今年、鑑賞した最初の作品

「月光仮面 絶海の死斗」(1958)

東映作品である。

前回紹介した「月光仮面」(1958)の「第2部」

完結編である。

出演者は、ほぼ同じである。

松田警部(須藤健)から取り調べを受ける
ユリ(小宮光江)
どくろ仮面の一味である。
すると、そこへ「ユリの母親」となのる人物から差し入れが届けられる。
これは、「お饅頭」「羊羹」「カステラ」?
ストーリーよりも、そっちの方が気になる。
松田警部を演じる「須藤健」
個人的には、「警視庁物語」シリーズで知った俳優。
2代目「渡辺刑事役」でおなじみデス。
不審に思い、箱を裏返す「祝十郎」
すると、時限爆弾が仕掛けられていた。
祝十郎を演じる「大村文武」
この作品が公開された1958年は、「警視庁物語」シリーズ7作「七人の追跡者」
シリーズ第8作「魔の伝言板」で大田刑事を好演
この時代の役者は、掛け持ちが当たり前だったんだなぁ、と。
映画全盛の古き良き時代。
間一髪 祝十郎 取り調べ室を出て、時限爆弾を外へ放り投げる。
バテレンお由を演じる「原泉」
扮装とはいえ、すごい出で立ち。
「ユリの母親」と称して「時限爆弾」の差し入れを。恐ろしい。
右の女性が「原泉」
扮装する前と後では、エライ違い。
「長谷部健」と「若水ヤエ子」
前作で負傷した「タイガー」(長谷部健)の体を拭く、カボ子(若水ヤエ子)
そこへ、警察から注意換気のTELが・・
「ユリ」の命を狙った「どくろ仮面」が時限爆弾を警察に送ってきたとの連絡。
どくろ仮面のメンバーである、「ユリ」の兄「タイガー」にも危険が迫っていた。
左から、「原国雄」「藤井珠実」「柳谷寛」「若水ヤエ子」「長谷部健」
「柳谷寛」と「若水ヤエ子」のコミカルな芝居は、この作品の見所のひとつ。
「タイガー」を演じるは、「長谷部健」
端正な顔立ち。
この「長谷部健」という俳優を知ったのも「警視庁物語」シリーズ。
「長谷部健」についてネットで調べてもあまり詳しいことはわからない。
そこで以前、購入した「キネマ旬報 日本映画俳優全集・男優編」で調べてみると・・
「1928年5月1日京都市生まれ。
本名・逸見竜治 父親は、中野英治(本名・中野栄三郎) 母親は、英百合子(本名・逸見袈裟子)という、ともに映画スター
一人息子。生後まもなく、両親が離婚。
母の手で育てられる。
明治学院大学社会学科を中退。
1949年に中野竜一の芸名で大映の「どぶろくの辰」に初出演。
1950年に大映へ入社、長谷部健と改名し、演技研究所に学んだのち、「宮城広場」(1951)に三益愛子の息子、乙羽信子の弟役で久我美子と結ばれるという準主役で登場。
続く「愛染橋」(1951)では女義太夫の田中絹代の息子役、また時代劇の「新州天馬侠」(1952)では主役の武田伊那丸、「十代の性典」(1953)では大学生・新田で活躍。
不良少年や色敵などのくずれた役柄にヤングらしい新鮮さを見せた。
1955年、日活へ転じ、「銀座の女」(1955)では、轟夕紀子、北原三枝と共演したが、やがて脇役へ回り、東映へ移って「月光仮面」「母と拳銃」(1958)「決斗の谷」(1960)などに出演した。」
とある。
記録上に残る、最後の映画出演作品は、「白い熱球」(1963) 東映作品
主演は、千葉真一 共演は、小川守 志村妙子(現・太地喜和子) 新井茂子など‥
俳優稼業を辞めてしまったのだろうか?
「警視庁物語 遺留品なし」シリーズ第9作より。
犯人役で出演。
1959年 東映作品である。
右)山本麟一 隣は、須藤健
「警視庁物語 深夜便130列車」(1960)
シリーズ第12作
犯人と間違われる役柄で出演。
もう1枚「長谷部健」のショットを。
看護婦役で「山本緑」
この人もやはり、「警視庁物語」で知った女優
脇で光る「役者」ですね。
どくろ仮面のメンバー
タイガーの命を狙う「山本麟一」
平行して「警視庁物語」シリーズにも出演。
金子刑事役でおなじみ。
そして、「長谷部健」の母親「英百合子」
「警視庁物語 七人の追跡者」(1958)より。
左)英百合子 右)堀雄二
赤星博士役の「佐々木孝丸」
どくろ仮面から「研究所を爆破する」との脅迫文が田坂博士に届く。
2人は、ある提案をするため中山博士宅を訪問する。
田坂博士役の「永田靖」
中山博士を心配し、自身の別荘にかくまうことにしたが、それを嗅ぎ付けたどくろ仮面は、田坂博士の過去をネタに脅迫する。
そして、自身が築いた地位や名声を守るために中山博士をどくろ仮面に売ることを決意する。
悪の表情をチラッと見せる、「永田靖」の演技はさすが。
赤星博士 田坂博士の提案で身を隠すことにした中山博士。
田坂博士の別荘に向かう途中、どくろ仮面の一味が現れ、中山博士と博士の令嬢・あや子が捕らわれてしまう。
中山博士が身を隠すことを知っていたのは、祝十郎 赤星博士 田坂博士の3人。
この場にいないのは、赤星博士なので彼がどくろ仮面だということは、すぐにわかってしまう。
どこかの部屋の一室に閉じ込められる、祝十郎と田坂博士の2人。
どうやって、ここから脱出したのかが描かれていないので不明だが、この後、田坂博士は、研究室に戻り、祝十郎は、月光仮面として、中山博士と令嬢・あや子の救出に向かう。
どくろ仮面の一味に無理やり、ヘリコプターに乗せられる、中山博士と令嬢・あや子
月光仮面の姿を見て、安堵の表情を見せる。
中山博士を演じるのは、「宇佐美淳也」
娘・あや子を演じるは、「峰博子」
「宇佐美淳也」は、こういう知的で紳士的な役柄がよく似合う。
「峰博子」に関しては、この作品以外、出演作品を見たことがない。
月光仮面の登場である。
へりに捕まり、すごい体勢。
どくろ仮面のアジトに潜入した祝十郎
演じるは、大村文武
兄のタイガーをどくろ仮面の一味に殺された
ユリは、祝十郎にどくろ仮面の正体が赤星博士であることを告げる。
演じる「小宮光江」は、やはり、警視庁物語シリーズで知った女優。
清純な役から悪女役まで幅広くこなす、魅力的な女優。
好きな女優のひとりである。
若くして亡くなったのが残念である。
祝十郎のピンチ!である。
左)アダラカーンを演じるは、沢彰謙
祝十郎を演じる「大村文武」
この帽子 このスタイル すごくいい。
なんとなく、「波島進」(特捜隊の立石主任)を思い起こさせる。
祝十郎のピンチを救うのは、ユリ。
巡視船に乗った松田警部たち。
どくろ仮面の一味どもを包囲するが・・
どくろ仮面が口から火を吐く。
海は、こんな状態に。
うーん。やはり、こういうシーンを見ると、カラー作品がいいなぁ、と思う。
ラスト 月光仮面と、どくろ仮面が対峙する
場面
どくろ仮面のマントを取る、月光仮面
マントを外された赤星博士の表情
この後、月光仮面の正体を知り、驚き、後ずさりする、どくろ仮面こと赤星博士だが、断崖絶壁から転落して非業の最後を遂げる。