不可能の代名詞からサクラサクへ?サントリーが青いバラを商品化。来月発売 | バイオ・コンシェルジェ Weblog

不可能の代名詞からサクラサクへ?サントリーが青いバラを商品化。来月発売

「不可能の代名詞からサクラサクへ?サントリーが青いバラを商品化。来月発売」

サントリーから、世界で初めて開発に成功した「青いバラ」が発売されることになり
ました。バラには青い色を出すための色素遺伝子がないため、「青」は従来不可能
とされていましたが、サントリーはこの遺伝子を他の植物から導入することで実現
しています。

開発自体は既にされていたのですが、遺伝子組み換え商品として販売するに当たり、
自然環境への影響がないかを調査する必要(カルタヘナ法に基づく承認を得る)が
あったため、発売が11月3日となりました。

サントリーフラワーズのページはこちら
http://www.suntory.co.jp/flower/

バラは、世界中(南半球を除く)に様々な品種が存在し、品種によって様々色合い
を見せる花ですが、青いバラだけは自然界には見つかっていません。

それ故に不可能の代名詞とされ、古くから品種改良の目標にされてきました。
その結果、数多くの育種努力のおかげで、栽培環境によって変化こそすれ、
今回発売されるサントリーのバラと比べても遜色ない青さを持ったバラはいくつか
作成されています。

ただ、これら育種によって得られた青いバラは、見た目として青っぽくはなって
いるものの、花の色素としては青色の要素を含んでいないので、「原理的には」
青いバラとは呼べないものとされていました。

近年、遺伝子解析技術が発展したことにより、バラには青色色素を作る遺伝子が
存在しないことがわかり、従来の方法(育種法)では正に「不可能」なことが証明
されてしまいました。

ただ、不可能を証明した遺伝子解析技術と共に、その不可能を可能にする遺伝子
導入技術が開発されたため、各社はこの方法による開発を進めました。

とはいっても、同一種内には存在しない遺伝子を外部から導入し、しかも正常・
安定的に発現させるのは容易なことではありません。

パンジーの遺伝子を導入することで商品化に成功したサントリーでも、実に14年
もの歳月が必要でした。

今回、青いバラが開発されたことで、3原色である赤・黄・青が揃ったことになります。
この3色を混ぜると、理論的には純粋な黒が出来るはずです。

青いバラが不可能の花言葉を脱ぎ捨て、新たに「奇跡」という意味を得た今、
次の不可能の代名詞は黒バラになるかもしれませんね。
(現在の「黒バラ」は純粋な黒ではなく、非常に「濃い赤」)

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今回の『最近のTOPIXからつまみ食い』で青いバラに関して掲載しましたが、
なんと、その価格は通常の赤いバラの6~10倍とのこと。

バラ100本プレゼント!のようなシーンでは、20万~30万することになります。
インパクトはものすごく強いですが、お財布にもかなりインパクトの強い打撃
になりそうですね(笑)。
                             (鈴木)
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発行・編集 バイオ・コンシェルジェ株式会社
      バイオ・インフォメーション・ニュース編集部

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