東京の人は忙しいんだな…

山田洋次 監督作品
「東京家族」観ました!
あらすじ!
瀬戸内海の小島住まいの平山周吉と妻のとみこが、
東京に暮らす子供たちのもとを訪ねた。
多摩で開業医を営む長男・幸一、
舞台美術の仕事を手伝う次男・昌次、
美容室「ウララ」を経営する長女・滋子たちの暮らしぶりを見にやってきた
それぞれの家を泊まり歩くも、
仕事の忙しい子供たち、
東京見物もままならない…
挙句、
気が引ける子供たちの計らいで、
横浜のインターコンチネンタルホテルへと追いやられる。
贅沢に慣れていない両親は、
高級ホテルに戸惑い、2泊3日の予定を早めに切り上げ
滋子の家に戻って来てしまった…。
そんな中、母・とみこが軽く体調不良をうったえたものの
予定が狂った滋子により、
滞在場所を失ってしまう周吉ととみこ…
そこで、周吉は教員時代の友人宅へ、
とみこは次男・昌次の部屋へとそれぞれ向かうこととなった…。

146分の長丁場なんですが、
劇中の時間の流れが、とても緩やかでしてね、
じつに心地いいんですよ(●´艸`)
田舎の両親の状況…
東京に住む子供たちの生活…
うまく噛み合わない、それぞれの事情…
そして、
突然の母の死…
内容はわずかにこれだけなんですが、
ゆったりとした流れの中に
輪郭のハッキリした訴えが提示されている感じでした。
なんてことない時間が、濃い味でしたよ。
そして本作も、
震災により公開が先送りになった一本でね、
作中においての、
昌次と紀子の出会いのきっかけが、
震災復興ボランティアであり、
被災者への応援メッセージが込められた一本であるわけです。

元祖である「東京物語」では、
次男・昌二の嫁が重要な役どころなんですが、
「東京家族」では、昌次は未婚で、彼女を母に紹介する流れ、
その、彼女・間宮紀子と、昌次の両親とのふれあいが全編に配置されています。
東京物語での次男昌二の嫁さんの名前が紀子ですので、
紀子役・蒼井優さんが、
本作でのキーとなっているのは間違いないでしょうね。
さりげなく、震災が物語の流れの中に描かれていて、
物語の中心というか、
ストーリーを牽引しているのが、
妻夫木くんと蒼井さんなんですね。
なので、
ラストシーンでの橋爪功さんのセリフを引き出しているのが
蒼井さんたちなんですね。
そしてその流れの中、静かに終劇となるわけです。

古い作品ですと、
「羅生門」と「愛と死をみつめて」のみDVD所有していますが、
ハッキリ言って、あまり古い作品は積極的には観ません。
志村喬さんは好きで、出演作は観ますが、
コレクションはほとんどないですね。
正直
私もCSで一度だけ、東京物語を観ただけで、
あまり深いところまで記憶に残っていないのですが、
再鑑賞決定ですね~~~'`,、(人´∀`)'`,、これゎ!
かなり肌に合う作品でしたょ!
東京見物の描写が
この60年でどれだけ変わったか
見比べるのもいいですね。(●´艸`)

山田監督の81作目である本作なんですが、
寅さんに代表されるように、
日本の“家族”という単位を長年に渡り撮り続けた監督。
さすがに秀逸な描き方でして、
本作も、ホント味のある
飽きない作りなので、マヂで感謝ですよ(∀`从)♡♡♡
最近
山田作品を最近観る機会が多いので、
本作も迷わず鑑賞でしたっ!
音楽は久石譲さん。
ただ、印象的な管楽器は今回は見当たらず。
らしいメロディーと、らしくない編曲でしたが、
じつに作品には合っていたという印象でした。

そして
やや、アチコチで本作への批判的意見を目にしますが、
そもそも本作は、
決して、
単純にリメイクされた作品なんかではないワケでしてね。
あくまで
“小津安二郎監督の『東京物語』をモチーフに製作”し、
小津監督へ捧げる一本としての位置づけで、
この両作はね、
両監督を比べるための基準となるモノでもなんでもないのでして、
あくまでも現段階では
小津=山田
という方程式しか成り立たないワケですよ。
どちらが上でも下でもなくてね!
だからね、
こう、比べて評価してではなく、
60年の時間の差のある、
家族の物語が二本存在するってだけだったりするワケです。

なので、
変な先入観だったり、
余計な予備知識無しでまず、観てもらいたいですね!
妻夫木さんの込み上げる泣きシーンだけ、
ちょっと、もらいそうになりましたヾ((○*´∀`*))ノ゙
その前後を知ると、
実にいいシーンですよっ!'`,、('∀`) '`,、

