BGM
You raise me up
母は小さなヘチマをそうめんと一緒に煮て食わせた。
私はその味よりもドロッとした柔らかい感触がどうしても好きにはなれなかった。
ヘチマは化粧水を作ると知ったのは小学校に上がってからだった。
評判の良くないヘチマは馬屋にさしかけた棚にいたずらに長くぶら下がっていた。
ガラガラになったヘチマを踏み石に叩きつけると先が割れて中から実が出て来る。
“ソ~レ!モウヒト~ツ!“
爺さんのそばで種を拾い集めた。
もう出ないだろうと思ってもいくらでも出て来るものだった。
夕方ヘチマを採って来た。
太ヘチマだろうが品種の正確な名前は知らない。独り生えで自然に生った。
30㎝もないくらいのものだ。

味噌炒めにしてもらったが水分が多いのでジャバジャバだ。
豚の餌みたい・・・。だが案外美味かった。

あったものをいただく。
もちろんないと食えないのだが、金を使わない生活とはそんなものだ。
