以前、ニコン・レンジファインダーカメラを買っていたときに「俺はブラックしか要らない!」と豪語し、希少なブラックペイントカメラを盛んに求めたものでした。
流石にその頃から30年も経つと物の云い方も丸くなり「ボクは黒塗りが好き」となりますが(^O^)、気持ちは昔のままです(^_-)。
昔のフィルムカメラの時代、プラスチックで出来たコンパクトカメラは別として、高級一眼レフはクロームボディーが一般的で、メッキの代わりに黒塗装されたものは少なかったものです。
それが段々と一般的になり、ニコンで云うならばF2の時代にはクロームメッキされたものと黒塗装をされたものが半々になり、F3の時代になって黒塗装をされたものが標準となりました。
時代は下ってコンパクトカメラのみならず一眼レフカメラのボディーやレンズまでプラスチックで覆われるようになり、プロの方々にとっては軽量化されて良いのかも分かりませんが、写真を撮るという趣味を楽しむボクにとってはツール以外の部分も大事なので「持つ喜び」とは程遠い存在となってしまいました。
例えばライカを例にとるならば、真鍮板をプレス加工したものの上にラッカーもしくはエナメル塗装を施してあるため、クロームメッキ・もしくは黒クロームメッキされたものと違って、手にしたときの感触、手にしたときの温度が暖かく感じられ、手に馴染むんです。
これがまず第一の魅力。
そして使っている内にコーナーの塗装が剥げてきて、あたかも自分と一緒に人生を歩んでいるような錯覚を起こさせる。
これが第二の魅力です。
ボクは2021年9月になってようやく暗室作業に見切りをつけてLeica M10-P(2018年発売)を買いました。
黒クロームメッキされたボディーです。
以来このカメラをメインに作品創りをしてきましたが上記のふたつの魅力はなく、何か満ち足りないものを感じていました。
そこで最近になって黒塗りされたM-P Typ240(2014年発売、M10-Pのひとつ前の機種です)を購入したところ、これらの不満は解消されて持ち歩くのが楽しくなりました。
趣味ですからね、こういった部分は重要です。
先日旧友と会って「M10-Pは処分するかも知れない」と話したところ、彼もその真意は充分に理解してくれましたが、フィルムカメラと違ってデジカメは電子機器ですから寿命があるわけで、どこまでライカ社がフォローし続けてくれるかが不安要素ではあります。
とはいえ、ボクも先月70歳になったのだし、この先何年生きられるか分かりませんから、そんな心配をしてもしょうがないかな?とも思っています(^O^)。