1961年11月15日公開 84分
脇を固める出演者たちが個人的には馴染み深い面々なのである。
原作 横溝正史
脚本 渡辺邦男 結束信二
監督 渡辺邦男
冒頭で殺害されてしまう
人気歌手・和泉須磨子を演じるは「八代万智子」
振り向いたら殺人鬼が!
須磨子のお通夜には村中から大勢の人たちが参列した。
須磨子の実家は、村一番の大富豪。
当主である、須磨子の父・剛三は、村を支配する権力者でもある。
いまから、63年前のテレビ
いまと比べると、わりと小さめ。
こういうものを見られるのも映画のいいところである。
さて、気になったのが歌声。
これは、「万智子ねえさんが本当に歌っているのかな?」
声を聞いていると、彼女の声のようだし。
温かみがあって、なかなか、いい感じ。
やはり、「八代万智子」といえば
「プレイガール」
やっぱ、このイメージ。
金田一耕助を演じるは「高倉健」
颯爽と登場
かっこよすぎ(笑)
原作とはだいぶイメージが違うが、「金田一耕助シリーズ」としてではなく、「高倉健」演じる私立探偵が怪事件を解決していく。
そう見たほうがよいかもしれない。
ま、個人的には、まず「八代万智子」出演!に興味を引かれ、そして「大村文武」(映画版 月光仮面 警視庁物語)の名前を発見したのも鑑賞理由。
見始めたら、知ってる顔ぶれが次々と出てきたのも嬉しく(ちょい役で菅原壮男など、東映作品で脇を固める俳優陣が次々と出てきて)見ていて飽きさせない。←個人的な感想 東映作品に馴染みのない人は、知らない顔ぶればかりだと思うが。
「横溝正史の金田一耕介」ファンからは受け入れられないかもしれないが、個人的には、十分楽しめた作品
もちろん、「石坂浩二」版も鑑賞したが、どちらも好きな作品である。
金田一耕介の秘書・白木静子を演じる
「北原しげみ」
キャスト紹介では、「高倉健」「小野透」に次ぐ3番目に紹介されているが、登場は、開始から1時間経過して、ようやくの出番。
しかもちょい役。
と、ここで1961年12月号の「東映の友」を手に取ると、「中村賀津雄」と一緒に表紙を飾っている。
賀津雄「やあ、こんにちわ、おそくなってゴメン、ゴメン…。(階段を駆け上がってくる)」
北原「いいえ、あいかわらずお忙しいのね。(笑)
賀津雄(汗をふきながら)「うん、セットのあい間に抜け出してきたもんだから、あわてちゃった」
北原「今、なんの作品ですか?」
賀津雄「シリーズものの「石松社員は男でござる」を撮っているんだけれど、上映が近いので連日追い込みをかけているんだ。」
北原「それは大変ですね。休む暇もないでしょう

賀津雄「うん、でも仕事に追われているほうが我々にはいいのかもしれないよ」
北原「そうかもしれませんね。
私もそう思うわ。お仕事をしていなくてもなんとなく1日を過ごしてしまうだけですもの!」
賀津雄「確かにそうだね。そうそう、しげみちゃんとは、このシリーズもので一緒に仕事したっけね」
北原「ええ。3作目の「次郎長社長とよさこい道中」だったわ。
あのときは、四国の高知にロケをしてとても楽しかったですね」
賀津雄「なにしろ高知の「よさこい祭り」をバックに撮ったのだから最高にゴキゲンだったね」
北原「ほんとお祭りの盛大さには驚いたわ。
また機会があったら行ってみたいところですね」
賀津雄「うん。またロケがないかなあ。
(賀津雄ちゃんとしげみちゃんの写真を撮るため、クリスマスの扮装をお願いすると)」
賀津雄「クリスマスの写真とはうれしいねえ…(ニコニコと)」
北原「わあ、キレイ、なんだかクリスマスをほんとに迎えてるみたい」
賀津雄「なかなか、その格好似合うよ。
お先に2人でクリスマスを楽しんじゃおうか(笑)」
北原「ええ。いつもクリスマスにはどこに行くの?」
賀津雄「いや、べつにどこってあてはないけどさ、しげみちゃんは、どうしてる?」
北原「そうね。私はいつも家で両親と楽しむ程度だわ。
今度のクリスマス遊びに来ませんか?」
賀津雄「うん。ありがとう。東京にいるようだったら、ぜひ行かせてもらいます」
(東京撮影所技術館屋上にて)
この作品から6年後の1967年10月18日放送
「特別機動捜査隊」第312話
「恋人よ さようなら」より。

