永遠に焼き付けて・・・
上行結腸癌から併発する肺炎のため、7月19日午前9時35分、享年71歳にて永眠された名優・原田芳雄さんのご冥福をお祈りもうしあげます。
「亡国のイージス」「座頭市」の阪本順治監督作品
「大鹿村騒動記」行きました!
なにせ、原田さんは相当に好きな俳優さんですし、
私的、心のBEST10入りしています、「あるいてもあるいても」での存在感が忘れられませんので
・゜・(ノД`)・゜・。
~あらすじ~
長野県下伊那郡、大鹿村。
三百年にわたり村歌舞伎の伝統が守られ続ける村。
村で鹿を出す食堂「ディア・イーター」を営む風祭善は、
その大鹿歌舞伎に、
長い間、夫婦で出演してきた花形役者だ。
ところが今から18年前に、幼馴みの治に、妻の貴子を寝取られ、駆け落ちされてしまっている。
今回の公演を五日後に控えたある日。
女形で、バス運転手の一平は、客の中に、かつて見知った顔を見つけた。
どうやら、
治と貴子が18年ぶりに村へ舞い戻ったようだ…
ところが、
逃げるようにその場を去る二人は、何やら問題を抱えている様子だった。
やがて二人は善の前に姿を現す。
治は、
「ごめん、俺じゃ~どうにもならなくて…だから返す!」そう言って、貴子を置いて逃げようとする。
掴まえて事情を聞くと、
どうやら貴子は認知症を患い、
駆け落ちしたことも、
治のことすらも認識できなくなっているというのだ。
今回の演目『六千両後日文章 重忠館の段』は、善と貴子が長く演じてきた大鹿歌舞伎の代表的作品であり、
善のハリキリようも並ではなかったのだが、
何でも口に入れてしまい、
善の好みの料理の味付けも忘れて、
挙句、
何もわからず、店から商品を盗んできてしまうような貴子を見て、
さしもの善も、心が折れてしまう。
善は、貴子の父親である、歌舞伎保存会の会長・義一に
まったく目が離せない貴子のせいで、今回は歌舞伎に参加出来ない旨を伝えようと決意したその瞬間、
貴子が、善との結婚のきっかけとなった、『六千両後日文章 重忠館の段』のセリフをスラスラとしゃべりだしたのだ。
歌舞伎のことだけは忘れていなかった貴子の姿に、善は歌舞伎への出演を考え直した。
本番前日、
村を大型の台風が襲った。
村への崖が崩れ、女形の一平が土砂崩れに巻き込まれ怪我をしてしまう。
やがて、
歌舞伎への参加をあきらめた一平から思いがけない提案がもたらされた。
認知症の貴子を自分の代わりに出演させるというものだった。
そう!セリフだけは憶えていた貴子を起用しようというのだ。
急ぎ、メンバー達により、貴子の代役作戦が始まった。
はたして、
『六千両後日文章 重忠館の段』の幕は開くのだろうか……
とても豪華なキャストと
その贅沢な使い方、それだけでやや感動してしまいます。
「大鹿村騒動記」という、あまりセンスを感じないタイトルの割りには、
面白おかしく進むストーリーは好感がもてました。
企画にも参加しているだけあり、
原田さんが実に生き生きとして若く、
その存在感は健在って感じでしたよ!(●´艸`)
いい役者さんでしたよね~~。+゚(゚´Д`゚)゚+。
村役場総務課職員の美江役を、松たか子さんが好演!
あまり本筋には絡まないようで、要所要所でいい芝居してました。
歌舞伎終了時に、貴子の足袋を脱がしていると
認知症の貴子に「ありがとう…」と言われた際の
涙を堪えている表情が抜群によかったです!
松さんもただものではないですな!やはり!(∀`从)♡♡♡
三國連太郎さんと佐藤浩市さんの親子共演もありました。
絡みはなかったようですが…
作品中、
歌舞伎シーンが3分の1くらい占めてしまってますが、
延々ながれる歌舞伎も、けっして暑苦しく感じないのは、
劇中劇の完成度が高いのか?
なにげに、面白かったです、劇中劇の歌舞伎シーン'`,、('∀`) '`,、
そして長々と見せる歌舞伎シーンありきで、
ラストシーンの善と貴子のやりとりが光りますね(∀`从)
誰も泣きをみない、
ただ、誰も今より幸せになるようなこともない
そんな、南アルプスの山間部に位置する、小さな谷戸の村・大鹿村…
三百年守り続けてきた、村の芸能・大鹿歌舞伎。
今日は昨日と変わらず
明日も今日と変わらない生活
田んぼ耕して、野菜作って、鹿撃って暮らしてる…
何もない村?
いやいや!
この村には“歌舞伎”があるのです。