http://www.asahi.com/business/update/0714/075.html


2006年07月14日10時03分

 マーガリンやマヨネーズなど菜種油を主要原料とする商品に値上げ圧力がかかっている。原油高を背景に欧米で菜種油を自動車燃料向けに使う動きが広がり、環境利用と食用との間で奪い合う構図だ。調達費用が上昇しているため、国内製油メーカーは相次いで卸売価格を値上げし、海外の菜種の産地に投資する大手商社も出てきた。

 5月の海外先物市場で菜種は一時、2割程度急騰。「今後数年で需給が逼迫(ひっぱく)する」(市場関係者)などとして先高観が強まっている。

 大手製油メーカーは大口取引先の食品メーカーに対して4~6月期の卸売価格を1~3月期に比べ7%程度(約10円)高い1キロ130円台に値上げした。調達先の反応は様々で、マヨネーズ首位のキユーピーは「自助努力で吸収し、価格に影響は出ていない」というが、雪印乳業は「マーガリンの価格の見直しを検討している」という。

 世界の菜種の生産量は約4800万トン(05年)。ほとんどは自国で消費され、貿易量はその10%強しかない。一方、欧州連合(EU)は03年の政令で植物油を原料とするバイオディーゼルの利用を促しており、05年は菜種油の食用と燃料用がほぼ均衡した。

 10年にはEUのバイオディーゼル利用だけで4400万トン分の菜種が必要になるとの見通しもある。大豆油など他の植物油による代替の研究も進むとはいえ、EUが大幅な輸入に転じることは避けられない。

 日本は世界最大の菜種輸入国で、貿易量の約4割を占めるだけに安定的に確保することが重要な課題だ。三井物産はカナダの大手穀物会社、サスカチワン・ホウィート・プール社の第三者割当増資を引き受け、約8億円(出資比率1.6%)を出資、関係を強化した。


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↑10年後には非常におおきな問題でしょうね。マレーシアのBDF製造ライセンス停止もありましたが、限られた植物資源の奪いあいはすでに始まってることが、日本でも認識されるきっかけになればいいですね。