働かないならご飯をあげないよ!

原田眞人監督作品
「わが母の記」観ました。
あらすじ!
父親の見舞いで訪れた湯ヶ島の実家。
小説家・伊上洪作は、ふと、子供の頃の記憶を振り返る。
土砂降りの雨のなか、軒下に立つ幼少期の自分。
向かいの軒下には、不機嫌な顔をした母が両手に幼い妹二人の手をつなぎ立っている。
幼少期に伊上はひとりだけ両親と離れて“蔵のばあちゃん”に育てられていた。
「僕だけが捨てられたようなものだ」軽い口調で話す伊上だが、本当はその想いをずっと引きずっていた。

仕事の押す洪作は、一旦東京へと戻る…
が、
ほどなく、父親が旅立ったと連絡が入る。
父の死をきっかけに、母親の痴呆が始まってしまう。
薄れていく母の記憶。
洪作は、育ててくれた蔵のばあちゃんと、
実の母の間で、長いこと複雑な想いを抱えていた
自分だけ、母に捨てられたと思い悩む日々だった…
しかし、
進む母の痴呆の症状に、自らの家に引き取り、
ようやく母親と正面から向き合う決心をする。

第35回モントリオール世界映画祭の審査員特別グランプリ受賞
そして、第16回釜山国際映画祭のクロージング作品
原作は、昭和を代表する文豪・井上靖氏の自叙伝。
私は本作が持つ、これらの輝かしい経歴というより、
映画館のCMを観て、鑑賞を決めたんですね。
正直、
よくある話だな~~って思っちゃったんですが、
そうね~~~??通り一遍な物語?
ただね、
私も介護経験(かなり小さい頃ですが…)があるのですよ。
すぐどっか行っちゃう痴呆も大変ですが、
まったく動けない老人が7年間家にいる辛さってのをよ~~く知ってましてね。
友人を家に呼べない小学生でしてね。

少し
そんな幼少期を思い出して微かにですが、CMにオーバーラップしちゃって劇場に足を運んだ訳ですね。
まぁ、あまり不幸自慢しても仕方ないのでこの辺で止めますが、
本作
それほどたたみかけるようなセリフ数があるわけでもないのに、
それぞれのキャラクターの性格とかが、
かなりスンナリと入ってくるのですね。

ありがちな長時間上映作品でもないのに、
まぁ、上手に個々の個性を表現したもんだと
上映中に感心しちゃいましたよ。

実際に井上靖さんの自宅で撮影されたリアル感もそうなんですが、
なんとも伊豆の風景が美しく切り取られ、
私のように神奈川に住んでいると、
伊豆って手頃な観光地でして、見たことあるような風景が後から後から現れまして、
何せ
高校でバイク乗り出して、
年中伊豆を走ってましたので、懐かしい風景ってワケです。

当時の愛機はHONDAのCB-Rでしたね~~
この子と何度、伊豆へ行ったことやら…シミジミ...

適当な画像が無かったのですが、これの青に乗ってました。
先に申しましたが、
とてもよい話ではあるのですが、
物語には、あまり大きな起伏が存在しません。
1960年、1963年、1966年と物語は進み、
母・八重が1973年に亡くなるまでを、進行する痴呆の症状と共に語られます。
終盤の1969年、
すっかり洪作を忘れてしまった母・八重なんですが、
洪作が子供の頃に書いた詩だか、短文を空で詠みあげ、
それを聞いた洪作が号泣するシーンが最大のクライマックスだと思います!
そして
母・八重が息子が待っていると、トラックをヒッチハイクし伊豆の海へと向かってしまう
それを追う琴子と洪作
海で再会した洪作は、優しく八重を背負って、波打ち際を歩くシーン
とてもいい画面でしたね~~~(∀`从)♡♡♡
でね、
ここでお終いでよかったかな~~ってね…

母親の葬式のシーンまで撮らなくてもよかった気がしましたね。
蛇足ってんですかね?
あのシーン…
ただね~~
俳優さんを観る一本って感じですかね~~?
現に、劇場内には老人しかいませんでしたし
単純明快な派手派手アメリカ映画とかが好きな方には、まったく向かない作品だと思います。
そんな感じですね~~~
