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シリアにいると言う偽ジャーナリストとのやり取りを始めた珠子。詐欺師は珠子にシリアの惨状を聞かせ、その後子供がラスベガスで病気だと言う。治療費に10万円、ウェスタンユニオン経由で送金してほしいと言ってきました。しかし結局お金がとれない詐欺師。
そしてゴールデンウイークが明けると、珠子の返事がまたおかしくなります。何と息子のマルオが母親のiPad使ってハッキングしてしまってたのでした。
マルオは2000円を切手で送ると言って、Ammedの住所を聞き出します。そしてそこ宛に普通のエアメールで送信したと主張しています。しかし、お金は届かない。
詐欺師の言葉は英語のままで、珠子(マルオ)は日本語にしてお送りします。詐欺師のメッセージを英語の原文にしておくことで、彼らの英語がどんなものかを示すことができ、検索をかけたときに同じメッセージを被害者の方が見つけやすくできます。但し重要な内容は、時々註をいれるようにします。
マルオ: おっさん、封書とどいたか?
Ammed:
No, I haven't received it yet.
Please I will like to know if you where given any tracking number and all the details you filled when sending it. I will send someone to go collect it today.
Thanks
マルオ: いや、トラッキング番号なんてねぇよ。普通の郵便だからさ。
マルオ: おっさん、届いたのかよ!
しかしこの後音沙汰なし。
しかしどうやら冷やかしがバレたわけではないようでした。悲しいことですが、時期を同じくして私のフェースブックを見つけてこられた被害者の方がおられ、Richard を名乗る、Ammedと同じLINEを使う詐欺師に合計300万円をだまし取られたとのお話を伺いました。
おそらく、郵便事情が悪く、封書など届く可能性が低いので、マルオをこれ以上相手して届かないかもしれない2000円を待つことはないと判断したのでしょう。その被害者の方から奪った300万円のほうが詐欺団の収入としては大きいですから。
でも明るい話としては、そのおかげで合計300万円送金されてしまった被害者の方が気付かれ、これ以上彼を相手にしないことになさった。少なくとも一人、彼の有望カモから抜き取ることが出来た。
このBaitingの収穫は、
●銀行口座番号
●日本人のマネーミュール(被害者)の情報。おかげで、名前の違う同じ写真使った詐欺師の関係がつながった。AmmedとRichardは同じ詐欺団。
●コピペばかりの宿題エッセイ
●詐欺師の郵便物送り先住所(多分本人ではなく友人などの住所)
今まで、このジャーナリストの写真を使って日本人を狙う詐欺団の手口は、子供の病気とジャーナリストの負傷で治療費としての金銭要求までわかっていましたが、最近以下のパターンが更にあることを知りました。
1)まずはシリアの惨状を伝えてくれる。女子供が飢えたり弾丸に打たれたり酷い状況だと説明してくれる。被害者はこの段階でシリアの人々に同情を覚える。
2)かわいい子供の写真が送られてくる。(ブライアンとか言ってますがほかの名前もあるでしょう)。そしてその子供がアメリカ(あるいはオーストラリア)で病気で、治療費をシリアから払えない。そのため代わりに払ってほしいと言われる。この段階で、被害者は何とか子供を助けたいと思う。
3)次にジャーナリストが負傷する。友だちのジャーナリストが死亡したと行って、血まみれのジャーナリストの写真を送ってくる。ストーリーによっては彼はガーナかナイジェリアに逃れたというパターンもあり。珠子の場合はシリアで負傷してシリアで病院にいることになっている。
ここまでの段階まで来た人は、100万円かそれ以上とられている。
4)こどもの医療費とジャーナリストの医療費を支払った有望カモは更に次の段階に入る。それは戦地からの大金の入った箱というアフリカン詐欺の定番。荷物はドバイかイスタンブール、その他第三国の税関で足止めされ、その荷物に大金が入ってたために税金、手数料、書類作成料、荷物の持ち主証明、マネーロンダリング防止証明などいろいろな理由をつけて第三者(偽税関、偽国連、偽配送会社など)から請求される。この段階に来ると、合計300万円。
同じ写真を使った別の詐欺師は、最初に休暇申請の話を持ってきました。つまり、国連に許可を得ないと休暇がとれないということで、国連や第三国政府に婚約者として姿勢してほしいと言ってくる。これはミリタリー休暇詐欺と同じパターンです。
THE END