失うものなんてないなんて、そりゃ~勘違い以外の何物でもないよ!

早川嗣監督・脚本・編集
トリウッドスタジオプロジェクト第6弾作品
「金星」観てきました!
あらすじ!
先天性の視覚障害を持つ少年・俊は、
介助者の聡子とその兄である勇治と共に、
ネットで知り合った弱視の少女・ほのかをハイキングに誘う。

登山途中、分かれ道で二組に分かれ、
頂上までの競争がはじまったのだが
ほのかが転倒し、軽い怪我をする。
ちょうどそこへ通りがかりの大学生・大村が
持っていた絆創膏をくれ、治療を手伝ってくれる。

写真サークルの活動で山へ来ていた大村は、
ほのかに興味を持ち、写真を撮らせて欲しいと頼むが、
ほのかには、顔の左半分に火傷による痣があり、
写真撮影に抵抗を持っていたため、拒絶する。

頂上で合流した二組、
俊はトイレで、たまたま居合わせた大学生の川田に介助してもらう。
しかし、障害者であることに甘えてばかりの俊は、ロクにお礼も言わず、
ふてぶてしい態度をとってしまう。

頂上で二人きり、話をする俊とほのか。
そこへ、先程の大学生・大村が偶然通りかかり、
目が見えないことをいいことに、コッソリとほのかを撮影してしまう。
シャッター音で、そのことに気付いたほのかは、写真を消去するように叫ぶも
その場から逃げ去る大村だった。
そして、
このことが後々、
大きな問題へと発展する…!

もうね、
間に合わないと思いましたよ。
何がって
上映終了にです。+゚(゚´Д`゚)゚+。
タイミング合わず、
なかなか足を運ぶことが出来ず、
気づくと本日で上映終了です!
ギリセーフ…(-.-;)
トリウッドスタジオプロジェクトと出会い、
毎年足を運び、昨年はついにエキストラ出演もさせていただき
挙句、エンドロールに名前まで出てしまいました!(●´艸`)
そんな愛するトリウッドスタジオプロジェクト作品ですので
とりあえず、いかなる犠牲もいとわず優先的に空き時間を作りましたよ’`,、(’∀`) ’`,、
で、
今年の作品もかなりよかったです。
良過ぎました!
学生が創ったニオイがしないですね(-.-;)
撮影日数も少ないし、
予算も300万程度と聞いていますが、
やりゃ~~出来るんだね(-.-;)(-.-;)
感心しちゃう!
物語ですが、
オープニングでいきなり、何だ?と気になる始まり方
場面はすぐに変わり、
聡子が仏壇に手を合わせている。
どうやら、聡子夫妻は子供を亡くしているようだ。
あえて差し込んだ聡子の身辺情報
このシーンなんですが、
あとで考えると、
なぜ盲目の少年の介助を彼女がしているのか?
そして、要介助者のわがままを正せない理由…
そこにつながる気がしてなりませんな。
ほのかは、顔の火傷痕にかなりのコンプレックスを持っていて
以前は見えていたし、現在も、ある程度、色や形の判別が出来る程度には見えているようで、
そのことが、いっそうそのトラウマに拍車をかけているようなんですね。
後のシーンで、
顔に痣を持つが、
俊はどうせ見えないからってハイキングに行こうと決めたようなんですね。
ただ、
俊に、声がカワイイ
顔がみたい
触らせてくれたら少しはイメージがつかめるかも!
そう言われ躊躇したのですが、
痣のない右側に俊の手を誘導するしぐさを見せる。
彼女は心底、女性なわけですよ!
同年代と同様に、恋もしたいし、オシャレもしたい。
まぁ、
私的には彼女のハイキングファッションは似合っていてよかったと思いますが…

盲目同士が結婚・出産ってドラマは多々ありますが、
そういった流れかなと一瞬思わせて、
普通に女性に興味がある、お年頃な男の子と
そして献身的に介助してくれている聡子は子供を亡くした経験がある。
両者の関係を紐解くに、
この緻密な設定が、
俊のわがままを助長させている、
障害者なんだから助けてあげたいという気持ちと
そのわがままの受け入れ方を説明してくれていて、
ホント、よく出来てた。
立派に映画人のつくった作品であり、しっかりと成り立っていた。
ほんと、このプロジェクトに参加している人たちの才能には驚かされっぱなし。

ただ、一つだけ言っちゃえば、
俊役の大倉裕真くん、
芝居に力入り過ぎてて、セリフが時々聞き取りづらかった
序盤で聡子に向かって言ったセリフが聞き取れず、
その聡子の表情から、かなり重要な一言だと推測した
もったいないことをしました。
そんなセリフ回しがところどころあったのが残念!
でもね、
彼は、「ブタのいた教室」でも
かなり熱い演技見せていました!
言い争いの際の目力や
表情なんてすごかったし!
基本、天才だと思われます。
障害者を主人公に据えた時点で、
我々観客は、一気に先入観の色メガネをかけてしまうわけです。
ところが、この誘導で我々は気づかされます!
老人が、
どうせ轢きっこないだろうと、タカをくくって
老人の足で渡りきれる筈もない道路を渡り、
車道を走る車を止めてしまう行為や、
老人なんだから擁護されてあたりまえ
わがままも許してもらいます。
そんな、街中でよく見かける風景と重なりました。
つまり、
その本人たちは
自分を弱者だなんて思ってなくても
都合のいい時だけは、簡単にプライドも捨ててしまう
あからさまに自分が優位だと思うと強く出るが、
あっさり逆転されてしまうと反論も出来なくなる。
そんなところまで簡潔に表現出来ている本作は、傑作と呼ばざるおえないですよ!ええ!
本日で上映は終了しますが、
わずか60分の作品なのに盛りだくさん過ぎだし、
真剣に考えさせられるし、
とてもいいモノに出会った気がします。
東京ビジュアルアーツの関係者の皆さん
お疲れ様です!
そして、ありがとうございます!
次回作も期待を裏切らないでしょうね~~~きっと!
たのしみです!
