お年寄りは国の宝
「十三人の刺客」の脚本などを手掛けた、天願大介監督
「デンデラ」観ました!
あらすじ
雪深き貧しい山村。70歳を迎えた斎藤カユは村の掟により、お山巡りへと旅立つ。
この、お山巡りこそ。姥捨ての風習だった。
お参り場に到着したカユは、「極楽浄土」を繰り返し唱え、
わが身が極楽浄土へと届くことを目指す。
積もりゆく雪の中、徐々に意識が遠のいていくカユ…
しばしの間のあと、
目を覚ましたカユは、見知らぬ家に、わらをかけられ眠っていた。
恐る恐る家屋を出てみると、そこには、カユよりも前にお参り場へ捨てられた老女たちがいた。
すでに亡くなったと思っていた彼女らは「デンデラ」と呼ばれる村を築き、女だけで自給自足の生活をし、生きながらえていたのだった。
カユはデンデラを作った三ツ屋メイの元へと連れて行かれる。
なんとメイは30年前に山へ捨てられた筈だったのだが、ただ一人、生き残り、30年もかけてこのデンデラを作ったのだった。
そのエネルギーの根底には、身を粉にし、働き続けたにもかかわらず、掟により、不要な者とされた、自分たちを捨てた村に復讐するため、村を襲撃できるだけの人数がデンデラに集まるのを待っていたのだ。
カユは丁度50人目のデンデラ入居者。時が満ちたと感じたメイは計画の実行を宣言する。
だが、
村の掟を信じ、極楽浄土を願うカユは、メイのその考えに賛成できない。
デンデラでは、“いくじなし”といわれている椎名マサリも復讐には反対で、それより自分たちが冬を生き延びるための食糧を蓄えるべきだと主張した。
カユは、この両者の意見どちらにも賛同出来ないでいたのだが、一年前、お山巡りに旅だった、唯一の親友黒井クラと再会する。
体が不自由だったクラは、極楽浄土を強く願っていたが、ここ、デンデラでは、そんな彼女ですら何か役に立つことがあると考えられ、皆がクラを保護し面倒をみてくれるので、死ぬことに恐怖を感じ始め、生きることに執着し始めていたのだ。
やがてメイの計画が機を熟し、村へと進撃を開始しようという夜、
デンデラに衝撃的な出来事が起こった!!!
なんかCMとかで観て、
特に触手が動いたとかってなかったんですが、
日本人初、カンヌ国際映画祭で、しかも2度もパルム・ドールを受賞した
かの、“姥捨て山伝説”を描いた故・今村昌平監督作「楢山節考」の続きを
息子の天願大介監督が撮ったというこの、因縁めいた流れに非常に興味がわきまして、
かなり、上映時間にも無理があった(ハリポタら、話題作の陰で虐げられている?)ものの
なんとかヤリクリして観てまいりましたよ(●´艸`)
主要登場人物がすべて老人(メイク等でかなり高齢にされてますが...)ってだけでも
相当のインパクトなんですが、
しかしながら、その老人たちがかなりキレイなんですね!
特に主役の浅丘ルリ子さんは、老いたとはいえ、その美女っぷりは健在で、
ちょっとした表情なんて、かなり美しい!
オードーリー・ヘプバーンもかなりキレイに年とったなぁ~~なんて思ってましたが、
彼女はやはり老人化してるわけで、
それに比べ、浅丘さんって、かわいく年とりましたよね~~;;:+*(●´∀`人´∀`●)*+:;
山本陽子さんや、また出た倍賞さん、草笛さんら豪華キャストはそれぞれ特殊メイクで高齢化しつつも
やはり、根底にある美は隠しきれないという、その女優の凄さみたいなものを垣間見ちゃいましたよ!
