あるものは年を重ねるごとに美しくなる…人間はそうはいかないが… | 真夜中のキャプチュード

あるものは年を重ねるごとに美しくなる…人間はそうはいかないが…










カラカラ








クロード・ガニオン監督作品


「カラカラ」観ました!










あらすじ!






カナダ・ケベック州モントリオールから大学教授の職をリタイアした後、

かねてより希望していた念願のアジアへやって来たピエール。

沖縄本島南部に滞在し、

夢のような時間の中、気功のワークショップ参加を終え、

帰国までの残り10日間でさらに、
     深く沖縄に触れる旅を計画していた。

そんな中、

ピエールが那覇・美栄橋で道に迷っていたところ、

純子と明美という日本人のふたり組に助けられる。

目的地の博物館まで案内してもらい、

二人と楽しい時間を過ごし、

博物館では、展示されていた素朴な織物に心奪われる。

それは、人間国宝平良敏子が織った芭蕉布だった。

強い好奇心にかられたピエールは、芭蕉布工房へ取材の約束を取り付ける。

翌朝、

ピエールが公園で気功をしていると、

昨日、親切にしてもらった純子が目の前に現れる。

留学経験のある純子は、東京から移住してきた主婦で、

通訳としてピエールに同行したいと申し出る。

共に行動する二人…

そのうちに、一人の人として、女性として扱ってくれるピエールに、

純子は好意を寄せ始め、

やがて、出会ったばかりの二人は必然的に結ばれてしまう…。

一日の終わり…

とてもいい時間を過ごしたと伝え、

握手で別れた純子だったが

その夜、ピエールの元に純子から電話が入る…。

なんと、ピエールの滞在するホテルに部屋をとり、
                 そこからの電話だという。

急ぎ部屋を訪ねるピエール…

純子は、不仲な夫・健一に殴られた顔を押さえ、家出してきたと泣きじゃくる。

そして、二人には時間が必要だといい、

明日からもピエールの旅に同行したいと言い出す。

面倒に巻き込まれることに怪訝な態度をとるも、人のいいピエールは、

困惑の中、純子を放っておけず、しぶしぶ承諾する。

旅の初日の朝、

健一に見つかった純子は、逃れるためにピエールにレンタカーを暴走させる

ピエールは思う…

こんな冒険はいらない…と…。

買い物に出た純子を置き去りにしようとするピエールだったが、

どうしても思いとどまってしまうのだった…

こうして、

様々な事情を抱えた二人が、

空っぽの心を埋める旅へと出発するのだった。



出会うべく惹かれあう二人の心は空っぽ気味


































沖縄本島が舞台の本作…


沖縄切れをおこすと、とりあえず

日帰りで行っちゃうような沖縄キ●ガイな私ですが、

最近、

ハワイには確実にあるマナが、

はたして沖縄にはあるのだろうかと考えるようになりました。


つまり、

沖縄にある“アレ”は、

マナではなく、もっと別の何かなんだなってね。


マナなんかより、

もっともっと過激なエネルギーなんぢゃないだろうか?ってね…


なので、

あれだけ移住を望んでいた沖縄という地は、

住むのではなく、

その何かを補給するためにたどり着く

そんな場所なのではないかと思い始めています。

なのでね、

やがて現実に引き戻されてしまう時が訪れてもいいのです。

そして

本作には、漠然とですが、その“何か”が描かれていましたょ
                      (●´艸`)




ピエールが、

大木の根本で座禅を組み、瞑想に耽る…

その何かに触れている…

どこででも寝てしまう…

何かに触れながら…


そんな沖縄の姿を切り取ったのは

カナダ人監督だというので、公開を楽しみにしてましたよっ!
              ヾ((○*´∀`*))ノ゙

見事でしたょ!






61歳になり、

第二の人生を、憧れのアジアで始めたピエールですが、

純子同様、彼もやはり、不完全な状態の人間だったのですね。

お互いが、お互いを無意識に補おうとする…

結果、惹かれてしまう切なさ…


知ってます?

沖縄で何かを補充すると

お腹の辺りにボールのようなものが溜まるんだよ(●´艸`)

何なんだろうね?アレゎ…?



なんか…

ちょくちょく脱線しますが、

それだけ、想いが強いんでしょうね(∀`从)♡♡♡

実際、

沖縄舞台の作品は

そのほとんどが記憶に強く残っています。

本作も、長く愛する一本になりそうですよ(ù _, úo)フフフ...




カラカラとは、

泡盛専用の沖縄の酒器のことで、

中に陶器の球を入れておいて、

泡盛が空になると、カラカラと鳴るそうです。


独特の意匠を持ち、

視覚的にも外国人受けしそうな一品で、

監督がこのタイトルを付けた理由が

存分に作中に表されています。


からっぽ…

   枯渇…

 カラカラと虚ろに響く音…

そんなイメージのカラカラは、

そのまま、

人間たちに置き換えることが出来ます。

本作では、

乾いた心を持つピエールや純子に象徴されています。







本作で、

ピエールが惹かれる芭蕉布。

イトバショウという植物を刈取り

繊維を取り出し、茹で

   裂いてしごいて、

     糸として生成し、

 ようやく機織り機にかけられる

その気の遠くなるような長い手間が、

まるで、

そう簡単じゃないょ!人の人生も。

    そう語っていました。


どちらも複雑な過程無くして成り立たないワケで、

人生を上手に比喩していましたょ。(●´艸`)



人間国宝・平良敏子が、絶えようとする芭蕉布を

後世へと繋ぐ役目を果たすのと同様に、

年齢も、生まれも育ちも、

    性別も違う二人を、芭蕉布がさりげなく繋ぐ役目をし、

物語にスムーズさを感じます。




ただひとつね

外国人監督なのに、

酒場で知らん者同士が盛り上がり

カチャーシー踊りだすというありきたりな沖縄表現…

やっぱりクロード・ガニオン もやっちゃいましたっ
              _| ̄|○∠))バンバン
これ、

かなり足引っぱるシーンだと思うょ~ムニャムニャ...






まぁ、

全国34か所の上映劇場しかありませんので

  なかなか出会えないかも知れませんが、

  思い出したらDVD借りてみてくださいね。



  









普通です