ドラマ「特別機動捜査隊」(特捜隊)を見て知った女優に「丘野美子」がいる。

特別「魅力的」ではないけれど、演じる役柄によって、こんなにも印象が変わるのか、と、彼女の演技の幅の広さに感心してしまった。

第126話「天使の乳房」(1964年3月25日放映)
初めて「丘野美子」を知った作品。
タイトルにあるように「天使」のような心優しい保母さんを好演。
殺されてしまう役だったが、「丘野美子」イコール「清純」というイメージが出来上がってしまったので、これ以降に演じる「悪女」を少し、意外な気持ちで見ていた。
(が、しかし、これがなかなか、いいのだ)
「白い闘魚」(1964年11月4日放映)
またすごいタイトル。
「闘う魚」
これは、作品に登場する3人の女性たち。
そして、海外旅行(パリ)がテーマ
如何に渡航費用を工面するか。
女たちに利用される男たち。
そして(また、この言葉)「お金」
作品を鑑賞して思ったことは「男ってこんなにバカなの?」
「言葉巧みに男から、金を引き出させようする女」
そんな「小悪魔」を「丘野美子」は、好演していた。
「全てを温かく包み込む」「心優しい保母さん」
そんなイメージを払拭し、(清らかという垢を落とすと云ったらいいのか)男を虜にする「小悪魔」を好演。
第340話「霧のような女」(1968年5月1日放映)
「お~カラー映像」
1964年~1968年と飛んでしまったが、何しろ手持ちの映像があまりないのだ。
1965年 66年 67年とほとんどないに等しいので、この期間「特捜隊」に出演していたかどうかわからない。
「男をそそのかし、犯罪に手を染めさせ、大金をせしめる」
そんか悪女を好演している。
最初の「清らかな」イメージは、どこへやら。
まさに「ハマリ役」と思いながら、見ていた。
第340話「霧のような女」から、もう1枚。
髪の長さが違うのは、「エクステ!?」
「ウィッグ!?」
それと、1964年と比べて下の歯並びがキレイになっているので矯正したのかな、と、内容よりもそっちのほうが気になった。
ラストに見せる「本性」
一瞬の表情だが、彼女の悪女ぶりが窺える。
共演の「岩本多代」は、わがままな奥様を演じていたが(悪妻と云ったほうがいいかな)
彼女よりも「丘野美子」演じる役柄のほうが「悪女ぶり」が際立っている。
「岩本多代」演じる「自由奔放なわがまま奥様」
「女の火遊び」もむしろ「カワイらしく」見える。
「霧のような女」とうタイトルは、「岩本多代」ではなく、「丘野美子」を指しているのかな、と、観賞後、思った。
確かにオープニングに「岩本多代」が浮気相手と密会している場面が描かれている。
その日の夜は、霧がかかっていたが、作品を見る限り、後半「丘野美子」が言葉巧みに男を犯罪に誘うシーン。
その夜も霧がかかっていた。
知名度でいえば「岩本多代」に軍配が上がるのだろうが、個人的には、「丘野美子」を「霧のような女」とみたい。
「脚本家に云わせれば違うよ」と云われてしまうかもしれないが確認しようもない。
見る人によって感じかたや受け止めかたもさまざま。
そこがおもしろいところでもある。
内容よりも「丘野美子」の演技や変化を見ていた。
第351話「鬼火」(1968年7月17日放映)
この第351話では、悪い男に引っ掛かり、不幸な最後を遂げた妹の復讐に立ち上がる女性を好演。
自身も病に侵されながら、それでも亡き妹のために病身を押して男と対峙する姉を好演。
(幽霊に扮して妹を苦しめた男に復讐する)
ラスト5分程度の出演ながら、印象に残る演技だった。
このときは「特別出演」と表記されている。
この当時は、名の知れた女優だったのかな。
「清純な役」から「悪女役」まで演技の幅が広い。
演じる役柄によって、ガラっと印象が変わるのだから、さすが。
「もっと、彼女の演技が見たいなぁ」