長万部くんと宇都宮くん

堤幸彦 監督作品
「くちづけ」観ました!
あらすじ!
かつては大ヒット作を持つ漫画家であった“愛情いっぽん”。
娘の“マコ”を出産して間もなく亡くなった妻に代わり、
娘を育てるために漫画家を休業してはや30年…
いまだに目が離せないマコ…
そう、
マコの心は7歳の時から成長が止まってしまっているのです。
ピュアな心を持ち続けるマコですが、
他人の手がないと、生きていけないのです。

そんなある春の日、
いっぽんは、
編集者の夏目ちゃんから紹介を受け、
知的障害者が自立を目的として集団生活を営んでいる
「ひまわり荘」というグループホームを尋ねました。
いっぽんは、
ひまわり荘に住み込みで働こうと考えています。
ひまわり荘には、
主人で医師の国村先生をはじめ、
妻の真梨子・娘のはるか
ビールを愛し、毒舌な袴田というスタッフの元、
“うーやん”、
“仙波さん”、
“頼さん”、“島ちん”の四名が暮らしていた。
実の妹の“智ちゃん”が大好きなうーやんに、
智ちゃんの婚約者と間違われ、
勘違いから殴り飛ばされたいっぽん・・・
しかし、
そんな彼らと共に暮らし
彼らの世話を焼こうといっぽんは考えました。

どんな施設からも逃げ出してしまうマコ…
ところが
ひまわり荘では、そんなうーやんにだけは心を許し始めました。
そんなマコに、いっぽんは驚きを隠せません。
最初は戸惑いましたが、
徐々に、そんなマコを頼もしく思い始めるいっぽん。
ところが、
ある日、いっぽんは突如、吐血してしまうのでした…

※今回はいつになく私情が含まれています。ムナクソ悪くなったらごめんなさい。
忙しさにかまけ、
スッカリ放ったらかしにして申し訳ない!
'`,、('∀`) '`,、
そろそろ梅雨空な今日この頃、
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
さて、
傑作ドラマを輩出し続ける堤幸彦監督ですが、
本作も泣き死にそうになりましたょぉぉ・゜・(ノД`)・゜・。
本作で「うーやん」を演じていたのはなんと!
舞台「くちづけ」の脚本家であり、
東京セレソンデラックスの宅間孝行さんでした…!
で、本作なんですが、
ブルクあたりでよく上映されている
コンサートやら
舞台の上演を映画館で流しただけの作品ではなく
シッカリと一本撮られた映画作品です!
しかしその演出!
まるっきり舞台でした'`,、('∀`) '`,、
全編ほぼ、
ひまわり荘のリビングで繰り広げられるドラマ!
まさに舞台で観劇しているかのようでした。
リビングと並行して二階への階段が続き、
上がり框がまるだし状態で組まれている美術は
舞台セットそのもので、
二階の廊下は下からも一望でき、
そこから、桟越しに足をブラブラさせてセリフを吐く役者たち。
1階と2階で同時に役者が動けるセットにして、
カメラワークも意識して、舞台視点っぽく動いて、
ワン・シチュエーションの舞台作品って感じでしたねっ!
少し古いのですが、
代表作としては
かの三谷幸喜さんの「12人の優しい日本人」も
ワン・シチュエーションで展開される
解りやすい作品で、
元々は舞台用の脚本だったわけですが、
本作もそんな流れでしょうね。