本作、
かなり男臭い作品に仕上がってまして'`,、('∀`) '`,、
デンデラの創始者メイが、自分を捨てた村を襲撃し、全滅させるためへの生への執念とか、
かつて掟を破ったために、片目を潰され、村の男の慰み者にされた、デンデラでは平和主義者として、“いくじなし”呼ばわりされているマサリのアイパッチや
デンデラに住む皆が皆、
いろいろな思いを抱えながらも、メイの考えに共感し、村を襲撃し全滅させるために戦闘訓練を続けている様が涙ぐましくもあり、男臭くもありって感じなんですよ。
カユの参加で、50人を擁する巨大組織になったデンデラが
いよいよ村を襲撃する夜、
なんと、デンデラを、実りの少なかった秋の所為で、餓えまくった野生の熊が襲うんですが、
その際、カユの親友クラが足を食いちぎられてしまい、
逆襲のため、メイが下した結論は、クラをエサにし、熊を撃退するってものだったり、
それでもクラは、
「こんな自分でも役に立つことができるなら、喜んでエサとなりましょう!」的発言をする
;;:+*(●´∀`人´∀`●)*+:;
なんて、男らしい奴らなんでしょうね~~~~
_|\○_ ヒャッ ε= \_○ノ ホーウ!!!
たぶん、唯一無二であろう
浅丘さんが、熊の片目を潰すなんて、素晴らしいシーンが満載です!'`,、('∀`) '`,、
再三の熊の襲撃に、
平和主義者マサリもついに立ち上がる
デンデラを守るという目的のためなら、彼女も立派に戦闘員だったのですね~~
血に飢えた熊を正面から迎え撃つマサリ、
にらみ合う両者
おもむろにアイパッチを外し
片目の熊と片目のマサリが向き合う
めちゃくちゃカッコいいシーンですって!(__)ノ彡☆バンバン!
襲いかかる熊!
熊を自分ごと家屋に閉じ込め
皆に燃やせと命ずるマサリ!
カッコよすぎるぜ~~~~倍賞さんってばよぉ~~~(∀`从)
ラスト、
壊滅的ダメージを受けたデンデラで、生き残ったカユは、
熊と対峙するため単身旅立つ…
ランボーよろしく、キリリとハチマキをしめる、男の中の男、カユ(__)ノ彡☆バンバン!
そして、
山本陽子さん演ずるヒカリが
「あたしはお節介を焼くのがすきなのさ!」なんて男らしいセリフを吐き、
カユに同行するシーンは超カッコよかったっす!+.(*ゝд・)b゚+.゚
それぞれの自己犠牲のうえに成り立つ集団デンデラって
蟻の社会に似ています。。+゚(゚´Д`゚)゚+。
そんなけなげな彼女らに涙がとまりませんよ~~
人って
みんな自分の居場所を守りたいのです。
そして、
それを守るため、命がけで戦っているのです!
そんなことを再確認させてくれる、そんな作品なんです!
ただ、
その、生への執着や、それらの背景を上手く描き切れていないのも事実で、
途中、
熊襲撃あたりから、かなりグズグズ感が出て、
意味不明なシーンも多々登場してしまう…
全員70オーバーの老婆だけで熊と戦うってのも嘘くさいし、
やはり、
老人だけで、たとえ着ぐるみの熊とはいえ、
あの、キレの悪いアクションで、はたして熊撃退に至るのか?とか
その設定のリアリティーのなさは残念の一言ですけど…
まぁ
無残に惨殺される老婆たちのような、微妙ではあるが、そこそこのゴア描写もあり、
一歩間違えたら、素晴らしい1本となるところでしたね~~
ラスト、
カユはチンタラ熊から逃げるのですが、
いったい何やってんだとか思うのですが、じつゎ!
熊を村におびき寄せてたのです!
え?
どうして老婆の足で逃げ切れたのかって?
じつゎ、デンデラで子供熊を失った母熊が
オスの熊を一緒におびき寄せていたから、
たとへ老婆の足でも、追いつかれなかったのです!'`,、('∀`) '`,、やや無理あるかな?
カユそっちのけで村人を惨殺する♂♀熊たちを見て
「こいつ、まだ子を作ろうってのか?女だね…」というツボともいえるセリフを吐き、
さらに、熊に向かって
「お前とオレ、勝ったのはどっちだ?」
というセリフとともに劇は終わるのですが、
結果、
メイの意思を継ぎ、熊を利用して村を壊滅させたカユと、
子を殺されてもまた、エサでオスをおびき寄せ、子づくりのチャンスをモノにしたメス熊
いや…
ホントにどっちが勝ったんでしょうね…?(-.-;)
まぁ、みなさんあまりこれ読んでも、
興味はわかないと思いますが、
なんと親切なことに
本作は一律1000円で鑑賞できるというサービスっぷりには、素直に甘えましょうね!
'`,、('∀`) '`,、