そして僕はとうとう博士課程に進学する事になる。
4年間で博士号を取得しなければならない。
博士課程に進む僕を、地元の友達やT大学時代の友人達は、博士課程に進学する事の危険性を語り、止めておけと止めてくれた。
しかし、頑固な僕は頑なに、博士課程に進んだ。
博士課程でも、全ては順調だった。
博士課程でも全ての時間を犠牲にして実験に取り組んだ。
おかげで、DC2という国から給料を貰える応募に当たった。
そして、一年オーバードクター(留年みたいなもの)をし、JCBという雑誌に論文を出した。
これは、中の中のレベルの論文だ。
だが、大学のネームバリューもあり、ポスドク(研究者の契約社員みたいなもの)先も決まった。
人生順調のはずだった。
しかし、ある時地元に戻った時に友人達と飲む事になったのだが、その時に博士課程進学を後悔する事になる。
友人達は皆働いており、出世が早いものは課長になっていた。年収は700万ちょっとらしい。
それに比べ、自分は年収360万円の契約社員。惨めに思えた。
自分のしてきた研究は、遊んできた友人達の半分の価値しか社会に貢献していないのだ。
それでも、自分には研究しかなかった。
この時、自分の置かれている立場、今後の将来が分かってきた。
研究室という宗教の洗脳から解けた瞬間だった。
地獄の始まりである。
