マルチ・エフェクター | B I N 's B A R

マルチ・エフェクター

(前項より続き)
というわけで今回のライヴでは今や誰も見向きもしなくなったラック・エフェクターを再生させてみることにした。とはいえ運搬のこともあり、またそれほどエフェクトを多用するわけでもないので大掛かりなシステムは考えない。手持ちのもので考えるに楽器からミキサー(もしくはプリアンプ)を介してエフェクターに接続するという最低限のシステムである。
今やもう手に入れにくいものばかりだがエフェクターの候補は次の2機種である。

・ZOOM 9050
これでしか出ない音が多々あり個人的には手放せない名機。空間系に繊細なトーンは求められないがフィルター、モジュレーション系は絶品。それと意外と軽視されているような気がするが、同社の製品には必ずと言っていい程搭載されているZNRというノイズリダクション・システムは秀逸。
・SONY MP-5
空間系の名機として知られるがSON○タイマーが発動したのかそろそろ動作は怪しい。同社のR7直系のリヴァーブは美しいがディレイ音は少し甘めである。元々キーボード用として設計されたらしいが、ベースに使うには最適な空間系マルチではないかと思っている。

お気づきと思うが2機種ともハーフラックである。ハーフラックというのがミソで、より小さなシステムが構築できる。今や市場では絶滅寸前の規格だが、ギター・ケースのポケットにも放り込め、なかなか都合の良いサイズである。専用のコントローラーを使えばフロア・マルチ的にも使えるので一時はコントローラー共々エフェクターケースに収め、足元に置いていたこともある。
個人的にスタジオ向けの機器をライヴに使うことに関しては殆ど意味のないことと思っている。というのも一般的なライヴハウスの環境に於いてオーディオ性能を追求することは(程度の差こそあれ)極めて難しいと思うからだ。それよりも確実な動作、堅牢な構造、簡便な操作性を優先したい。今回上げた2機種はその意味で(自分にとって)ライヴに最適なエフェクターと言えるのである。