夜中にブタの貯金箱をガチャンと割って、幸運を手に入れろ!

アモール・グプテ 監督作品
「スタンリーのお弁当箱」観ました!
あらすじ!
インド・ムンバイにある
カトリック系のホーリー・ファミリー・ハイスクールに通うスタンリー
彼は4-Fクラスの人気者!
作文や詩が得意で、女性教師ロージーは彼の作文を楽しみにしている。
いつもスタンリーは、歌って踊って、皆を楽しませる。
しかし、彼は家庭の事情で弁当を持ってこない。
昼休み、
彼だけ「ランチを買いに行く」
「家でご飯を作って待っている」などと嘘をついて
水道水を飲み、腹を満たそうとしているのだ…
そんな事情を知った級友たちは皆、
自分たちの弁当を分け与えようとする。

しかし、
同じく、他人の弁当を目当てにしている国語教師ヴァルマーが、
クラス一大きな弁当を持ってくるアマン・メヘラの弁当を
わけてもらおうと狙っている。
彼にとってスタンリーはライバルだ。
アマンがスタンリーに弁当をわけようとすると、
スタンリーを叱り、自分がもらってしまう。

そんな中、
クリスマスの休み明けから、
授業のカリキュラムの遅れから、
3時間の補習が行われることになる。
いつもより大きな弁当を持ってくるように伝えるアイヤル先生。
すると、ヴァルマーはアマンのいつになく大きな弁当箱に目を付ける!
スタンリーに弁当をあげたい級友たちは、
昼休みになると、ヴァルマーから逃れるように毎日
弁当を食べる場所を変えるようになる。
ところが、しばらくするとヴァルマーに見つかってしまい、
スタンリーは、
ずっと弁当を食べ損なってきたヴァルマーの逆鱗にふれ、
罵倒するヴァルマーの言葉に傷つき、
ついに、学校に来なくなる…

アモール・グプテ&アーミル・カーン共同監督作にして、
本作同様
絵の上手な少年イシャーンが主人公の作品「Taare Zameen Par」
そのアモール監督の次作である本作。
主役のスタンリーをアモール監督の息子・パルソーが好演!
インドの子供たちのキラキラした大きく無垢な瞳が
物語の切なさをさらに助長させている気がします。
今回、アモール監督自身も、
とんでもないクズ教師のヴァルマー役で出演されてて、
もう、奴をみていると腹立ってね'`,、('∀`) '`,、
見事なお芝居でしたよ!
これだけ感情移入させてくれて!
ありがとう!アモール!'`,、('∀`) '`,、
本作は台本とか存在せずにね、
子供たちも授業の一環として制作されているようです。
なので、
知らぬ間に撮影されていたにも関わらず、
子供たちは映画を撮っていることも知らなかったようです。
…とは言いますが、
実際にあれだけの細かいカットやら、
印象的な子供たちのアップが撮影されたら絶対にわかるよね
_| ̄|○∠))バンバン
たぶん、
これは大人たちだけが気づいていないのでゎ?
(●´艸`)
それをそのまま信じてしまわないようにね!
たぶん、
子供たちは気づいています。'`,、('∀`) '`,、

でね、
ボリウッド映画って、歌って踊るヤツでしょ?
と思われると思いますが、
本作は歌こそふんだんに盛り込まれていますが、
ダンスシーンはありません。
といいますか、
近年のボリウッド映画は、以前のようなタイプではなくなっています。
私、数年前にインド雑貨を扱うネットショップで、
商品管理とかシステムメンテの仕事受けてたんですね。
なので、インドの食品やら衣料、
楽器、
お菓子やオモチャといったものに詳しくなってね、
シタールなんて、輸入時、弦が切れてるのって当たり前でね、
1回の輸入で、20本くらい修理するので
弦を張るのが得意になってしまいましたよ_| ̄|○∠))バンバン
でね、このショップ、
特に映画DVDの貸し出しには力入れてましたよ'`,、('∀`) '`,、
キチンとオリジナルの字幕も付けまして、
そりゃ~客の評判もよかったですよ!ええ!
でね、
その当時からすでに、昔のパターンはあまり見かけなくなってたんですよ。
E.T.にクリソツな宇宙人との交流がテーマのSFなんかもありましたね~
なので今更、
踊らないからって驚かなくてもいいし
別段、特筆することでもないですよね。

本作は、私の好きな、
「食べ物がたくさん出る」作品です。
もしくは、食事シーンが多い作品です。
どこの国も同じですが、
朝早くからお母さんがお弁当を作る風景がとても美しい!
ただ、暑い国だからでしょうか?
朝から大量の油を使う料理の数々…
胸ヤケるゎ~~~ァ '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、
でね、
本作、
私のつたない文章での説明では
教師と生徒の弁当争奪戦争と思われるでしょう?
コメディー作品かしら?ってね。
ところがね
本作はインドに根強く残る差別社会がテーマとなってましてね、
学校行くより、働かなければならない子供たちの話なんですね。

