宇宙の赤道まで行くと、時計の針は止まってしまうこと…

林海象 監督作品
「彌勒-MIROKU-」観ました!
あらすじ!
「第一部 真鍮の砲弾」
13歳の少年・江美留と、その友人たちは、自分たちの将来を夢みていた。
一人の少年は科学者を夢みて、
またある少年は詩人を夢み、
そして哲学者を夢みる少年も…
しかし江美留だけは自分の将来が見えずにいた。

ある日、
仲間の一人が突然自殺してしまう。
機関車に轢かれてしまったのだ…
彼の死を悼んだ少年たちは、丘の上にある天文台へと出かけていく。

そして大きな望遠鏡を覗く天文学士に
「そこから何が見えるのですか?」と尋ねてみる。
天文学士のおじいさんは、少年たちにこう尋ね返す。
「教えてくれないか、僕たちは何処からきて、何処にいくのかを?」と。
その答えを探そうとする少年たちの心は、いつしか宇宙をみている。

そんな中、
江美留は一冊の本のなかに、彌勒菩薩の写真をみつける。
そこには「五十六億七千万年後に、人類全てを救済するもの」と書かれていた。
江美留は、その閃きとともに、小説家になることを夢み、そして決断する。

「第二部 墓畔の館」
それから十数年の後、
青年となった江美留の人生は夢とは真反対の地獄にいた。
その日暮らし
原稿用紙を質に入れ、
わずかな金を手に入れ、それを全て飲んでしまう…

青年・江美留は思う…
少年の時の自分の夢と決断は本当に正しかったのか?
「おまえの目指す人間とは何か?」
目の前に現れる、角を持つ死神は問う…
果たして江美留は、
いっこうに改善しない生活の中、
その問いに対する答えをみつけだすことができるか?

一応、
一部、二部と別れているのは、
その画面の持つ雰囲気がまるで異なっているからで、
私としては、かなりの哲学的な作品を覚悟していただけに、
いきなりのファンタジック(しかもチープ'`,、('∀`) '`,、)な画作りに
ちょっと面食らった感じでしたし、
やはり
私的に林監督と言ったら多聞に漏れず
『私立探偵濱マイク』シリーズなんですね。
監督の作品を鑑賞する時、
私は、“カビ臭い蔵の中に入ったような感覚”にとらわれていましたが、
本作の、
いったい何だ!?この雰囲気は!
と、
かなり呆気にとられましたょ。

それこそ、
無垢な少年たちが浮かれまくっている子供時代を表現したかったのか?
歌って踊って、
クサいセリフ吐いて、
挙句は、ジョルジュ・メリエスのオマージュ??
否!チープなパクり?'`,、('∀`) '`,、まで登場しながら、
なんだか意味不明に話が進んでいくのですよ…?

じつゎ本作、
京都造形芸術大学・映画学科の90人の学生たちによって創られているのです。
当然、職業映画人も参加しているのですけど、
このメインキャストたちも、映画学科の女優の子らが出演していてね、
初々しいとか思う方もいらっしゃるでしょうが、
そこはそれ、
学生ですから、
教わったこと、そのまま演っちゃうんですね'`,、('∀`) '`,、
なので、セリフや芝居が
必要以上に大仰でしてね。
どの子も、女芸人?って感じの子ばかりが出ててね、
まぁ、言っちゃえば、ワザとらしいんですゎ!
'`,、('∀`) '`,、

私なんかが烏滸がましいでしょうが
役者ってさ、
その役になりきるんぢゃなくてね、
その役と混ざり合わないとダメなわけですよ!
一つの役を、
様々な役者が演じることがよくありますよね?
成りきって演じるのが良いということになると、
誰が演っても同じなワケだからね。
例えばどうでしょう?
織田信長!
役者Aの信長と、
Bが演じる信長が一緒ではダメなんよ!
そこに役者本人が入ってないとさ!(=´∀`)人(´∀`=)
声優さんとかは特にそうだよね。
イメージ輪郭までつくらないといけないから!

だから、ややかったるいって言えばかったるい!(≧∇≦)/
何が言いたいのかもわからなくなってさ、
どうすんだコレ?とか思ってるとね、
ちょうど本編半分くらい過ぎたら、
第二部へ突入してね、
一気に雰囲気も変わって、
主人公も成長し、永瀬正敏さんに変わってね!
これこれ!_| ̄|○∠))バンバン
蔵の中っぽい!(∀`从)♡♡♡
ようやく林海象の世界だ!ってね!

ここからは、
ようやく雰囲気も良し!
一部との落差が実に心地いいわけです!
しかも本作、
本編に音楽が入ってない
生演奏ヴァージョンもあるんですね、
私は音楽入りの映画ヴァージョンでしたけど、
生演奏って、舞台でしか味わったことないから、
こちらで観るのも楽しいでしょうね!
しかも、
映画の方から
巡業として、やってきてくれるそうですよ!
コンサート感覚で出かけたらいいですよ!
コチラはね、
そりゃ~~手が込んでますよ!
1回限りの上映イベントのために作られた劇場は、
アートなどを飾ったりして、
様々な趣向で楽しめるような会場づくりが特徴でしてね、
とってもお得ですよ。ヾ( 〃∇〃)ツ
正直、
生演奏のほうが絶対に感動するはず!d(≧▽≦;)

二部ではね、
夢に届かない、ダメな大人を永瀬さんが好演してましてね
!;;:+*(●´∀`人´∀`●)*+:;
あの「みゆき」時の永瀬さんはいったいドコへ!ですゎ
ァ '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、

イヤンヾ( 〃∇〃)ノ カワユス!
しかし、
鬼の役、井浦新さんの、
そのチープな角は、やはり学生の限界なのか…?
とか思っちゃった!(●´艸`)テヘペロ!

私たちは、
さまざまな外的要因により、
さまざまなことに憧れたり、
それを目指したりするわけですが、
それらが必ずや叶うわけでもない…
“無”とか、“0”とかからは何も生まれないとは思いますが、
影響受けたものを越せなかったらそれは0以下でね…
だけどね、
影響受けたからってさ、
そのもの自身になれるわけでは決してないのでね、
どう自分らしさを上乗せするのかとかね、
そこにオリジナリティが存在するんですよ。

真似するのは悪くない。
そこからどうするのか?なんですね。
劇中のセリフである、
「どんな人間になりたいのか?」
夢見たり、憧れたりするモノへなるために努力する
現実と直面しもがき、抗う!
その経験を重ねて、
他の誰でもない、
自分という人間になっていくのでしょう。
オンリーワンのね。(●´艸`)
稲垣足穂さんの小説の初映画化とか、
そんなのどうでもいいですね。
理解が難しい作品ですが、
そんなトコをくすぐられてね、
私みたいなモンは、ショックを感じたりしますよ
'`,、('∀`) '`,、
反省なんて決してしませんけどね!'`,、('∀`) '`,、
頭固い人は、
なんとかこの作品の意味を見出そうとするでしょうが、
もっとハードル低いところで感じてもらえばね!いいですよ!
