幽窓無暦日
浅田次郎原作
「陽はまた昇る」の佐々部清監督
「日輪の遺産」観てきました。
あらすじゎ!(≧∇≦)/
終戦間際の1945年8月10日…
帝國陸軍・真柴少佐は阿南陸軍大臣をはじめとする軍トップ5名に呼集され、密命を受ける。
山下将軍が戦地より奪取したマッカーサーの財宝900億円を秘密裡に陸軍工場へと移送し隠匿するというもの。
それは敗戦を悟った阿南らが、戦後の祖国復興を託した、その資金源として利用しようと考えたものだった。
真柴少佐を助け、今回の極秘任務を遂行することとなったのは小泉中尉、望月曹長のわずか2名だった。
そして、勤労動員として召集されたのは、女子学生20名であった。
しかし、この20名の選抜には大きな秘密が隠されていたのだ。
やがて、今回の財宝隠匿の作戦修了間近
この20名の女学生たちに、非情なる命令がくだされる。
この命令書を読んだ真柴たち3名のとった行動はいったい…!
ネタバレあります(-.-;)
ストーリー的にも
映像的にも、お盆時期にテレビで放送される2時間ドラマ程度のクオリティーに感じたのですが、
語り部となる、生き残りの女学生の現在の状況がそこそこ長く序章として存在し、
さらに、もう一人の語り部である、マッカーサーの通訳係であるイガラシ中尉とが、物語上で交錯し、
共に別目線で過去の回想シーンへと移行、やがて回想内でリンクする展開は、
かなり、よく出来ていました。
そのため
単純な流れとストーリーではあるのですが、
それらを感じない静かながら、スピード感に触れられる流れを生み出しておりました。
物語の中心人物である、真柴司郎少佐を、堺雅人さんが、予想外の好演で全体を引っ張っていました!
そして
もう一人の功労者は、野口孝吉教諭役、ユースケ・サンタマリアさんでしょう。
今回、この女学生たちは、軍の、国の最重要機密に知らずに触れることとなります。
その結果、
終戦を向かえてもなお、
機密保持のため、仕事の終了と共に命を絶たれることとなります。
それは、トルストイやモームを敬愛する、彼女たちの先生である野口の平和主義が引き起こした悲劇であるのです。
野口は治安維持法違反の疑いで、特高に連行された過去を持っていたので、
今回、野口含め、その生徒たちをも巻き込んでの非情な作戦となったのです。
終戦をむかえ、戦犯として捕えられる前に、自決をする軍首脳部の面々、
この非情な命令に敢然と立ち向かい、
彼女らの命を守ろうとした真柴少佐。
腹を切った阿南に詰め寄り、彼女たちを解放してほしいと懇願する真柴の思いが通じ、
20名の女学生たちは、殺されることなく、帰宅が許された矢先、
彼女たちはことのすべてを悟り、真柴の意に反し、自ら自決の道を選んでしまう。
彼女らの強い決意と愛国精神に動かされた野口は、
彼女らを先導しなければならないと言い残し、
彼女たちの亡骸のそば、拳銃自殺をしてしまう。
回想シーンのラストを飾るにふさわしい出来栄えのワンカットでした。
ところが、
その後現代にシーンが戻ると、ネタバラしをしながら急に減速したストーリー展開の中、
なんか、必要かな?って思えるシーンが入ってきて、
感動の余韻が掻き消えた頃、終幕となります。
まぁ、クールダウンして劇場を後にしたと思えばいいかな(-.-;)(-.-;)(-.-;)

まぁ、
ドラマの終わり方が、女学生ほど潔くないってのはあったにせよ(-.-;)
作品としては面白かったと思えます。
あえての映画化は納得の一本ですので、機会がある方は是非に!;;:+*(●´∀`人´∀`●)*+:;