狂気は自転車とともに… | 真夜中のキャプチュード

狂気は自転車とともに…













MY HOUSE






堤幸彦 企画・監督作品




「MY HOUSE」観ました!











あらすじ!


都会の片隅、

鈴本さんと、パートナーのスミちゃんは、

画期的な移動式の組立ハウスを公園に設置し、

             そこで暮らしていた。


鈴本さんは、アルミ缶を集め、換金して稼いでいる。

廃棄されたバッテリーを使って電気を確保。

それはそれで、そこそこ自由で快適な暮らしをしていた。

ホームレス生活のようだが、

鈴本さんは、アチコチに顧客を持ち、

効率的にアルミ缶を集めていた。



契約することで効率よくアルミ缶を集める





そんな鈴本さんのお得意さんは、

潔癖症で人嫌いのトモコだった。


トモコの長男ショータは、医師の父の厳しい躾けの元で、

塾で行われた全国模試も、全国3位という秀才だった。

病的にコーラを飲み続け、亀の子供を可愛がっている。




人嫌いが過ぎて、潔癖症となったトモコ





ショータはある日、

鈴本さんたちが、
     公園で自由に暮らしている姿を見かける。


抑圧された生活を送るショータは複雑な心境だが、

   毎日、ロボットのように父の言い付けを守り、

     塾へ通い、コーラを飲み、亀を可愛がっていた。


ある朝目覚めると、可愛がっていた亀が死んでいた。


    …どうやら、父親の仕業のようだ…


  この一件により、

  ショータの心に潜むわだかまりが表面化してしまうのだった…




分解自在の移動住居



























『20世紀少年』シリーズの堤監督作品ということで観てまいりました。

言いたいことは伝わるのですが、

 なんとも後味の悪い作品でしたねil|li(;-_-;)il|li




気楽が自由なのか?恵まれた生活や教育が自由なのか?




潔癖症の母親が、

  一日中掃除をしている中、

 父に縛り付けられている中学生の

    唯一の自由である亀を、父に殺され

  ついには、その狂気の怒りがさらに弱いものへと向けられる

それらは、

社会的弱者であったり、

本編では語られていませんが、

  たぶんノラ猫あたりは標的になったのではないでしょうかね…?



殴られ怪我をしたスミちゃんの傍に付き添う鈴本さん





ショータは、呑気に鼻歌を歌いアルミ缶を潰すスミちゃんをみつめ、

挙句、

金属バットで殴ってしまいます…

かろうじて軽傷で済んだスミちゃんですが、

さらに、

それを目撃したショータの同級生が、

お前!やるな!

  お前の代わりに片を付けておいたぞ!と言い、

コインランドリーで洗濯中のスミちゃんを

やはり金属バットでなぐり殺してしまいます。




ホームレス仲間





理不尽にパートナーを失った鈴本さんは、

一緒に住んでいた家を解体し始めるのですが、思い直し、

心に穴の開いたまま、その場にとどまり、

今日もアルミ缶集めに走るのです。

     何が自由なのか?

      これが狂った都会の現実なのです。



一方の心の隙間が埋まると、

   もう一方は心に隙間が生まれるという
           おかしな構図で成り立つ社会の生態系…



ホント!自由は個々の心の中に…



そんな、それぞれの自由の形を、

   モノクロ画面で切々と語っています…










誰かがいなくなっても、今日もアルミ缶集めだ