風の輪舞曲(ロンド)~闇を奏でる者~ No.10 | 好き勝手に物語を書くぞ~♪

風の輪舞曲(ロンド)~闇を奏でる者~ No.10

~始まりの時~ No.10



兵士達が2人の捜索に出てから1時間程経過した頃だろうか…ジルが指揮する隊の1人が草むらの中で何かを見つけた様である。



「お~い!!皆ちょっとこっちに来てくれ!!」



そう言って皆を呼んだ兵士の所にジル達が行くと、そこには、おびただしい血の後が地面に付いていた。



「…こ、これは!?」



そう言ってジルは驚きその場に立ち尽くした。
勿論、他の兵士達も同じである。



「何なんだこれは…まさか…2人の…って事はない…よな?」



1人の兵士がそう言いながら他の兵士達の顔を見ると、ジル達も『まさかな…。』といった感じで顔を見合わせた。



「…とにかく、この辺を重点的に捜してみよう。
何か見つかるかもしれない…。」



ジルがそう言うと、その場に集まった全員が頷き、捜索を再開した。
そして暫くすると、またジル達を呼ぶ声がしたので、その場所へと兵士達が集まった。



血の跡が残っていた場所から500メートル程離れた所である。



草が踏み潰された所があり、それはどうやら獣の足跡の様だが、普通の獣の物よりも遥かに大きい。
そして、その場所にも血の跡が付いていて、側に金属の破片の様な物が落ちていた。



「これは…?」



ジルはそう呟きながらしゃがみ込み、地面に落ちている金属片を手に取るとゆっくり立ち上がった。



よく見てみるとその破片は、ジル達が身に付けている鎧と同一の素材の物の様だ。



「…もしかしたら、これは2人の内のどちらかが身に付けていた物なのかもしれないな…。」



ジルが深刻そうな顔をしながらそう言うと、他の兵士達の顔が青ざめていった。
そしてジルは一呼吸して、



「この事を隊長と他の隊に知らせるんだ。」



と、静かな口調で言った。
しかし、他の兵士達は信じられない感じで呆然と立ち尽くしている。



「何をしている!!早く報告をするんだ!!」



ジルが大声を出して言うと、兵士達は我にかえり魔法を使う者がクレイブ達に報告をする為に魔法を唱え始めた。



『…隊長、ならびに他の隊の者達へ…こちらはジルが指揮する隊の者であります。
2人の物と思われる痕跡を発見したのでありますが、事態は最悪の状況にある様です。
至急こちらに集合願います。
場所は城北部にある草むらの中です。
上空に魔法で光の玉を作っておきますので、それを目印にこちらまで来て下さい。
以上、報告を終わります。』



そう言って報告し終わると、隊の1人が魔法で光の玉を作り出した後、ジル達はひとまずその場に座り込み、皆が到着するのを待った。



一方、城で待機していたクレイブは、魔法での報告を聞いた後、『ハルバート』と呼ばれる槍と斧が一体化した武器を手に取ると、待機所の前に繋いであった馬に股がり、即座にジル達の所へと向かって行った。