風の輪舞曲(ロンド)~闇を奏でる者~ No.5 | 好き勝手に物語を書くぞ~♪

風の輪舞曲(ロンド)~闇を奏でる者~ No.5

~始まりの時~ No.5


城内へと部下達が2人を捜しにいってから2時間程たつだろうか…。


続々と中年兵の待つ部屋に戻ってきだしたが、2人を連れて来る者は誰もいない。


そして、最後にジルが戻って来たが、やはり2人を見つけ出す事は出来なかった様だ。


「他の隊の兵士にも聞いてみましたが、2人を見かけた者は誰もいない様ですね。」


ジルは中年兵に近付いて、そう報告すると、


「隊長、どうしますか?これ以上城内を捜しても、おそらく見つからないと思いますが…。」


と、問い掛けた。


「そうだな…。」


中年兵は腕を組ながらそう呟くと、少し考え出した。


(城内にいないとなると城の外か…。しかし、特に争ったりした形跡等は無かったが…。)


そう思った後、部下達の方を見て、


「仕方がない…。これより城の外に出て2人を捜索する事にする。俺は国王に許可を申請して来るから、お前達は装備を整えて、またこの場所に集まっておいてくれ…分かったな。」


と、全員を見渡しながら言うと、部下達はうなずいてから席を立ち、装備を整える為に各自部屋へと戻っていった。


「ジル、ちょっといいか?」


中年兵は装備を整えにいこうとしていたジルを呼び止めた。


「なんですか、隊長?」


立ち止まって後ろを振り向くと、ジルはそう言って中年兵に近寄った。


「すまないが、戻って来る時にデュランも連れて来てくれないか。」


デュランとは、ジル同様に中年兵が自分の隊の中で最も信頼している部下の1人である。


「彼奴も連れていくんですか?」


ジルはちょっと嫌そうな顔をしながら言った…どうやら、少し気が乗らない様子である。


「そう嫌がるな…。彼奴は隊の中でも、戦闘に関しては一番優れているんだ。万が一の事を考えて捜索に連れていきたい。」


中年兵がジルに向かってそう言うと、


「…分かりました。隊長がそう言うなら仕方ないですね…。それでは、デュランも後で連れて来ます。」


と、渋々だが了解した。


「ああ、それじゃあ頼んだぞ。必ずデュランを連れて来てくれ。」


中年兵がそう言うと、ジルは一礼をしてから自分の部屋へと戻っていった。


「俺も王の所へ行くとするかな…。」


中年兵はそう呟くと、国王が居る『王の間』へと向かった。