ババァと言ったら母親だろ?

吉田恵輔 監督作品
「麦子さんと」観ました!
あらすじ!
アニメショップで働きながら、
声優を夢見る小岩麦子は、兄・憲男と二人暮らし。
ある日、
買い物から帰ると
憲男が見知らぬ女性と玄関先で言い合いをしていた。
女性が追い返された後、
麦子があの女性は誰?と尋ねると、
憲男の口からとんでもない言葉が吐き出された!

「あのババァは母親だよ・・・」
幼い二人を捨て、出て行った母親・赤池彩子を、
麦子はあまりに小さくて憶えていない。
ある日、
そんな母が突如として、二人の部屋へ転がり込んでくる。
しかし、
母の引っ越しからすぐ、
憲男が彼女と同棲を始めると部屋を出て行ってしまう。
記憶にない母親と二人で暮らすことになった麦子・・・

しかし、
この想い入れのない
どこか疲れ切った感の女性に、
麦子は辛く当たってしまう日々・・・
そんなある日、
密かに取り寄せていた声優学校の入学案内を
勝手に開けて見てしまった母に、
「私・・・あなたのことを母親だと思ってないから!」と言ってしまう。
それからわずか数日・・・
末期の肝臓がんだった彩子はこの世を去った・・・
彩子を荼毘に伏す二人・・・。

憲男は仕事で納骨には参加出来ないと言うことで、
麦子が一人で、
遺骨と共に彩子の故郷を訪ねる・・・
ところが!
母の故郷・五藤駅に降り立つや、
駅員やタクシーの運転手
果ては、予約していた旅館の夫婦にまで、
派手に驚かれる麦子。

そう、
母・彩子はこの町のアイドル!
そして麦子はその当時の彩子に瓜二つ!
当時の青春時代を取り戻そうと、
彩子を好きだった者
ファンだった者、
彩子のストーカーだった者、
そんな町民達が
一目、麦子を見ようと押し寄せてきたのだった!

自分たちを捨てた最低の母・・・
しかし、
この町では誰もが知っているアイドル的存在!
そして、
埋葬許可書を忘れた麦子は、
すっかり人気者になってしまったこの町で
書類が送られてくるまでの数日を過ごすこととなる。

つい先日観た「ばしゃ馬さんとビッグマウス」の吉田恵輔監督を昨年中にもう一度!
そう思ってて行かれなかったので、
とりあえず急ぎ観てきましたっ!ヾ((○*´∀`*))ノ゙
すごく良かったですよ!
ホント!吉田監督当たり多い!!;;:+*(●´∀`人´∀`●)*+:;
「さんかく」とか好印象でしてね!
正直、
私は堀北真希さんという女優をあまり好きでは無くてね
あの風体だからでしょうか?
なんか、トロい役回りばかりでイラつくんですよね。
'`,、('∀`) '`,、
でもさ、
イラつかされたってことは、
彼女の芝居にハマったってことですよね?
つまり実力あるってことなのだと気付きましてね、
食わず嫌いのようなことはやめました!
'`,、('∀`) '`,、

松田龍平さん演じる兄・憲男もなかなかイイキャラでしてね!
母親をババァ、ババァと呼ぶのですが、
頼まれたら引っ越しを許可し、
さりげなく、母からの仕送りに依存し、甘え、
死んでしまえば、清々したかの振る舞いなんですが、
見てないところで骨壺を前に泣くシーンなんて、
いい感じで心地いいんですよ!
最後の最後までだらしないんですが、
とても優しいお兄ちゃんでしたね。

95分の上映時間ですので、
あれよあれよと話は進んでいくのですが、
ストレス無い展開なので
ホント、自然に理解出来て、のめり込めるんですね!
なんとなくね、
夢に対してもノンビリというか、
あまり力入ってない感じの麦子ですが、
そこはそれ、
ダメな感じを醸してはいても、
なし崩しに物事片付けていける能力はあるんですよ。
嫌々ではあっても、
押し付けられてでも、母の納骨に一人で出かけるんです。
それはね、
麦子が初めて相対する
母親という存在への現実感でね、
麦子にとっての、この旅は
母親の青春時代への旅なんですね。

若かりし頃の彩子は、麦子と気持ち悪いほどソックリ!
そんな、
数日間の冒険、
タイムスリップといえる旅は、
観ててマヂで気持ち良かったんです。
ペース配分はこれでいいのか!?と思えるほど
彩子と麦子の二人の生活を丁寧に描いてからの、
母の故郷へと舞台が移っての
登場人物たちの立ち位置の無駄の無さも良かったです~~
特に、旅館の麻生夫妻と息子の千蔵の絡みは、
そのまんま麦子と彩子の短い共同生活を投影してて、
母・夏枝に金をせびる千蔵に、自分を見てしまった麦子が切ないですね~
夏枝を突き飛ばした千蔵を、思わず殴ってしまうも、
そんな権利を有さない麦子が我に返って動揺するシーン・・・
すごく切ない良いシーンでしたね~・゜・(ノД`)・゜・。

ということでね、
本作も含め、
吉田恵輔監督作、観て欲しいものです!
観たら明日も、きっと頑張れる!

