ほんの少しのタイミングさえ合えば、あなたは星を輝かせる小さな太陽になれるのに。 | 真夜中のキャプチュード

ほんの少しのタイミングさえ合えば、あなたは星を輝かせる小さな太陽になれるのに。
















夢売るふたり








西川美和 監督作品


「夢売るふたり」観ました!








あらすじ!


都会の片隅の小料理屋。

主人は腕のたつ、こだわりの板前で、客受けのいい貫也。

そして、

夫・貫也を支えながら店を切り盛りする妻・里子。

小さいながらも、いつも常連客で満席に賑わっていた。

そんな、5周年を迎えたある日、

お祝いの胡蝶蘭が飾られたカウンター…

忙しく動き回る中、

貫也がふと焼き場から目を離した瞬間に、焼き鳥の脂に引火!

みるみるうちに店中に燃え広がり、店は全焼してしまった。

夫婦は一瞬にしてすべてを失ってしまう。




目の前で店が焼けてしまう…





10年前に戻っただけ!

またやり直せると、前向きに貫也を励ます里子。

しかし、すっかりやる気を無くした貫也は、仕事もせずに日々飲んだくれている。

そんな鬱々としていたある日、

貫也は、終電が出てしまった後の

     地下鉄のホームで、店の常連客だった玲子に偶然出会う。

玲子は不倫相手の外ノ池俊作を事故で亡くしたばかりで堕ちに堕ちていた。

お互いやるせなさに任せ、一夜を共にしてしまう。

そして自暴自棄の玲子は、

   俊作の弟・明浩から渡された手切れ金全てを貫也にあげてしまう。



店の常連・玲子と一夜の情事




翌朝、浮気は里子にバレてしまうが、里子はこの一件をヒントに、

貫也を、都会に生きる寂しい女たちの心の隙間に忍び込ませ、

結婚詐欺で、店の開店資金を集めることを思いつく。



沸かしっぱなしの風呂からあがらせないという拷問で浮気を吐かせる里子




店の再建という夢を目指し、

里子の指示の元、貫也は次々と女たちを騙し、金をせしめ始めた。

面白いように金は溜まっていくものの、

次第に夫婦の間にも溝が広がっていった…

玲子からもらってきた金を焼いてしまおうとする里子だったが…

























これまた阿部サダヲさん頼りの物語かと思いきや、

あの「告白」での迫力演技も記憶に新しい

          松たか子さんが完全に阿部さんを食ってました!



浮気は簡単にバレる




コミカルなシーンは阿部さんらしくいい味出ているのですが、

基本、コメディーではないので、

松さんなくして成立しない物語でした。



貫也が女をおとす一部始終を監視する里子




男と女は人類最大の謎!

   そんなテーマが掲げられていますが、

        とにかく女性が不思議な話!

いったい本心はどこに?って感じでした。


女性が偉大で、

  したたかで、

    そして怖い…


夫を使って結婚詐欺で一儲け…

  しかし、本心は…

  そんなお話。



咲月は簡単に落ちてしまう



R15+指定されてますが、

   かなりの濡れ場が存在するからですね~

しかも、松たか子さんの自慰シーン付です…ぅぅぅぅぅム(●´艸`)

     生理用品を取り換えるシーンまであっての体当たりな芝居!

               ご苦労様です…!(=´∀`)



松さん…なんかエラい!


夫を意のままに操る松さんの芝居は、

   ほんと、迫力満点で、告白の時の、

        あの静かな恐ろしさを兼ね備えた

                 見事なものでしたょ!



やってはいけないんだけどね…二人乗り…でも、暖かいシーンだったなぁ




私は特に、

重量挙げオリンピック代表候補選手の皆川ひとみのエピソードがよかった…

巨漢なひとみの、

そのコンプレックスの繊細な描き方は見ごたえありましたね。

体が大きい故、

ちょっとしたことでも相手に怪我させてしまいかねない…

そんな自分を、

「わたしを怪物だとでも思った?」なんていう女心は泣けますね。



ひとみのその怪力は、ヘタすると相手を傷つけるかもしれない切ない能力だ



女が女の心の弱みにつけこみ悪事を働くものの、

その本人の心にも隙間が存在するという

   やや哲学めいた内容も面白かったですよ。




“夫の人生に乗っかっているだけの自分の人生には

   何の魅力もない”と呟く里子のセリフはなかなか重いものでした。



こうなると、男はホント頼りない



 ラストはスッキリとは終わりませんでしたが

逆にそれが、多くを想像出来てよかったのかも?

わずかにですが、

観る側を選ぶ作品だと思われます。


いつも何か考えさせられるテーマを扱う西川監督らしいなかなかの良作でしたょ!












詐欺してるけど、お金は返そうと思っているのは、決して良心ではなく、自己正当化なのだ
詐欺してるけど、お金は返そうと思っているのは、決して良心ではなく、
              自己正当化という、最も醜い感情の現れなのだ