どこに出かけても、
「どうしたの？どうしたの？可哀想に」
と見知らぬ人に言われ、
辛かった頃です。
でもそんなことより一番辛かったのは、
全身に湿疹があって、
特に背中が酷くて、
仰向けに寝ることができず、
うつ伏せで、
亀のように寝ている娘の寝姿でした。
湿疹から出た黄色い汁で、
シャツは常にカピカピ、ベトベト。
ようやく出会えた小児アレルギー専門のお医者さんから、
遅延性アレルギー
と診断していただきました。
まずは母乳を「除去食」にするため、
私自身が食事制限を始めて。
そうすると、少しずつ、少しずつ、
症状が改善していき、
私の除去食は娘が3歳の時まで続き、
娘自身は現在も除去しています。
当時は、
触るものにも神経を使っていました。
小麦粘土で遊んだ手が、
ドラえもんのように腫れてしまったこともあります。
常に常に、
大丈夫かどうか？とピリピリ。
かなり症状は改善しましたが、
小学生になっても、
給食は食べることができません。
毎日お弁当を持って登校しています。
みんなと同じオヤツを食べることは
できません。
それでも。
あの、
ピリピリした孤独な日々に比べたら、
今は天国のようです。
娘のアレルギーが一番酷かった当時、
夫は保険の代理店でした。
実家は40年以上続く自然栽培農家。
大切な土地を守りたいという思いで、
農繁期には両親を手伝いつつも、
その反面、
自然栽培農家の収入は不安定ですから、
継ぐべきか、
継がざるべきか、
ずっと悩んでいました。
娘のアレルギーの主な原因が、
食物アレルギーと分かり。
「娘が食べられるものをつくりたい」
それが、
最終的に彼の背中を押しました。
夫は自然栽培農家になり、
少しずつ、少しずつ、
お客様が増え、
仲間が増えてきました。
娘と同じように、
食べるもので困っている方や、
安全で美味しいものを求めている方とのご縁も沢山ありました。
義父が亡くなった後を正式に継ぎました。
娘は11歳となり、
夫は農家となって10年となります。
やっと、やっと、
いい方向に向いてきた、
と思っていましたのに。
今年は、
春先からの天候不順で、
本当に大変でした。
何もかもが不作。
せっかくご注文のお電話を頂いても、
今は、
お売りするものがありません。
加えて、台風が襲ってきました。
田植え機を収納していた車庫が、
風で飛ばされて機械は使用不能に。
ビニールハウスも風で大破し、
貴重な収入源であった野菜は全滅。
公的資金援助の申請はしたものの、
ここは「被災地」ではないため、
いつ支援が実行されるのか、
いくら実行されるのかは、
未だに分かりません。
更に大雪で、
機械類を一時避難させていたビニールハウスの支柱が折れてしまい。
中に置いてあった機械類がピンチに。
どうにもならない状況となっています。
夫は、
心労による胃潰瘍に加えて喘息も発病。
冬場の力仕事で収入を得ることもできません。
このような状況を何とか、
皆さまに助けていただきたいと、
クラウドファウンディングを立ち上げました。
50年以上、
肥料も農薬も入れていない畑を守りたい、
これからも、
美味しいものを作ってお届けしたい。
彼の思いをどうか、
応援してはいただけないでしょうか？
クラウドファウンディングのリンクはこちらです↓
トップページの画像です↓
販売できる農産物がないのなら、
材料を仕入れる形でお届けしよう、
と、
先日、
敷地内に小さな加工場を作りました。
これから、そこで、
糀、味噌、お豆腐などの加工品を製造していく予定でいます。
来年通常通りの収穫であれば、
畑からそのまま加工場へ、
そして、
もっと美味しいものをお届けできたら、
と、
彼も頑張っております。
どうか皆さまのお力を貸してください。
どうぞよろしくお願い致します。
稲葉千津