さて
脚本、及びうーやん役の宅間孝行さんですが、
正直、
日産のCMくらいしか印象なくて、
舞台・・・ 行っておくべきでした・゜・(ノД`)・゜・。
なんか惜しいことした…
もっと深く知るべきでした…
まぁ、
それくらい、出来がよかったわけです。
『最強のふたり』のような切り口での、
障害者表現もアリでしょうが、
本作のような、ストレートな物語も泣けます!
どちらかというと、
その設定や流れの雰囲気が、
『海洋天堂』に似て、障害児を一人残す親の不安が
本作も切なく描かれていましたね。
障害を持つ子供との暮らしのために、
人気作家の座を捨て、
さらに、
自身の死期を意識し、一人残る娘のために
いったい何が出来るのか?
海洋天堂でも、父親は、
息子・大福と共に入水自殺しようとしましたが、
本作では、
悩みに悩んだ末、いっぽんは、娘・マコを殺してしまいます。
マコとの淡い恋の末、
マコの誕生日、
12月25日のクリスマスにマコと結婚しようと考えていたうーやんは、
当日、
いつになったらマコは現れるのか?と、
もし来なかったら自分は誰と結婚すればいいんですかっ!?と
無邪気に疑問をぶつけてきます。
これほどに残酷なビュアも、他に見当たりませんよ
。゜゜ヽ(´□`ヽ。)°゜。

刑務所には知的障害者が多い…
犯罪を繰り返すしか、生きる術がない知的障害者
しかし、
いっぽんはこう言います
障害者が警察に、
犯人はお前だ!と言われれば
たとえやっていなくとも、障害者は怖くてやったと言ってしまうんだ!
そんな冤罪ばかりではないか!
“障害者が一人で生きていくことができないなら
一人で生きていける世の中にするべきではないのか?”
ギリギリの選択を迫られる、
他になす術のないいっぽん。
世の中に当るしかない切なさ…
そんないっぽんに対して
世の中はまた、寒気のするような事実を突きつける…!
ブルーシートで家を組み、
空き缶などを集めるホームレスは
単に、仕事や、家のない人々だが、
髪なども伸ばしたい放題で、身なりも気にせず、
ゴミ袋を引きずって歩くホームレスは、
100%知的障害者だと…
マコにそんな現実を突きつけたくない!
そんないっぽんの想いから、
マコはいっぽんの苦渋の決断に従うしかなくなります。

頭では、
嫌というほどわかっていますよ
でも、
まず何をするべきかはわからないんですよ。
そんな世の中の一員なんですよ…私も…
・゜・(ノД`)・゜・。

さて…
ちょっとここからは映画作品から離れちゃいますので、
引き返していただいても結構ですよ!
うん…
むしろ帰ったほうがいいかも…(-.-;)
かつての取引先にね、
知的障害者を積極的に受け入れている企業がありましてね、
そこの強欲社長の、強欲奥さんがいけしゃあしゃあと言いましたよ!
「障害者雇うと、市から金借りやすくなるから使ってるんだよ!」ってね…
もちろんそこでは、
健常者従業員による、障害者従業員への暴行などもありますよ…
でね、
私は知人を頼って、弁護士さんを紹介してもらい、相談しましたょ。
でもさ、
世の中って、何もしてくれないよね。
ホント、悔しい思いをしましたよ!
今ではその企業との付き合いはないですけど、
その企業が、障害者を対象にした学校を開いたとか、
こんな連中をあり難がり、金貸す
わけわからない行政の仕事っぷりに怒り心頭ですよ。
ほんと、公開したいくらいですよ!
名前も会社も…
社長ってのは、案の定、
逮捕歴もあり、若き頃は評判の悪だったんですね…
まぁ、人知れず今も・・・ なんですが・・・
(-.-;)(-.-;)(-.-;)
マコや、いっぽんもね、
こんな社会のウジ虫に殺されちゃうんですよ…
ちょっと、直接的な被害がないんですが、
思い込みのエネルギーの凄さ…
そう思い込むしか逃げ道のない状況…
そんな、
ある意味、後味があまりよくない一本となっています。
きっと苦手な方も少なくないでしょうが、
飛躍しすぎな話ではないんですね…コレって…
なので、
観て欲しいかも…
と、言いますか、舞台…
観るべきだったっ!
il|li_| ̄|○il|li
クッ!
この激しい後悔に対し…

直前、
「スウィングガールズ」を観たんですよ!ヽ( ´¬`)ノ
そこでの貫地谷しほりさんと、本作での彼女を観て、
ちょっとファン化しそうです。