アマン・メヘラはスタンリーを最も心配するクラスメイト
当初、
スタンリーは何だかんだと理由をつけ、
教室から出て、水飲んで腹を膨らませていたんですが、
ある日、
友達に家に食事を摂りに帰っていないことがバレちゃいます。
日本なら、
すぐさまイジメの対象となりかねない場面ですが、
彼らは違います。
アマンの提案で、皆でお弁当をわけて、
教室でスタンリーが食事できるようにするのです。
しかし、
クズ野郎のヴァルマーは、自らがアマンらの弁当を食べたいが為、
他人の弁当を食べるな!
と、スタンリーを叱ります。
ここで、アマンやアビシェーク達は、
ヴァルマーから弁当を守り、
スタンリーと共にお昼を食べられるよう、
教室ではなく、
学校内をアチコチと逃げ回りながらスタンリーに弁当を分けるのです。

ところが、ついに、ヴァルマーに居所を掴まれ、
弁当を食べられなかったヴァルマーはスタンリーに対し、
自分の事は棚に上げ、
“ひとの弁当ばかり狙うネズミ野郎”だとか、
“のら犬”だとかと罵倒します。
挙句には、
「弁当を持ってこない奴は学校には来るな!」とまで
もう、キ●ガイとしか思えないセリフを吐きます。
これ…日本ならとんでもないことになってますよね
(-.-;)(-.-;)(-.-;)
しかもね、
英語のロージー先生という美人で優しい先生もね、
スタンリーの事情を薄っすらと理解しててね、
スタンリーの作文などを褒めて、
その褒美として、チョコレートとかお菓子をあげるんですね。
みんなの前で一人にだけ。
ま、これも問題だよね_| ̄|○∠))バンバン
で、
こんな学校事情の中ですが、
やはり大人にソコまで言われちゃうと
超明るいスタンリーといえど、登校拒否になっちゃいます。

でもね、
学校の支援団体主催のダンスコンサートが開かれ、
主催するスタッフにスタンリーは見初められ、
コンサートに出場することとなります。
こうして、
大声援の中、
スタンリーは最高の一日を過ごします。
帰り道、
ロージー先生に絶賛され、送ろうか?といわれるも
母親が迎えにくるからイイと拒否。
しかし、
校長先生は何かを知っているかのように
スタンリーを車に乗せ、家まで送ります。
本編中に、知らない男のバイクから降りる、一人の女性を
スタンリーは窓から見つめていて、
彼女が母親なのか?と思ったのですが、
なんと、
幸せに向けて動き出したかに思われたスタンリーの生活、
ハッピーエンディング?かと思われたその時、
実はスタンリー、
父母は事故でとうに亡くなっていて、
レストランを経営する伯父に引き取られ
虐待を受けているという事実が明かされます…

もうね、
ショックなんてもんぢゃなかったですよ。・゜・(ノД`)・゜・。
この時間帯に新たな、しかも不幸情報ですかぁぁぁぁぁ!
でもね、
スタンリーは、
コックと共に、店の厨房に寝泊まりしてるのですが、
この、伯父の店で働くコックが、
スタンリーの面倒をよくみてくれてね、
店の残り物でお弁当を持たせてくれます。
で、
お弁当をもって登校したスタンリーは、
ヴァルマーのもとへ行き、
弁当をヴァルマーに渡して、
「弁当を持ってきたので教室に入ってもいいですか?」と聞きます。
ロージー先生にもすでにこの件で責め立てられ、
さすがに後悔していたヴァルマーは
スタンリーのこの行為にショックを受け、ついに学校を去ります。

平和が訪れたかと思われたスタンリーを取り巻く環境ですが、
コックの作った弁当を、
クラスメイト達や、大好きな先生たちに
まるで今までのお礼をするかの様に分けて回り、
あくまでお母さんが作ったんだと嘘をつき続ける
なんとも悲しいラストでした。
ホントね、
子供が子供として生きていけない…
嘘をつくことで、自らの居場所と生きる途を確保するスタンリー。
エンドクレジットでは、インドの働く子供の総数が流れたりと、
もう、
考えさせられる内容でしてね…
大好きなロージー先生も、
新任の温厚なズーチー先生も
スタンリーのお弁当をもらって食べながら、
満面の笑顔でスタンリーに接するのですが、
彼らにとって、スタンリーの現状ってのは
所詮、他人事…
いや、現状を知らないとはいえ、
ヴァルマーを追いだしただけで、
スタンリーの問題は一切解決出来ていない無力な大人
しかし健気に、自分の弁当を分けて歩くスタンリー…
この切なすぎるラスト…
誰かなんとかしてやれよっ!。゜゜ヽ(´□`ヽ。)°゜。
もう、泣きそうでしたよ・゜・(ノД`)・゜・。
さてさて、
何か異常に長い文になってしまい申し訳ないです。
ま、ざっとこんな感じで全部言っちゃいましたが、
スピルバーグ監督の「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」のOPっぽい
愛らしいオープニングアニメで始まる本作。
なかなかの傑作です!
出会ったら、即観てね!
