もっとも近い親族が私だからなんですね。
本作のウディも、高齢だし
思い込んだら頑として譲らないところとか
かなり似てるんですよ。

一つ違うのは、
お金にまったく興味を示さなくなっているところ・・・
とりあえず叔母はお金持ちですのでね、
生きている限り、
施設で寒い暑いに悩まされることもなく、
静かに暮らしていけることでしょう・・・
しかしね、
やはり施設に任せっきりってワケにもいきませんので
そして、
徐々に記憶が消えていくのを見ているとね、
デイビットのように
たとえ遠回りでも、付き合ってあげたくなるんですね・・・
なんか共感しちゃったな・・・

さてさて
本作は全編モノクロでして、
その所為か、
アメリカの田舎町の街並みとか、
地平線まで見渡せるような田舎の風景が
懐かしくもあり、心地よくもある、
これこそがアメリカの原風景なんでしょうかね?
一応、
原題劇という時代考証的には、“今”なわけなんですが、
なんか、古き良きアメリカを感じさせるわけです。
田舎の街並みには、
古いバーが立ち並び、
一歩店に入ると、レトロな店内で常連たちの笑い声が響く...
愛する沖縄にも、一部こんな感じの街があるんですよね・・・。
そんな感じの舞台に
テンポのいい、劇中音楽が実に心地いい!
メキシカンなアレンジが施された軽快な音楽に乗って
車でまさにアメリカな道路を疾走する!
なんていい画づくりなんでしょうね(∀`从)♡♡♡

こんな控えめな物語は、
監督が脚本を受け取って、9年間寝かされていたそうです。
しかし、
監督の中には、モノクロ映像というイメージが
ずっとあったようでして、
こうして、本ととても相性のいい映像が出来上がったようです。
ロードムービーとしては、
かなりゆっくりと時間が経っていく感じは美しい出来ですね。
とにかく、
父とはあまりうまくいってなかったデイビットですので、
1500kmもの間、
その父親と顔突き合わせているのは大変なことだと思います。
コッソリとモーテルを抜け出し、
酔っぱらって怪我したり、
入れ歯無くしたと言っては
時間も関係なく探しまくったり・・・

(でも、ちゃんと落としたと言ってた場所から見つかるから大したもんだ'`,、('∀`) '`,、)
しかし、
そんな波乱万丈な旅路でも、
途中のウディの生まれ故郷では、
若き父親の過去を見ることになるデイビット。
母と結婚する前に付き合っていたというペグ・ナギーの想い出に触れ、
大金を手にすることがわかった時の昔馴染みたち・・・
そして親族たち・・・
そんな二人を、毒舌ながら見守る母・ケイト・・・
結局ね、
家族って、遠回りしたと思っても、、
それが最も近道だったりするんでしょうね。
もう、何十年と、
文句を言い続けてきたケイトも、
入院したウディには、とても優しいキスをしたりする・・・!
ん~~~!
それぞれのキャラに血が通ってるぜぃ!(∀`从)♡♡♡

結局、
街の昔馴染みたちには、騙されていることがバレて
バカ呼ばわりされるんですが、
中でも異常に腹の立つ友人エド(昔金貸してやったんだから1万ドルよこせとかいうやな奴)に対し、
デイビットはついに怒りの鉄拳をブチかます爽快シーンで
何だかんだで、家族思いなんだなぁ~~って感じたりね

で、
ようやくたどり着いたリンカーンでは、
当然ながら賞金なんて貰えずにね、
「高額賞金当選者」と書かれた帽子をプレゼントされ、
うなだれて帰路につくウディですが、
デイビットがね、
賞金を手にしたらウディが欲しいと言っていた
トラックと塗装用のコンプレッサーを自腹で買って、
これ見よがしにウディに運転させて
彼を笑った連中がいる街を走らせるんですね!
これにより、
父の誇りを守る
なんて孝行息子なんでしょう・゜・(ノД`)・゜・。
涙が出ますよ!
いやいや
いい終わり方でしたょ(人´∀`)

さて本作!
最後のシーンまで
ホント、体温が感じられる一本ですのでね、
観ちゃうのがイんぢゃね~?
かなりおすすめ!
(∀`从)♡♡♡