ずいぶん垢抜けましたね~
このときは、悪女役で登場。
記録上は、1967年が最後。
結婚して引退してしまったのかな。
北原しげみ 1943年2月12日 東京都出身
どういう経緯で東映に入社したのかなど、詳しいことはわからない。
そうすると、「東映の友」に掲載されていた「中村賀津雄」との「おしゃべり」は、大変貴重な資料ということになる。

ずいぶん横道にそれてしまった。
話を戻すと、「高倉健」の次、2番目に紹介されているのが「小野透」
美空ひばりの弟(目がそっくりですね)
彼の弟は、やはり、東映で活躍した
「花房錦一」
遠藤和雄を演じるは「小野透」
恋人の里子の姉・須磨子が殺害される。
里子の身を案じた和雄は、急いで彼女の故郷へ。
そこで偶然にも金田一耕介と同じ宿に泊まったことから、金田一の助手として事件解明に奔走する。
「小野透」出演作品は、何本か見たことがあるけれど、作品名や共演者、内容は忘れてしまった。
須磨子の妹・里子を演じるは「志村妙子」
(現「太地喜和子」)
キャスト紹介では6番目に紹介されているので、まさか本作のヒロインだとは思わなかった。
(北原しげみがヒロインだと思っていたので、ちょっと以外だった)最初から最後まで出ずっぱり。

「志村妙子」名義のときに出演した作品は、「特別機動捜査隊」第1話「最後の犯人(ホシ)を追え」(1961年10月11日放映)
こちらはDVDで鑑賞。
それ以外は、見たことがない(太地喜和子に名を変えた後も同じである。)
「東映の友」を手に取ると「志村妙子」名義のときに出演した「ナショナルキッド」の紹介記事やファンとの交流の様子などが紹介されている。
1960年8月号 No.2(創刊号は、7月)より。
左)志村妙子 右)小嶋一郎
宿屋の女中役で登場する「小林裕子」
「高倉健」や「小野透」が泊まる宿屋の女中役を好演している。
1961年4月号「東映の友」の表紙を飾る
「小林裕子」
「東映の友」1961年7月号より。
「東西オールスターが一同に会して創立10周年祝賀パーティー開かる」とある。
~乾盃! 松方 水木 小林の仲良し3人組~
同じく「東映の友」1961年7月号より。
「風来坊探偵 赤い谷の惨劇」紹介記事
(主演は千葉真一 共演:曽根晴美)
左)小林裕子 右)北原しげみ
同じく「東映の友」1961年7月より。
「魚河岸の女石松」(主演は美空ひばり)
左)小林裕子 右)高倉健
里子の兄・源一郎を演じるは、映画「月光仮面」
「警視庁物語」でおなじみ「大村文武」
須磨子に続き、殺害されてしまう。
第2の被害者。
須磨子 源一郎 里子の父親・剛三を演じるは
「永田靖」
事件の元凶は、剛三が過去に犯したある犯罪に起因している。
剛三の妻を演じるは「不忍郷子」
里子に一方的な想いを寄せる「栗林」を演じるは「山本麟一」
かなり「嫌な奴」を演じております。
個人的には、「警視庁物語」で演じた「金子刑事」の印象が強い。
個人的には1番好きなシーンかな。
東映作品で脇を固める役者陣の顔ぶれ。
左から)「北峰有二」 磯川警部役「神田隆」
「岡野耕作」「山田甲一」
運転手役の「大東良」
やはり、「警視庁物語」を見て知った俳優
左から「小林裕子」「小野透」「山口勇」
「増田順二」
「山口勇」「増田順二」も東映作品ではおなじみ
左)巡査役の「河合絃司」
剛三とは深い関わりを持つ「石山」を演じるは
「石黒達也」
個人的には、時代劇俳優のイメージが強い。
この作品では、忠義に篤い役柄で登場する。
「辰蔵」演じる「中村是好」
飲んだくれ「放庵」を演じるは、映画「警視庁物語」では、林刑事役でおなじみ「花澤徳衛」
「山本麟一」の左後ろにいるのは
殺陣師「日尾孝司」
「志村妙子」(現 太地喜和子)とは、「特別機動捜査隊」第1話「最後の犯人を追え」(1961年10月11日放映)で共演している。
そのときは、犯人役だったが、今回は、村の若い衆役で出演。
と、ストーリーもさることながら、「あ、この人も出てる」とか「ちょい役でカメラも寄らないから、よく見ないと見逃してしまう」
だからこそ、「この俳優さんも出てるんだ」と、気づいたときは嬉しい。
いつの頃からか、映画やドラマを鑑賞していて、作品を支える脇役陣に目がいってしまう自分に気づいた。
また、そういう人を見つけるのも作品を鑑賞する楽しみであったりするのだ。