こんな傷、ツバつけときゃ治るさ!

高畑勲 監督作品
「かぐや姫の物語」観ました!
あらすじ!
今は昔…
竹取の翁が竹林の中で見つけた光り輝く竹…
その竹の手前から突如伸びた季節外れのたけのこ…
まるで花が咲くように蕾が開くと、
その中からは、手の平大のかわいらしい女の子が現れ、
翁は天からの授かりものと信じ、媼の待つ家へと連れ帰った。
そして翁と媼は、姫と信じ、共に大切に育てることにした。
手の平大の女の子はあっ言う間に赤ん坊となり、
歩き出したかと思うと、話始め、
村の子供たちには、その成長の早さから「たけのこ」と呼ばれた。

そして、
瞬く間に美しい娘に成長した姫…
その頃、翁はまたしても竹藪に光る竹を見つけ、
鉈で割ってみると中から金がザクザクと出てくるではないか!
翁は娘を、高貴な姫へと育てるため、その金を使い、都へ家を建て、
媼と娘を連れ都の暮らしを始めた。
斎部秋田の手により“かぐや姫”と名付けられ、
噂が噂を呼び、
それを聞き付けた男たちが求婚してくるようになる。
やがて翁の希望通り、
求婚は高貴な身分の者たちからも届くようになるも、
かぐやは、その者たちに無理難題を突き付け
一向になびくことはなかった。
しかし、
かぐや姫の望んだ無理難題を果たそうとして、
死者が出てしまったことにより、
かぐやは自らの罪に悩み、
やがて月を見ては物思いにふけるようになるのだった……。

高畑監督の新たな解釈が、多少含まれて、
さらに、大金をつぎ込んだだけあって、
その映像は美しかったですよ!
でもね、
ホント!惜しい!'`,、('∀`) '`,、
その金かかった映像もさ、
私には、
「まんが日本昔ばなし」っぽいタッチの画にしか見えず、
原作は「竹取物語」なわけですから、
もう、
アチコチで聞いてきた内容そのままでしたしね。
市原悦子&常田富士男さんに進行してほしかったくらいでね
'`,、('∀`) '`,、
これと言った新しさはあまり感じませんでしたよ!
だって、
先読めちゃうしね。(-.-;)(-.-;)

竹取物語の謎である、
姫が月に帰ること、
なぜ姫は地球に来たのか?
と言った部分に、監督が答えをだしたと聞いていたのですが、
私の中では、
とても納得のいくモノではなかったですね。┐('~`;)┌
かつて、
戦闘メカ ザブングルにおいて、
何故に主人公ロボットは人型なのか!?
何故に二本足で歩くのか??という
ロボットヒーローものに、
おかしな波紋を起こす謎解きを盛り込んだ作品です!
というふれこみと、
それに到底見合わない、
稚拙な理由にひっくり返ったあの時を思い出しましたっけ…
ァ '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、'`,、'`,、'`,、'`,、'`,、'`,、
ただ、
宮本信子さんのナレーションと媼はとてもよかったですよ!
続・まんが日本昔ばなしが製作されたら
宮本さんで決まりでしょうね(∀`从)♡♡♡
さらには、
本作はプレスコアリングでの収録が用いられていますので、
翁役に、故・地井武男さんが参加しております。
なんだか、
元気な声が聴けて、嬉しいやら悲しいやら…
よい役者さんでしたよね・゜・(ノД`)・゜・。
正直本作では、
「風立ちぬ」での庵●氏のような、
出来損ないは皆無です。
かぐや役の朝倉あきさんも非常に上手でした!
ドラマ「てっぱん」や「純と愛」などでよく知る役者さんだったので、
スンナリと入ってきましたし、
声が綺麗だった~~~(∀`从)♡♡♡

ご本人もとても綺麗!
で、
もう、あえて言う必要すらない
久石さんの音楽も抜群に雰囲気にあっていましたよ!
宮崎監督以外のジブリ作品は初めてですよね!
劇中歌で、
村の子供たちが歌うわらべ歌が、本作のテーマの全てなんぢゃなかろうか?
と思いましたよ…
地上に生きる全ての生き物は、
平等にその命を全うすべきなんでしょうな!

そんな命を語る中、
雉を捕まえ、雉鍋を楽しみに待つ子供たち。
命をいただきます!という
自然の摂理の中に生きる昔の人々。
他人の畑に成る、瓜をかっぱらう姫。
おおらかなんだかなんだか?
それらの行為はやがて、
結婚を嫌うあまり、
稚拙な考えから、尊い命を失わせてしまったかぐや姫の苦悩へと繋がり、
つつましく暮らしていた翁に、
ヘンテコな野望や、欲をムクムクと起き上がらせ、
嫌~~~な感じに、不幸を振りまく
かぐや姫という、怖い存在が成り立っていくのです。

そしてさらに、クライマックスの
月からのお迎えが、恐ろしく陽気な音楽を奏でながら現れるその様子は、
いろんな意味で、恐怖を感じましたね。
何故か仏教風の仏チックな月からの迎えの者たちと、
(月世界では仏教主流なんですなぁ~~はじめて知った!)
雅楽器楽団の連中は、「日出処の天子」に出てくる下等妖怪に似ててね
尊い存在というか、
その行進は、百鬼夜行であり、
魑魅魍魎の類に見えなくもない怖さ'`,、('∀`) '`,、
そんな、
天上界?の人々は強力でね、
人間たちは、軽~~~く眠らされてね、
弓を放っても、全て花になっちゃって、
鍾馗様のごとく恐ろしい容姿の武士が警護につくも、
簡単に眠らされちゃう、その力の差?
しかも
ドラえもん並の便利グッズを持ってましてね、
記憶消去のはごろも~~~~!
はごろもを纏った瞬間に、
姫の地上での記憶は一切消え失せるわけですが、
月へと帰る最中、
忘れたはずなのに、
涙を流し、後ろを振り返るシーンはジーンとしました。
忘れたんぢゃないの!?ここでのこと!・゜・(ノД`)・゜・。
もうね、
地上での生活が、
かぐやにとって、忘れえぬ思い出になっててよかったですよ!
・゜・(ノД`)・゜・。

それにしても、
平日の午前中に、
なんで?ってくらい子供がたくさんきてましてね、
で、
子供用では決してないのでね、
飽きちゃうわけですよ。
そうなれば煩いのが子供です。
お母さんや、お婆ちゃんは、
本編を観ることも出来ず外へと出て行かざるをえないのですね~
ジブリと聞いて、安易に連れてきちゃったんでしょうね…(-.-;)
で、私が思うに、
捨丸とかぐや姫が空飛ぶシーンって、
千と千尋でも、ハクと一緒に飛ぶトコがあったと思うのですが、
あれって、
やはり、男女の心と肉体が一緒になった時の暗喩的表現だよね!
特にかぐや姫は、女性になったというくだりもあったからね。

さてさて!
かぐや姫が降臨した理由の曖昧さを、
高畑監督は上手く観客それぞれに考えさせることで処理されててね、
全体的にはとてもよく考えられた作品であると思います。
「女童」という愛すべきキャラがここかしこに登場する定石もしっかりとし、
上質な“まんが日本昔ばなし”をご覧いただくといったスタンスで行けば
それでいいような気もします。
