こんにちは。
浪花大好き!浪花のズッコケおやじこといけやんです。
8月も下旬となり、朝夕には幾分涼しさを感じられる風が吹いているものの、日中はまだまだ35℃前後の気温が続いています。
オリンピックや高校野球で暑さを上回る熱気で応援した人も多いと思われますが、夏バテ気味の人は熱中症にならぬよう、暑さ対策を怠らないことが必要です。
4年に一度のオリンピックにおいて、日本人選手の活躍は期待以上のものであったと思われ、特に団体戦でのチーム力は際立っていたように感じています。
男子400メートルリレーで日本が銀メダルを取る日が来ようとは今まで考えられず、感動した人も多かったでしょう。
リレー種目で求められるのは自己犠牲の精神だと指摘している人がおられ、まさに日本人のDNAに備わったものが発揮された出来事ではなかったかと思っています。
さて、オリンピックに選ばれる選手のほとんどは筋肉質の体であることは間違いありません。
筋肉は力を出すために必要であり、その量が多いほど大きな力を出せます。
また、最近の研究によりますと、筋肉内にあるサルコリピンという物質が熱産生に大きくかかわっていることが分かっています。
よって、筋肉をつけることはダイエットに効果があることの理論的な裏付けができつつあります。
今後の研究によって、サルコピリンの効用が示されることが大いに期待でき、病気予防にも一役買ってきそうな気がします。
サルコリピンという聞き慣れない単語が世の中に浸透してくれば、糖尿病予防に大きな効果をもたらしていくかもしれません。
以下、日経電子版の関連記事を転載します。
関心を持たれた人は一読して下さい。
筋肉を増やせば、糖尿病、肥満、冷え性を予防・改善できる?
熱産生のカギを握る注目のタンパク質「サルコリピン」
今、注目されているのが、熱産生に関わる「サルコリピン」というタンパク質です。
最近の研究により、体温を作れる能力は褐色脂肪ではなく筋肉がメインで、筋肉が熱を生み出す原動力がサルコリピンであることがわかってきました。
新発見されたタンパク質「サルコリピン」の働きとは?
筋肉の中には、筋小胞体というカルシウムをため込んでいる組織があります。
筋肉が収縮すると、そこからカルシウムが放出され、弛緩するときにカルシウムが戻るという仕組みがあります。
サルコリピンは、筋小胞体からカルシウムを外に漏らしてしまう“悪さ”(働き)をするのです。
そうすると、カルシウムをくみ上げるタンパク質(カルシウムポンプ)が活性化され、一生懸命にカルシウムを元に戻そうとします。
その際に、ATP(アデノシン三リン酸)が使われ、熱が発生する。
この仕組みによって、筋肉が実際に収縮しなくても、カルシウムポンプが働いて熱が生み出されるという現象が起こっているようです。
これはネズミを使った次のような実験で実証されました。
正常なネズミと、サルコリピンを作る遺伝子を壊してしまうことでサルコリピンが作れない状態にした(サルコリピンをノックアウトした)ネズミの2種類を、気温4℃の部屋に入れ、サーモグラフィーで身体の温度を観察していきます。
すると、正常なネズミは数十分から1時間たっても熱を出していました。
身体の表面は冷えるのですが、しっかり身体のコアの温度を維持しています。
一方、サルコリピンをノックアウトしたネズミは、どんどん身体のコアの温度が冷えていき、動かなくなってしまうのです。
筋肉の量は全く同じ。
ただ、サルコリピンが作れるか作れないかの違いだけで、片方は体温生産の極度に低い、“冷え性”のネズミになってしまうわけです。
冷え性は筋トレで改善される
これまで熱産生において重要な役割を担っていると思われていた褐色脂肪でも、同じ実験が行われています。
手術によって、正常のネズミから褐色脂肪だけを取り除き、それを同じく4℃の部屋に入れてみると、特に大きな問題は起こりませんでした。
褐色脂肪がなくても、筋肉がしっかり熱を作り、身体の中心部の温度は下がらないのです。
しかし、褐色脂肪を残しておいてもサルコリピンが作れないネズミの場合は、どんどん体温が下がっていきます。
こうした実験から、寒い環境のなかでしっかり体温を作れる能力は、褐色脂肪ではなく筋肉こそがメイン。
そして、筋肉が熱を生み出す原動力がサルコリピンである、ということがわかりました。
ある意味、これは劇的な発見だったといえるでしょう。
ということは、サルコリピンを増やしていけば、熱を生みやすい、寒さに強い体質になっていくわけですが、その方法は現段階では見つかっていません。
ただ、サルコリピンは筋肉の中にあるわけですから、その全体量は筋肉の量に比例すると考えていいでしょう。
筋肉量が増えれば熱を産生して身体を温める力が自動的に高まり、筋肉の減少は熱を作る能力の減退を意味するので、寒さに弱くなってくる。
ですから、冷え性で困っている人は、筋トレをすることで改善される可能性が高い、ということになるわけです。
肥満や糖尿病の予防にも
前述の研究の延長として、やはりサルコリピンをノックアウトしたネズミに高脂肪食を与えるという実験も行われました。
脂肪がたくさん含まれるエサを与えると、ネズミはみるみるうちに太っていく。そうして極度の肥満になってしまうことがわかりました。
一方、サルコリピンを持っている正常なネズミに同じ食事を与えても、少し太る程度でした。
つまり、筋肉が熱を作れないということは、太る原因にもなってしまうのです。
しかも、その状態でグルコースを与え、血中のブドウ糖の濃度の変化を調べると、そのネズミは糖尿病に近い状態になっていることがわかりました。
ここまでのことを整理すると、サルコリピンが足りないと、冷え性になり、肥満になり、糖尿病になりやすくなる。
逆にいうと、これらはすべて筋肉を増やすというアプローチによって、予防、改善できるということになります。
今後は「ダイエット」の観点からも、サルコリピンが注目されていくことは間違いないでしょう。
筋肉をつけて基礎代謝を高めることがダイエット効果につながるという理論は、既に浸透しつつあります。
ただ、それは基礎代謝が筋肉量に比例するという状況証拠からいわれてきた考え方であって、決定的な証拠があったわけではありません。
今回のサルコリピンの発見によって、実際に筋肉がどのように熱を出すかが証明され、その熱産生が減ると肥満や糖尿病になるということが具体的に示されました。
これは非常に有力な証拠になると思います。
サルコリピンは速筋、遅筋のどちらにより多く含まれているのか。あるいは、サルコリピンそのものを増やす方法はあるのか。
今後はそうした研究がさらに進んでいくと思われます。
「サルコリピン」という単語には、しばらく注目しておく価値があるでしょう。
石井直方(いしい なおかた)さん 東京大学教授
1955年、東京都出身。東京大学理学部卒業。同大学大学院博士課程修了。東京大学教授(運動生理学、トレーニング科学)。理学博士。力学的環境に対する骨格筋の適応のメカニズム、及びその応用としてのレジスタンストレーニングの方法論、健康や老化防止などについて研究している。日本随一の筋肉博士としてテレビ番組や雑誌でも活躍。著書は『筋肉まるわかり大事典』『トレーニング・メソッド』(ともに小社刊)、『一生太らない体のつくり方』(エクスナレッジ)など多数。