格差とは?

廣木隆一 監督作品
「だいじょうぶ3組」観ました!
あらすじ!
桜舞い散る4月…
新学期を迎えた東京郊外の松浦西小学校の5年3組に、
新任教師の赤尾慎之介が赴任してきた。
補助教員の白石優作と共に…
この新任教師・赤尾には、手も、足もなかったのだ…
5年3組の28名の生徒たちは、
それぞれに、驚き、戸惑った…
そんな中で新学期がスタートした3組
そして早くも、
クラスの男の子、山部幸二の上履きが無くなるという事件がおこる…。

“きいろいゾウ”が結構、好みに合っていて、
本作も、迷わず鑑賞!
さすがに、
「最強のふたり」ばりに、
障害をブラックユーモアで吹飛ばしちゃおう!的なノリではなかったですね。
実際、
この手の作品を鑑賞するのって、
気の毒な気持を持つのは、なんだかおかしな話で、
最強のふたりでの、
障害者ギャグとでもいうのか、
とんでもないブラックユーモアの数々は心底笑えたし、
それでこそ、物語に深みも増していたと感じましたが、
どうも本作は、物語性が薄いんですね。

廣木監督らしい、
シェイプなつくりが度を越して、
薄っぺらな内容になってしまっています。
乙武洋匡さん、ご本人の芝居ではないそのままの姿に共感できるものの、
赤尾先生というキャラ自体は、
進行上、
サラリと描かれ過ぎて、深みを感じないキャラになってしまっていました。

また、
問題を抱えた生徒も、あまり掘り下げることなく
淡々と次のシーンやエピソードへと進んでいく
駆け足演出の所為で、
キャラがまったく立たず、
味のないクラスになってしまっています。

全編通して、
中西文乃という女生徒を中心に事件が起こっていきますが、
彼女は、大好きな姉がダウン症であることに悩み
少しおかしな行動をとるのですが、
その辺りも軽めに表現され、
どうしても深みという点で、2歩も3歩も届いていないのが残念ですね。
なので、
どうしても、変に気を使っちゃう観方をしちゃってね、
そういうのって差別的態度かな~~とか思っちゃうわけで。
気の毒って感情が生まれちゃう見せ方なんだよなぁ…なんか…

またね、
主人公である補助教員の白石優作の周辺事情も薄めで、
なんとなく、
赤尾とは、学生時代からの、長い付き合いの友人であることしかわからず
人となりみたいなものは大きく描かれていません。
白石は現在は教育委員会の職員という立場ですが、
以前は教員をしていて、
所謂、
最近、教育現場を賑わしている“モンペ”により、
教師としての自信を打ち砕かれ
教育現場から身を退くという過去がセリフでのみ語られます。
主人公としての登場シーンの少なさも、
どういう観点からの演出なのかわかりづらく、
エンドクレジットに、トップで流れる、
国分太一さんの名前に違和感さえ覚えます。

そしてそれらは、
職員室にいるキャラたちにも言えることで、
校長や副校長、
同学年の教師たちにも言えることですね~…
また、
白石の彼女も、何のために出演しているのかわからない感じですね…

しかし、
物語上では、
それこそ主人公的立ち位置の乙武さんの魅せ方はなかなかで、
例えば、
腕の無い彼が、
カレーライスをスプーンを使ってどう食べるのかとか、
居酒屋で生ビールのジョッキをどう持って飲むのか、
手足のない彼が、サッカーをする姿、
階段を昇る姿など、
それこそ乙武さんの、
普段の生活スタイルが描かれている部分は大きな評価につながると思います。
以前、
何かの番組で、アゴと肩でペンを持って、
字を書く姿は見たことがありますが、
乙武さんは、健常者より字がキレイでしてね…
いやはや、
人間の可能性って…って思いますよね!

この手のテーマを扱う作品です、
好き嫌いも、大きく分かれる所かとは思いますが、
最近はやや、
面白そうな作品の公開もないので、
よければ、
ご自身で確認してみて欲しいですね~~
